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あのピアスはきっとあなたの片割れ

帰り道、ふと頭のなかに浮かんでしまう。窮屈だな、って。そんなこと、思いたいわけじゃないのに。雨が降ったあとの、蒸し暑さを洗い流して少し涼しい夜道を歩く。好きな曲を流しながら、だらだら歩く、家までの13分。誰にも気を遣わなくて、脅かされることもなくて、脳内に浮かぶ考えをたまに書き留めて足を進める。あっちに行ったりこっちに行ったりする話を、追いかけてもいいし、放っておいてもいい。自分のペースを乱されることもなくて、揺らいだとしてもちゃんと一人で沈むことができる。

それが一人の居心地の良さで、私を救えるのは私しかいないと、何度も思い知る。一緒にいることが正義ではない。汗をかいている炭酸水、小さくかけているaikoのアルバムの曲。本当は流れたままのテレビの音が苦手なこと、暴力的に目に飛び込んでくる映像と、無機質な笑い声がいつからかダメになってしまったこと。それも言えない、遠慮して気を遣っているほうが楽だと思っている。

結局、楽かどうか、だけじゃなくて苦しい。自分が自分で居られるならいいな、って昨日も書いたけど、それだけじゃなくて無理してるときも背伸びしてるときもある。
本当は、ほんとうは、ってぐるぐるモヤモヤしているくらいなら、ここに書き溜めているくらいなら、伝えたい人に伝えて、面倒臭いねって嫌われてから、悲しめばいいのに。

昨日から読み始めた、kemioの「ウチら棺桶まで永遠のランウェイ」
面白い表現だなって思ったのは“人間の感情がヒートアップすると、周りの空気がにごるから、大切なものって絶対見えなくなる。にごった空気を抜いて、あとから伝える。衝突を避けるんじゃなくて、言いたいことは言う。相手のこと嫌って気持ちを飲み込んだら、その嫌の滴で体全部染まっちゃうから。”ってところ。

我慢して、見ないふりして、その結果、定期的に嫌いになる波がくる。昔から好きと嫌いの波はある人だったと思う。なんでかな、好きだけじゃいられない。適度な距離感が分からなくて、波がよせては返す。最近、考えても仕方のないこと、ぐるぐる考えてばかりだな。

#毎日 #なんでもないこと


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