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半月

帰り道の23時。

雨雲の去った群青の海。意味も目的も無い広がりに投げ出され、戸惑いと悲しみでぽっかりと上に口をあけて生きている半月。

私の心は、切り落とされて、断面から血を流し喘いでいる。今日も一つ、黒ずんだクレーターを作る。

それでも私は強く思う。腹の底の根の奥深くの、黄色い光源を、まるく眩しい人を。狼狽える私に、生命の焔をともす彼女を。

幾ら歩を進めども、距離の縮まらぬ半月よ。
願わくば、駆けていって、涙を流すお前の、その美しい命の光を、抱きしめさせてくれたまえ。


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