炭酸水とトマト、とろろ昆布

健全な時間に目が覚めて、ちょっとだけ家事をして、もう暑くなっている土曜日の朝、空いている電車で移動する。蔦屋書店で松井玲奈さんの新刊「カモフラージュ」を読んだ。短編集の最後に収められている「拭っても、拭っても」のなかの台詞が残っている。
“好きだった時間が長い分、その人が自分の体に染み付くんですよ。好きなもの、苦手なものもそうだけど。その積み重ねで俺たちは生きてるんだと思うんですよね。”
別に恋人だけの話じゃなくて、たくさんの好きな人たちの好きな部分を見て、嫌いな部分も苦手な部分にもふれて、それで影響しあって積み重なって今この瞬間を生きる「わたし」ができている。どんな人と関わっているかで、どんな環境にいるかで、どんな自分で在りたいかで、1分1秒変わっていく。そのことにも気付かないような些細な変化で、スピードで。

お昼前から、通い始めて3ヶ月になるピラティスのレッスン。女子じゃん、OLじゃんって同僚から言われたけど、筋トレ要素もあるし、自分の体を意識する機会になって面白い。イメージされるようなゆるふわな感じではなく、結構きつくて、いくつかの型は家でやってみようと覚えて帰るのも楽しい。1時間のレッスンを終えると、早起きして行動していたせいか、朝食をココアだけで済ませたせいか、頭がぼうっとして眠気が襲ってくる。筋肉痛になりますように、と祈りつつ帰宅。
近所のスーパーで肉と切れてた調味料、目の前の八百屋で特売品のキャベツを買う。食材を買ってもだめにしてしまうことが多いから、少なめにする。夏が近付いてきて、茗荷が安くなってきて嬉しい。あとで炒める。
ぐだぐだと録画して満足しているドラマを流し見する。予定のない土日は久しぶり。無理に何もしなくていい、そう思っていたら寝落ちしていた。

のそのそ起きて、家事をやって、炭酸水をつくって飲む。この前食べたとろろ昆布とトマトのサラダがおいしかったので、真似してつくる。トマトを切って、ごま油をかけて、昆布をかけておしまい。こういう1品料理を楽しめるのが、生活の余裕って気がする。前までは、男料理で1品どーーん、あとはお米と味噌汁、って夜ご飯が多かったから不思議。こうやって、変わることを面白がれる。私のなかに、いい意味でも悪い意味でも、特別なルールは少ない方、だと思う。好きな人に対してならば、向き合って尊重したいと思うし、いいなと思う部分は取り入れて変えることも厭わない。
洗濯の終了を知らせる音がしている、変な時間に寝ちゃったから、もう少し夜更かししよう。

#毎日 #なんでもないこと

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