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何気ない仕草に苦しくなる度 心に約束を交わす

他人からすればどうでもいいことばかり、丁寧に切り取っている。いつか思い出すかもしれないからと、大切に書き留めている。そうしないと、すぐに忘れてしまうから。忘れるってことは大したことなかったんだって言う人もいるけれど、私の頭では大切なことさえも忘れてしまうから、書いておきたいって思う。

私のメールアドレスの羅列の意味を知っている人は高校時代の初めての彼氏だけだなってことや、雨の降る中目黒駅に全身青尽くめで立っていた女の人の透明なビニル傘が綺麗だったなってこと。夜におしゃれなアイスクリーム屋さんのベンチに座ったカップルが、彼氏は大事そうにアイスを食べている横で彼女は焼肉弁当を食べていたこと。好きな人の些細な仕草や口癖を覚えてしまって、勝手に脳内再生されるようになったこと。

aikoの話ばかりするからって飽きないでほしいのだけれど、彼女のことを好きなのは日常の瞬間を切り取って歌にのせて、こんなふうに世界を見ることもできるよって教えてくれるからだ。
「フライパンの流星群、蒸発する水は綺麗」「コップに張り付く水滴が時計で」「桜色の花火 朱色のコート」「耳の中には星の砂の忘れ物」「今繋いだ星電話 窓の外の光が写真になる」
書き出せばきりがない、どんなふうに世界が、日常の色がその目に映っているのだろうともっと知りたくなる。私にとってのaikoは、ひとりでいる姿を想像できる、夜に部屋でひとりあそびしている恋愛好きな少女だ。孤独をちゃんと知っている、愛を知っている、ひとりでいることもできる人。飛び跳ねるたびに揺れる髪の毛を思い出す。この前のことはやっぱり夢だったのかもしれない。テレビの放送を繰り返し観たら、記憶は焼きなおされるのだろうか。本当に神様っているんだな、ってぼんやり思って当選メールを何度も確認した。光だなって思った、そしてその分ちゃんと暗い部分も持っている存在。だから、心の底に届くのかもしれないな。

幸せなときには「秘密」を聴いてほしい、と言っていた最近のテレビ番組を思い出して、アルバムを小さくかけている。

#毎日 #なんでもないこと #木曜日深夜0時過ぎの日記

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