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あのときさいごに選んだ空の色 澄み切ったブルー

夜の風が心地よい、かつて働いていた街はすっかり様変わりしている。当時過ごしたかった時間を取り戻すように、私は予定を詰め込んでしまう。

初めて行った串カツ田中で、レモンサワーを頼む。一緒に飲んでいる女の子のくるくると変わる表情を見ていると幸せな気持ちになる。彼女とその彼の話を聞いて、私も自分の話をして、違う部分を面白がって、知るのが楽しい。
たとえば同じように寂しさを抱えていることとか、その発散の仕方とか、向き合い方とか。いろんなこと全部楽しんじゃえって心意気が格好いい。一人で落ちることは簡単だけれど、面倒臭い人間の部分もぜんぶ自分で。彼女を見ていたら、今すぐ全部を変えるのは難しいとしても、我慢するほうじゃなくて、思っていることを伝え合う努力をするほうにエネルギーを使いたいなって思う。

「写ルンですを1つ持ってお出かけするのオススメですよ」と、撮り合った写真を見せてもらった。iPhoneで撮る綺麗な加工できる写真もいいけれど、フィルムで撮る不細工な顔で笑う自分もいいのだと教えてくれて、ちょっと照れていて可愛い人だ。写真にうつるふたりはすごく楽しそうで幸せそうで、ちゃんと形に残ることも嬉しいのだと話す。真似してみたいな、デートらしいデートが得意ではない私にもできそう。写真って愛だなって実感した、写る人がこの表情を見せるのは撮っているのが彼だからなのだと分かる。その写真が発光しているのはそこに愛も一緒に写り込んでいるからなのだと、酔った頭でふわふわ考えた。

#毎日 #なんでもないこと #月曜日の夜

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