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知られざる両利きの苦悩

突然だが、私は両利きである。いや、両利きと言うよりも両手使いに近しい感じだろうか。何れにせよ、「右利き」でも「左利き」でもなく、日常生活で両手を使っているのである。

ではこの「両利き(両手使い)」の知られざる苦悩は何だろうか。両利きの人は深く同意してくれるかもしれない。さっそく見てみよう。

注射や採血の時に困る

注射を打つ時、ほぼ必ず「右利きですか?左利きですか?」と聞かれる。利き手と逆の腕に注射をするためだ。しかし私はどちらにも属さないため、返答に非常に困る。
「あのー。両利きなんですけど…」と申し訳なさそうに答えると、
「じゃあ左腕に打っときますね~」と大抵言われる。
そこまで大したことではないのだが、毎度毎度返答に困る。
これはほとんどの人が気にも留めたことがないだろう。

ご飯を食べるときの座り方に困る

これは両利きと言うよりも、左利きの人に多い悩みではないだろうか。
多くの人は右利きであるため、座る順番は関係ないだろう。しかし食事をする時に左手を使う人は、自分がどこに座れば一番いいのかを常に考えている。少なくとも私の場合はそうだ。
例えば、友だちとご飯を食べるとき、相手が右利きなら、必ずその子の左に座る。肘がぶつからないためである。もしくは、自分の左側に壁が来るように座る。相手と肘がぶつかるのがちょっとしたストレスであり、一回ぶつかればその後も気になって気になって仕方ないのだ。
だから最初から肘がぶつからない場所に座ることが最善の選択なのである。
今となっては習慣として染みついているが、最初の頃は考えるのが苦だった。もし身近に左利きの人がいれば、配慮してあげてほしいなと思う。もちろんみんなが気にしているわけではないと思うんだけどね。

何かをする時、自分が右手の方が得意なのか左手の方が得意なのか、よくわからない

私の場合、
右手…書く、投げる、打つ、スマホを持つ、包丁、はさみ
左手…食事に関するすべてのこと(箸、スプーン、しゃもじ、お玉など)、歯ブラシ、物を取る、ドアを開ける、ペットボトルを開ける
パッと思いつく限りではこんな感じで、思っていたよりもある程度両方使っている。

この前新たに発覚したのはバイト中のことである。パンを丸める作業の時に、店長が右手でやり方を説明してくれて、実践したのだが、どうもうまくいかなかった。試しに左手でしてみると、左手の方が上手なことに気が付いた。それまでは自分は右手でこねる方が得意だと思っていたので、非常に驚いたのを覚えている。
つまり両利きであるがゆえに、両手を試してみないと、どちらの方が上手なのか、やりやすいのか分からないのである。
これは他の人よりも少しばかり時間がかかってしまうので、少々悩みどころである。
そして問題はどちらもしっくりこなかったときである。利き手がはっきりしていれば、間違いなくその手の方が使いやすいが、両利きの場合は、極まれに、どちらもしっくりこないことがある。そういう時はひたすら交互に両手を試すしかない。これもプチ悩みの1つである。

右と左がわからなくなる

右とか左とか聞いたら、なぜか一瞬思考が停止する。理由は自分にもわからない。ただこれはいつも発生するのではなくて、特に運転中とかに多い気がする。なぜかは本当に分からない。これは母も言っていたし、母は実際に何度も間違えたことがある。それと、何か作業をしていた時に、右に動かすのか左に動かすのか分からなくなることもしばしば。
右と左ということに対して脳に信号が行きにくいのだろうか?巷では左右盲と言われているらしい。
非常に厄介な問題である。

左手を使っているところを見られると「左利きなの!?」と言われる

これは特に食事の場面に多い。最近は言われることも少なくなったが、昔は左手で食べていると、「左利きなの?」と聞かれることが多かった。
「うーん。左利きじゃないんだけど、右利きでもないんだよねえ。」ここから数々の質問のやり取りが生まれる。すぐにわかることは良いのだが(鉛筆は右、箸は左など)たまに自分でも把握していないマニアックな質問が来ることもある。これらのやり取りがちょっとばかりめんどくさい。
もちろん最初は嬉しかったのだが、年を重ねるにつれて、だんだんめんどくさくなってしまった。

これまで両利きの悩みに言及してきたが、何も悪いことばかりではない。
例えば骨折しても反対の手を使えるし、作業に疲れたら反対の手でも作業ができる。学生時代は左手でご飯を食べながら、右手でペンを持って課題をしていた。韓国旅行に行って、銀の箸を持つのに疲れたときは、反対の手で箸を持ってご飯を食べたりもした。こんな便利なこともできるのであるから、むしろメリットも多いと思う。


世の中には「左利きの苦悩」というものがたくさん知られているが、両利きも例外ではないと思う。

あまり公になることがない知られざる両利きの苦悩。実はこんなことを考えていたんだ、悩んでいたんだとこれをきっかけに少しでも知ってもらえると嬉しい。

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