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療育にまつわる「からだ」へのまなざしvol.42

1月のバオバヴカフェは、「オープンダイアローグ」と、現場の事例のシェアを行いました。たとえば「工作の時間(放課後デイ)に、どうしてもカッターを使いたいという子の対応について」。参加者の皆様の柔軟性もあって、幾つかの方法が爽やかに提示され、こういう話し合いが、いろんな現場でも気軽に行われていますように、と願った1コマでした。
(特に特性を持つ)お子さんにとっての最適解は、一般論や先生の教育方針だけではなかなか難しいところがあります。最近、ギフテッドへの対策が、国内でもなされているようですが、そんなこともよぎったカフェでした。「オープンダイアローグ」については、下記にて。


<雑感>(文責:花沙)

今回は、前から気になっていたオープンダイアローグについて、その概要をシェアしました。「開かれた対話」という意味になります。斎藤環「まんが やってみたくなるオープンダイアローグ」医学書院2021を主に参考にしました。
元々は、フィンランドのケロブダス病院で始まった精神療法で、繰り返しの対話を通して緩和を目指す療法です。対話に参加するのは、患者に関わる医師、看護師、家族、セラピストなどで、上下関係のないフラットな関係性で対話をします。そこは、正解を求める場ではありません。議論や説得、批判・否定することや説明はタブーとなります。
患者の語る言葉に耳を傾けて、「お話を聞いて私はこのように感じました。」、「そのお話を聞いて、私も同じような経験があり、悲しくなりました」、「私はそれについて知らないので、詳しく教えてください」など主観を語り、患者の苦痛への共感や関心を向け続けることが大切です。様々な立場の人が、様々な視点からの主観を語り、交換し合うことが対話です。
患者には「皆にしっかり自分の感情を聴いてもらえた」、「反対されずに聴いてもらえた」という尊重される経験を重ねてもらいます。これが、患者が自然に回復してゆく土壌となるようです。オープンダイアローグは、対話を続けることが目的で、治療の成果を追い求めることでは無いそうです。
患者存在をまるっと全肯定すること、そうすると患者自身にエネルギーが戻ってきて自己治癒に向かうことを信じる・・、これは育児にもあてはまる考え方で、大切な視点だなと思いました。


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