人は、なぜ理解し合えないのか。ー 人間の対立構造を合気道で解く。

本稿では、共通の目的を持って集まった人間がふとしたことから対立して取り返しのつかない関係になっていく現象の心理分析を行いたい。

私は心理学の専門家ではないが、合気道の専門家として人間の身体の動きを長年、見つめてきた。人間の心の動きも、脳を中心とする身体の動きの一部である。心の動きも身体の動きと全く構造を持っている。その法則が分かるようになって人間の心理の構造も見えるようになってきた。本稿では、その成果を表したい。

「命の選別」発言の顛末

人間の対立の題材として使うのは、れいわ新選組大西つねき氏の「命の選別」発言から起こった党内の対立とその顛末である。

山本太郎氏はご存知の方も多いであろう。前参議院議員でれいわ新選組の代表である。2013年より参議院議員として反原発運動や貧困問題の解決、日本の右傾化に抵抗する政治活動を従来の政治活動の定石に囚われないかたちで繰り広げてきた。

山本氏が自身の改選にあたる2019年の参議院選挙に新たに立ち上げた政治団体がれいわ新選組である。選挙では自身を含め10名の候補者を擁立する。選挙結果は山本自身が本選挙での比例区の全候補者の中での最多得票を得るも同党の比例区特定枠として舩後靖彦氏と木村英子氏が同党の1位と2位として当選するため山本氏は3位となり落選となる。当選した二人はそれぞれ重度の障害を抱え、身体はほとんど動かせない。日本の国会議員として初めての重度の身体障害者となる。国会議員として障害者の意見を直接、国政に活かせるようになった意義は大きい。

下記リンクは舩後氏と木村氏のオフィシャルサイト

大西つねき氏はその時の10名の候補者の一人である。二人は一つの政治目標に向かって協力する同志であった。その二人の関係が決定的な対立へと変わっていく。

いや二人という表現は正確ではない。山本氏は政党要件を満たす公党の代表である。政党要件を満たすということは国から政党交付金をもらう立場の団体だということである。おそらくは山本氏は個人としての選択としては大西氏を許容したいという意思を持ちつつも、団体の代表として決定的に対立していく。

以下のリンクは大西氏の発言についてのYahooニュース記事


以下、その発端から顛末までの過程を記す。これ以降は「命の選別」についての非常にセンシティブな表現を含みますので有料コンテンツにさせていただきます。

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