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散歩猫 琥太郎 との出会い。

我が家の茶白の琥太郎(こたろう)は、毎日散歩に行かなければ、ぶちギレる猫です。
そんな散歩大好きな猫、琥太郎との出会いのお話をしたいと思います。

夫がまだ彼氏だったころのお話です。
当時私は兵庫県は宝塚の実家にたくさんの保護猫たちと住んでおり、彼氏は山梨県富士吉田で会社の寮生活。実家と寮であることと、遠距離のため、いつも会うのは数ヶ月に一度計画する旅行先でした。


池の鴨を狙う琥太郎

その時はかの有名な草津温泉に旅行に行くことになっており、湯もみを見たり、湯治をしてみたり、旅館に泊まるのを楽しみにしていました。
直前に当時は不治の病だったFIPと門脈シャントの併発で保護した子猫の"び助"を亡くしており、彼氏が元気付けるために計画してくれた旅でした。

無事に最初の観光宿泊をし、車で移動中に、猫の保護施設があることを知ります。
そこは見学自由で、行き先への通り道にあったこともあり、寄ることに。

早速保護施設に入ると、100匹以上の猫にびっくり!
人懐っこい子はすぐに寄ってきてくれます。
先客も何名かいらっしゃいました。

そんな中で、奥の方から、まっすぐ駆け寄ってくる茶白の小さな子猫。
脚にスリスリするやいなや、ジーンズを登り、Tシャツを登り、肩乗り猫。
まだ1キロもない身体だったので軽々登られました。
施設に入ってすぐ、そんな状態だったので、少し撫でて抱っこし、おろしましたが、すぐにまたよじ登り、肩乗り猫。
数回それを繰り返し、どうしても離れない。
彼氏に抱っこしてもらったら、落ち着くかと思いきや、2mほど離れた私の頭にジャンプして、しがみつかれます。とても痛い(笑)
引き剥がして貰おうとしましたが、ほんとうに爪を立てて、取れない。
近くで見ると、目脂も酷く、鼻水じゅるじゅるで酷い猫風邪のようでした。そしてとても臭う。だんだん心配になってきます。

そこで、私は、ああ、もうこの子はうちに来たいんだなと確信。先客には目もくれず、私に一目散。もしや"び助"か!と運命を感じずにはいられません。

保護施設は見学自由で基本的にごはんの時間など以外は無人で、連絡先が書いてあるのみ。(あまり良い環境ではなく、管理も杜撰なかんじでした)
早速電話をかけようと、彼氏になんとか子猫を抱っこして貰います。
やっぱりジャンプして、頭に着地。痛いです(笑)
仕方なく、頭に乗せたまま電話をかけます。
しかし、何度かけ直しても連絡つかず。しかし風邪をひいた子猫にそんな悠長なことは言ってられない、一か八か、こちらの連絡先をメモに残し、子猫を連れ出すことにしました。

落ちていたダンボール箱に子猫をいれ、まずは最寄りのホームセンターへ。
旅先でのまさかの出会いで、連れて帰ることに決めましたが、まだ家族に許可を貰っていません。
ホームセンターの駐車場で母に電話をかけます。

私には作戦がありました。
母に保護施設から子猫連れて帰る!って言えば、置いてきなさい!と怒られるに決まっている。
だから、もう戻れない距離まで移動しておいて、連れて帰るしかない状況ならば、強気に出られると!
案の定、めちゃくちゃ怒られましたが、両親とも、どうせ子猫にすぐほだされるのはわかっているので、私の怒られ損です。


年賀状の写真を撮る琥太郎



ペットシートやごはん、キャリーバッグを買い、病院を探しますが、連休中だったり田舎だったため、見つからない。
もうこれは帰った方が早いと、残りの旅行をキャンセルし、JRの駅まで急ぎます。
群馬から兵庫県宝塚まで、彼氏の車や在来線、新幹線を乗り継ぎます。
最後は母が新大阪まで車で迎えに来てくれました。(すでに子猫にやさしい)
彼氏もとても臭い子猫を新車に乗せて、駅まで送ってくれたこと、残りの旅行をキャンセルしてくれたこと感謝しています。(私を見送ったあと、車に戻ったら激臭だったと報告がありました)

帰宅してから、様子をみると思いの外元気な子猫だったので、臭いのこともあり、お風呂にいれて、ドライヤーをかけました。
療養食のa/d缶を与えると、たくさん食べます。
一安心!とケージ組み立て、病院は翌日に。

翌日、車に乗るとまだ凄まじい臭いが残っていました。動物病院で一通り診察してもらい、猫風邪のため、インターフェロンや抗生剤など注射してもらいます。
数日ですっかり良くなり、子猫の本性が現れ始めます。

酷い猫風邪状態で、新幹線やら車やらいろいろな初体験!なのに、元気だったのは、そんじょそこらの猫よりスゴい体力の持ち主であり、何事にも動じない胆をもった子猫だったのです。(大人猫になってから、急変もあると言われる黄疸の数値を記録し入院した肝臓の病気でも、散歩に行きたがるし、めちゃくちゃ元気だった。ケージに入っていると怒るので、異例の空き診察室一部屋に解放されていた。後にも先にもそんな猫は居らず、先生に早く退院してほしいとまで言われました(笑))

さて、酷い猫風邪で抑えられていた体力を回復させてしまったことにより、屋内で暴れまわるのでは足りず、散歩やドライブにも出るようになります。(うちにきて5日ほどで)
それからは大雨の日以外は、風が吹こうが、マイナス気温であろうが、毎日散歩に出掛けます。
散歩に行きたくなると、ネコパンチで人間の顔を小突き、大声で鳴いてアピールをするのです。
また、保護施設で育ったからか、大人猫との付き合いがうまく、実家にいたたくさんの猫に取り入るのもすぐで、いちばん気難しい猫(実子すら近づけない)にすら、一瞬で取り入り、一緒に寝たりしていました。
散歩に行くのも、なかなか動じないタイプだから可能と言えます。(真似しないでね)
初めてのお風呂のあとのドライヤーでも、堂々としていたので、最初は耳が聞こえないのかと心配すらしました(笑)今となっては、笑い話ですが。


カマキリを見つけた琥太郎 2022/10/10

これが、散歩猫琥太郎との出会いです。

飼い主は毎日一緒にお散歩に行きます。
いま琥太郎は大人猫になり、私が結婚し、宝塚から千葉に引っ越しても、毎日欠かさず散歩に行きます。
最近は夫とも仲良く散歩に行けるようになりました。

私は琥太郎の毎日の散歩のお陰で、千葉県の保護猫団体に所属することとなり、在宅で仕事をしつつ、子猫の預かりやミルク、排泄介助など目まぐるしい日々を過ごしております。


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