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療育にまつわる「からだ」へのまなざしvol.38

9月のバオバヴカフェの前半では、「ヴァルネラビリティ」「セルフアドボカシー」「恥」「感情の社会化」「偽りのない心の人達」などのワードが印象的だった。現実に起きている問題に、ヒントになるかもしれない、、と思考をめぐらすこと、、こういう作業は大切だ。これまでもやってきているはずだが、改めてこういう場の有り難さを想う。

後半は、支援の現場での実例から、「当たり前」を外すということについて。支援者側の「当たり前」が無意識に支援のふるまいに滲み出ることの、繊細さをおもう。だから学びがあり、資格があるのだろうが、人間と人間との関わり合いにおいて、「からだ」の方からヒントがやってくる時、私は、即興でおどるような、高速の判断と、でもとても緩やかな、相手へのからだのふるまいの可能性を忘れたくないと思うのだった。

以下、(参加者の)花沙さんより、「ヴァルネラビリティ」について、詳しく書いてくださいました。

アメリカの心理学者のブレネー・ブラウンは、ヴァルネラビリティ(vulnerability)という概念について語ります。それは、傷つきやすさ、もろさ、攻撃や批判などを受けやすいことを意味します。人はヴァルネラビリティを受け入れて、恐れを認める(弱さがある自分を肯定する)ことができると、果敢に様々なことに挑戦することができるといいます。不安や恐れ恥の意識は、人を委縮させて人との関わりから立ち去らせようとし、飛躍や創造のチャンスを失わせる・・とのこと。
ブランウン氏の著書「本当の勇気は『弱さ』を認めること」(サンマーク出版)で、最も印象に残った点は、恥の意識と恥からの回復力がいかに大切かについて、詳しく書かれてある点でした。小さいころから、「あなたはダメな子」というメッセージを受け取り続けると、自分を「価値の無い、恥ずかしい存在」と思い込むようになると思います。多くの親や管理者は、恥を子どもに植え付けて子どもをコントロールしようとしてしまいます。子どもはそれを内面に取り込んで「どうせできない。恥をかくよ。」と自分自身にささやきかけるようになります。
前掲書は、失敗するのが怖い、人からの批判が怖い、その弱さのある自分を全て認めた上で、震えながらも勇気を出してやりたいことに挑戦していくことがいかに大切かについて書かれてあったと理解しています。しかしながら長年にわたって恥を植え付けられてしまった子どもは、一人で恥を乗り越えていくことは難しく、信頼できる複数の大人の支援が必要だろうなとも思いました。集団生活に馴染みにくい子どもは、皆と同じようにできないことで、注意を受けることが多くなります。「できない」「できない」が重なり、「恥」を植え付けられえてしまいがちに・・。子どもと接するとき、忘れないようにしたいなと思いました。


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