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腑に落ちない生き方はするな

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人生、人生観についての、ちょっと独りよがりなエッセイ集です。
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記事一覧

趣味で革命をする時代の到来

 趣味で革命をする時代が到来した。  かつて、革命は、生命を捨てる覚悟が必要だった。抗議集会やデモに参加したり、治安部隊と衝突して血を流したり、私生活の大部分を犠牲にしなければならなかった。しかし、今は違う。スマホやタブレット。片手にコーヒーカップでも持って……  ジュリアン・アサンジが、どのような動機で、また目的で、Wikileaks を始めたのか、本当のところは、我々には分からない。 しかし、北アフリカから中東全体を巻き込む政権崩壊ドミノのきっかけをつくったのは、まぎれ

武士道とは

 かつて、日本には忠孝の精神があった。太平洋戦争敗戦後、日本はそんな精神的バックボーンを失った。もちろん新たに多くのものを手に入れ、欧米並の先進国にはなった。だが、失ったものも、大きかったのではないだろうか?  そうだ、かつて日本は、武士の国だった。だが、たいていの日本人の目には、武士などというものは、過去の遺物のジャンク品にぐらいにしか映らなかった。   サムライいう言葉を、欧米人が好んで発することを知った最初の頃、フジヤマ・ゲイシャ的なピントのズレた日本観が原因なのかと

安倍晋三氏の悲願だった “自主憲法制定”

 安倍晋三元首相は、大叔父に佐藤栄作氏、そして祖父に岸信介氏という、第56・57代の内閣総理大臣、初代の自民党幹事長と第3第の総裁を務めた大人物を持つ、自民党の本流中の本流と言っていい政治家だった。もっと多くの事を成すべき方だったに違いない。  自民党、正確には自由民主党の歴史は、1955年の自由党と民主党の保守合同の時から始まる。それは、55年体制が始まった時でもある。55年体制と呼ばれる政治的な対立構図は、与党自由民主党が過半数の議席を確保し政権を維持し、一方で、左右両派

背後に潜む者のいることを知れ

 僕の妻は若い頃、ときおり霊の存在を身近に感じると言った。霊感というようなものを持っていたのだ。だから、そのせいで、人の集まる場所をあまり好まなかった。
新婚時代に一度だけ、ともに映画を観に行ったきり、ディズニーランドも、ゲームセンターも、レンタルビデオ店にさえ足を運びたがらなかった。なぜなら、この世をさまよう霊たちも、そのような人間が密集する場所に集まってくるからだ。ところで、死んだばかりの霊の多くが自分の葬儀に出席しているのをご存知だろうか? 妻は父の葬儀の場で、父を見て

目に見えない世界こそが重要である

 人はだれでも老いていく。残念なことに、肉体は次第に衰弱し機能不全に陥り、やがて心臓の鼓動が止まる。死へのカウントダウンからだれも逃れることはできない。  老いとはまったく困ったものだ。以前はちゃんと出来たことが次第に出来なくなり、つい苛立ち、だれかにかに当たったりしてしまう。だれも口に出して言うわけではないのだが、『あんたは、もう終わってる…』と、嘲笑されているかのように感じてしまう。しかし、これはすべて、地上での生活の最期の日に人生が終わるという死生観に基づいたネガティブ

イエスの革命

 イエスの最大の功績は、神を父と呼んだことだったかも知れない。それは、その時代、だれも想像すらできないことだった。  現代人のすべてが、その恩恵を受けていると言っても過言ではないほど、イエスの影響力は絶大なものだった。それは、たとえて言うなら、すべての偉大なピアニストとピアノ曲の作曲家が、鍵盤楽器を最初に製造した技師がいなければ、登場しえなかったように……  イエスをを語る前に、まずこの人物について話さなければならない。旧約聖書の中で最も多く、神から話しかけられたり、命令を

ミニマリズムがいい!

 そもそも、ミニマリズムが気になり始めたのは、タンブラー (Tumbler) を介して、ミニマルのハッシュタグ (#Minimal) の付けられた画像などを目にしたことがきっかけだっだ。タンブラーとは、SNSの一種で、画像や動画などの共有サイトの一つである。インスタ映えという言葉と共によく知られているインスタグラムほどの勢いはないが、タンブラーにはそれなりのこだわりを持った息の長いユーザーがいて、独特の素晴らしい世界を作り上げて来たように思える。  一人で漠然と広大なインター