私が着たい服はメンズ売り場にあった

LGBTという言葉。レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの総称。

最近は当たり前に聞くようになってきて、どんどん世の中は変わってきてる。20歳のときアルバイトで一緒に働いてた人がゲイだったり、学生時代同じクラスだった人がレズビアン、バイセクシャルだったと後に知ったことはある。でも身近に居て、理解したいとは思っても、理解度はかなり乏しかった。

最近になって、性はグラデーションであるという話を読んだ。私はそれを読むうち新しく視界が広がったような気がした。男、女じゃなく、ゲイ、レズビアンじゃなく、男〜女までの間にグラデーションのように性がある。それから性的指向だけじゃなく、女装が好きな男性で、好きになるのは女性とか、そういうことも含まれる、と書いてあるのを読んで、ハッと思い当たることがあった。

私は自分で服を選んで買うようになった十代の頃、ほしい服は大抵メンズ売り場にあった。こんな服が女性のサイズでレディースコーナーにもあればいいのに、とよく思っていた。スカート、ワンピースも好きだし、好意を持つのは男性だけど、服装や物の趣味は男性向けに作られてる物が好きだった。

二十代の頃、ブランド物に興味ないんだね、と言われたことがある。まあ世間でブランド物といわれるプラダやグッチなどには興味が無い。それは単純にデザインが趣味じゃないからで、欲しいものは明確にあった。二十代の頃欲しかったもの、ライダースジャケット、フライターグのショルダーバッグ、ドクターマーチンのブーツ、CASIOのデータバンク。別に女性が持っててもおかしくはないけど、それらを身につけるのはどちらかというと男性のイメージだった。

あとインテリア雑誌が好きでよく買っていたのだけど、それも女性向けじゃなく男性向けのインテリア雑誌だった。買うと隅々まで余すことなくじっくりと眺めていた。女性の作る可愛い部屋じゃなく、男性の作る部屋や家具が自分の趣味にドストライクだった。それに男性向けのインテリア雑誌は本格的なDIYを紹介していて面白い。余談だけど、男性向けインテリア雑誌だと、ゴミ置き場から家具を拾ってきたコーナーとかあって面白かった。

想いがもっと強い人だと、制服のスカートをはくのもつらい、という事もあるらしい。私は幸いスカートもワンピースも好きなので、その辺で苦労はなかったが、あのとき感じた違和感はこれだったのかも!と思うとすごく腑に落ちた。

たまに息子が、男の子でこれが好きなのは変だよね、女の子がこうするのは変だよね、とか言うので、全然おかしくないよ、いいんじゃない?と言うようにしている。8年の人生で既に、男はこう、女はこうと思うようになるらしい。私も言動には気をつけなきゃと思う。

今は昔よりもユニセックスな服が増えてきたし、ネットで買うことも増えて不自由を感じることはなくなった。
今現在の世界に不自由を感じる人もいると思うけど、徐々に世界は変わっていくから、今の当たり前は数年後には当たり前じゃなくなってると思う。
世界はグラデーションなんだと思うと面白いし、それにみんなが気づき、当たり前になった世界はもっと面白いんだろう。

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