生活保護の人たちがパチンコ屋に行列していることが許せない人たちへ

「先生は生活保護を受けている人たちについてどうお考えでしょうか?」
「え」


「先日のニュースで、とある大阪郊外のパチンコ店で、開店前に行列をなしている人たちの実に10人に3人が生活保護受給者だったそうです」
「ゲロゲロ」


「困った方々ですよね。私はまだまだ高額納税者というわけでは全くありませんが、少なくともちゃんと税金を納めています。家賃や携帯料金の滞納は一度もありませんし、一応、不動産も持ってますから、結構な金額です。本来、本当に困っている人たちのためにある制度なのに、パチンコだったり遊びにいく余裕がある人たちが制度を乱用していることが腹立たしいです。まぁ、そんなこと、他人にはいえませんけれど」
「うん」


「ちまたのユーチューバーの中には、生活保護受給者にもかかわらず『好きなことだけやればいい』なんて言っている方がいるそうです。これも他人にはいえませんが、正直どうなんですかね??そう感じてしまいます。一生懸命、世のため人のために働いて税金を納めている人たちからすれば、何を言ってるんだ?!って腹も立ちますよね?でも、それはいえませんけど。差別につながりますから」
「うん」


「私は大したことはない平凡な人間です。でも、少なくともこれまで、足りないまでも努力はしてきたつもりです。家族を養うために働いて、コンピテンシーを高めるために英語を上達させたり、ファイナンスの方面も週末にスクールに通ってきました。月に二冊はビジネス書を読んで書評を書いてノートに載せるようにしてもう1年たちます。自己成長につながるように、異業種のオンラインサロンにも所属して最新の情報を手に入れるようにやっています。不十分かもしれませんが、それでもベストを尽くすことによってだけ、この時代に生き残ることができるんですよね?」
「さぁ」


「賢くならなければいけない。頭がよく、上手く生きないといけない。そうしないと生き残れない。えらい大金持ちの先生たちはみんなそう言ってます。それに、ご年配の大先生は『誰にも負けない努力をして滅私奉公しなさい』とおっしゃいます。そうですよね?そう愚直にやることこそが幸せの道ですよね」
「ゲロゲロ」


「好きなことをやりたい気持ちは自分におありますが、まずは社会的義務を果たした上でなければ意味がありませんよね。好きなことをやれる人は、頭がよくて商才に恵まれた人であって、自分のような平凡な人間は、コツコツ努力した上でようやく達成できる目標なんじゃないかと思うんです」
「そうかね」


「どうでしょうか?? いえ、相川先生は好きなことを仕事にされ、日々自由にやりたいことをされてらっしゃいますよね。しかし、そうなるあでに、数多くの試練を乗り越えられてきた。違いますか?それに元々、早稲田の法学部ですし、一部上場企業に19歳にしてお勤めになっていたわけですし、周りにたくさんのビジネスの成功者がいらっしゃった。ご自分の情熱と才能で、今の自由を勝ち取った、そうではないですか?」
「いや違うよ」

「そうですか??」
「目を覚ませ。他人は他人。自分は自分。比較の世界から抜け出せ。自分の人生を生きることだ」


「・・・・私は何か間違っていると、そういうことでしょうか?」
「いや、そうじゃない。認めたくないんだろうけれど、生活保護を受けてパチンコ屋に並んでいる人も、君も同レベルってことだよ」


「えーーーーーーーーー?!!!!!!!いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや」
「おほ」

「いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや」
「メェ」

「そんなことはありません。絶対ありません。絶対ありません。あり得ませんよ。何をいうんですか?どんな暴論ですか?いくらなんでもそれはひどすぎませんか?!」
「つまり君は、パチンコボーイとは違うと?」


「違います」
「じゃ、君の方がえらいと?」


「いや、えらいとかそういうんじゃなくて、いやだって待ってくださいよ!!私は毎日マジメに働いてますよ?!そりゃ天才ではないし、努力も不十分かもしれないけれど、少なくとも前向きに生きようとしてますって!!それをダラダラ現実逃避してバカみたいパチンコやってる奴と同じ扱いは我慢なりませんよ!!!あっ・・・・」
「ホンネが出たんだね。彼らはバカだと、そう思うんだね?」


「いえ、いえ、違います。自分が間違ってました。おごっていました。感情的になってしまいました。みんな平等でみんな等しく尊い。そうです。そう考えないといけないんでした」
「いいんだよ。大抵の人たちはそう思ってる。でも言わない。他人から責められるのが怖いから、自分を守っている。君も。そうだね?」


「・・・・ホンネではそうですね。・・・・・先生は『ホンネで生きよ』とおっしゃいますもんね。ホンネで生きられたらどれだけラクか、と思います。でも実際は、そうです、おっしゃる通り、他人から責められるのが確実なので、まず実行は至難の業です」
「で、なんでパチンコボーイズと君は同レベルなんだと思う?」

