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療育にまつわる「からだ」へのまなざしvol.35

今回は、バオバヴカフェでは、なじみの深い「ソマティック」という言葉について、とある団体の資料をもとに、おしゃべりしました。療育において、このあたりはどう扱われているかも含めて。

例えば、身体教育の1つとして、野口整体、野口体操、ロルフィング、アレクサンダーテクニックなど、身体心理療法として、フォーカシング、ゲシュタルト療法など、身体技法として、合気道、古武術、滝行など…が挙げられていて(この分類の是非はともかく)、 「ソマティック」のイメージは、なんとなく伝わるでしょうか。

「からだ」と「こころ」の関係性が軸ですが、このバランスが、ともかくよくない人(子ども)が多いというのが、実感としてあります。その中で、「セルフ」(じぶんを大切にする)という基(もと)という概念を知ったことは、収穫でした。こういう「バオバヴカフェ」のような場で、おしゃべり(あえて、おしゃべりと、書いています)していくことで、見えてくることが確実にあります。ご興味のある方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

以下、現場の話から、こんな例も。「心とカラダ」がゆったりほっこりするという別の時間軸……(by花沙さん)の大切さを、うまく表現してくださいました。

<雑感>(文責:花沙)
 今回のお話の中の一つで、支援が必要なお子さんに対する、視覚支援教材について・・というお話があった。例えば、1日のスケジュールがあって、「次はこれをするのだな」と見通しをもって行動するということが苦手なお子さんがいる。そういうお子さんを支援するために、絵カードでスケジュールなどを示し「次はこれをするよ」など、言葉を添える。ところが、お子さんが絵カードに興味を示さず、ぜんぜん見通しをもってもらえないと困っている支援者もいる。これは、自分自身の経験上、状況はよくわかる。

支援者がただ絵カードを示して、子どもに「次これやってほしい」という気持ちで臨めば、全くうまくいかない。つまり、支援者が思うように子どもが動いてほしいと思えば思うほど、うまくいかない。


日頃、支援者と子どもが十分に心とカラダを開いて、心地よい関係性を築く。この土台がとても大切なように思う。その土台があると子どもは、信頼する支援者となら「1日というのは、何かやることがあるんだな、やってみてもいいな」という思い(構え)が、少しずつ育っていく。このような道筋は、どの子も自然に通過していくと思うが、発達支援が必要な子には、時間をかけて個別な支援が必要となってくる。


支援の必要な子が、カラダがゆったりやわらかい状態である時は、支援者とのやりとりにも応答しやすい。そういう状態の中で、例えば支援者が「この遊びはあとこれだけ遊べます」と、色で経過時間のわかる支援時計などを示すと、子どもは視覚的に「あとこれくらい遊べる」と、見通しを持てるようになる。「そのあとは、ごはんを食べます」など、給食の絵カードを示すと、遊んだ後はごはんだな、という見通しにつながる。


支援の必要な子は、見通しを持ちにくく、場面の切り替えが苦手なことが多い。視覚教材は、「時計的な時間軸」をこなしていく効果的なツールとなりうる。ところが、その教材を効果的に活用するには、時計的な時間軸ではない、「心とカラダ」がゆったりほっこりするという別の時間軸・・を経験していくことが大切なのかなと感じる。



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