自分史上初の年末年始【年末診察編】
身体を洗って風呂に浸かる。
ザバッという音と共に、湯気がたちのぼる。
およそ1週間ぶりの我が家の風呂。
そういえば、異変に気付いた時も風呂場だったな。
そんなことを思いながら、フーッと息を吐き出した。足を伸ばした状態で身体をだらりと浴槽に預ける。風呂に入る前に確認した時は、多分10時頃だったはずだ。午前中のまだ柔らかい光が風呂場を包んでいる。
…なんだ、これ?
気付いたのはクリスマスが近くなった12月の下旬。風呂場で何気なく足を見ると、赤い斑点のようなものが多くできていた。
痛くも痒くもない、でも存在感のある斑点。
翌日に皮膚科に行き、診察を受けた。
「最近、風邪ひいた?」
「ひいてません」
「お腹痛い?」
「いいえ、特には」
「関節痛ある?」
「いえ、ないです」
「単純な紫斑だとは思うんだけど、大きな病院で判断してもらった方がいいかもね」
町の大きな病院への紹介状を渡された。その日は12月22日の金曜日。
まぁ、週明けの暇な時に行けばいいかな。
軽く考えて週末を迎えたのだが、その日の夜から身体の様子がおかしくなった。
足の指の腹が痛くなり歩きにくくなったり、膝が痛すぎて階段を上がれなくなったり。日曜には両足のかかとが腫れて歩行困難になってしまった。
ヤバい。病院に行こう。
紹介状のある病院に、12月25日月曜の朝イチに駆け込んだ。足を引きずりながら受付をする様子に、看護師さん達も驚いていた。血液検査、尿検査をした後で診察を受けた。
「検査結果を見ないと詳しくは分からないですけど、IgA血管炎かもしれませんね。まだ疑いですけど」
アイジーエー…血管炎?
聞き慣れない病名だった。
大人になって罹ると厄介で、ここから腎臓に合併症がいくと、IgA血管炎に伴う腎炎という国指定の難病になるらしい。また、激しい腹痛を伴う場合があり、最悪の時はそのまま手術になるという。
怖っ…。
「診断を確定させるために、皮膚の一部を取る生検をしてみましょうか。病理に回して調べてもらう検査です」
あ、それで分かるならそうしたいです。
皮膚生検。「皮膚をチョチョイと取って検査に出す」くらいだと思っていた。
「局所麻酔をかけて、メスで皮膚をくり抜くので明後日来てください」
え、そんなに大ごとなの?
同意書にサインなどして、帰宅した。
一応痛み止めにロキソニンを処方してもらった。
「日常生活は普通に送ってもらって大丈夫ですよ。ただ、運動は控えたほうがいいですね」
そもそも関節痛で運動できるような状態ではないので、ひたすら安静にすることを決めた。
ここからまさかの年末年始につながることになるとは思ってもみなかった。
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