「ええーー・・・・グスン、やめてくださいよ。なんか、グスン、辛いですね。ほんと。まぁ私なんて平凡ですけど・・・こんながんばっててもダメってことですよね・・・それが何よりも辛いですよ。泣けてきますよ。くっそー。クッソー!・・・・何をどう努力すればいいんですか?!何がダメなんですか?!教えてください!教えてください!!」
「まぁ落ち着けよ。君がダメなんて誰が言ったんだ?」


「相川先生じゃないですか?!」
「待て。私は『同レベルだ』と言っただけだろう。君がパチンコボーイズをダメな奴らだと決めつけてるから、自動的に自分もダメな奴だってことになってるんだろう?」


「・・・・そう言われてみればそうかもしれません。社会的に間違っている可能性が高いあの人たちのことを蔑む心が自分の中にあるからこそ、その人たちと同列にされたことへの憤りが生まれたのかもしれないです」
「うむ。それがわかるだけでも立派だよ。普通の人はブチギレて終わりでしょ」


「そうでしょうね・・・ウチの会社の上司に言ってやりたいですよ。まぁ速攻で私は左遷されると思いますけど」
「バカの集まりだな。まぁどこもそんな程度なのは世界中おんなじだからいいけど」


「そうなんですか??日本だけなんじゃないですか??」
「で、次元の話だ。君の言わんとするところを聞いていると、次元について解説するしかないと思うのだ」


「・・・ルパンですか?」
「ワルサーP38だな。ズキュン」


「・・・ズキュン」
「君は筋がいいな。 で、察するに、パチンコボーイズは無気力なんだろうな。頑張りたくない。働きたくない。どうせ負け犬だからという、競走で負けたっていう気分。一方で、エリートサラリーマンたちは勝ち組。努力して勝ち残った。努力して今の地位がある。やる気とか、好きとかそういうことなんかよりも、生き残ること。なのかな?」


「・・・そうですね、まぁ強いていえば適正です。コンピテンシーです。自分の持って生まれた才能が、企業においてどんなふうに価値をもたらせるか。役職が上がるなら、それ相応のスキルも身につけねばなりません。ライバルたちがいるので、自分の市場価値を常に見定め、上に上に高めていかなければいけないんです」
「無間地獄だよな。それ」


「・・・・確かにそう感じることは度々あります。一人になった時、特に夜です。考えちゃいますね。いつまでこんなこと続けなきゃいけないんだろうって?でも、その度に自分に言い聞かせてます。生活保護になっていいのか。負け犬にはならないって」
「同レベルっていうのはそういう意味だよ」


「・・・・」
「君たちは全く同じ次元で生きている。負け犬も勝ち組も、まったく同じレベルだよ。だって紙一重なんだろう?じゃ、いま君がホテルの経営者だったらどうかね?ウイルス騒動で客が来なくて破産だろ?どれだけそれまで頑張ってきたって同じじゃないか?」


「それは、やってみないとわかりません。星のやさんだとか、この非常事態でも成功しているホテルもありますよね?ピンチはチャンスって教わりました。だから、工夫と努力でなんとかなるかもしれません」
「まぁそれはそうだけど、私が言わんとしているのはだね、自尊心を保つための根拠がお金になってないかってこと」


「それは・・・そうですね。資本主義経済の時代です。収入がないと自信が手に入るわけはないんじゃないですか??無一文ってことは無価値ってことですよね?」
「じゃ君のところの4歳の娘は無価値なのかね?」


「まさか!すごい価値があります!可愛いですもん」
「じゃなんで君が無収入だったら無価値なんだ?」


「大人ですもん!お金ないとダメなんです!勤労の義務、納税の義務を果たさないとまともじゃないんです!」
「うん。普通の人たちはみんなそう信じているよな。だから狂ってるんだよ」


「えぇーーーーーーーーー。。。せ、せんせー、頭がパンクです。もう意味がわかりません」
「まぁもう帰って寝ろ」


私が2018年に向き合った課題。

それは『競争心を手放すこと』だった。

競争心。つまり誰かより秀でていたい、えらいと思われたい、上回りたいという気持ちだ。

諸兄の中にはその競争心こそが発展をうみ、イノベーションを生み出す厳選の一つなのだから、決して競争心を手放す必要などないという考えを持つ方もいるだろう。

その考えは一理あるように思えて、本質的に異なるものを混同する恐れがある。

それが今回の話の主題である『次元』だ。

ズキュン。

次元の話は、過去に話した『宇宙人に拉致されてた』に関連するから言及は避ける。

結論だけ言うなら、自分は自分、他人は他人。

だから、本来の自分を生きることだけ。

それだけを意識して生きてほしいということだ。


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