キラキラネームに関する私見

キラキラネームが問題視されはじめてしばらくの年月が経っている。

ネットニュースなどや意見論者たちの主張をたびたび目にし、その度に自分なりにも考えてみた。

このような問題に対して、真なる良し悪しというものはもちろん存在しないのだが、現代社会の通念たる道徳的な基準というものは形成しうるものだ。

そのような中で、私もこのテーマに今現在の理解と私見をまとめてみようかと思う。

強く断っておくが、あくまで私見である点を了解いただきたい。


議論①名前は他の人と違わなければならないのか。

キラキラネームをつける背景として、他の子供とは違う唯一無二の名前をつけたいという欲が少なからず存在する。

だが、名前は本当に他に人と違うものをつけなければならないのか。

よくよく考えてほしい。よくつけられる名前はなぜ多いのか。それは、良い名前だからだろう。

よくよく考えてほしい。なぜ珍しい名前は少ないのだろう。それは、誰もが思いついてないのではなく、思いついた上で採用していないのだ。もしくは、思いつく間もないくらいそれが名前候補に上がらないのだ。

つまり(誤解を臆さず言うと)、少ない名前は名前としては他のものより劣っていたり、相応しくないと判断する人が多いから少ないのだ。

そう考えると、唯一無二性をあげるほど、その名前は名前としてはふさわしいない性質のものとなり、ありふれた名前にするほど、名前としては洗練されたものになる。

つまり、名付けとはこの相反する“希少性”と“質の高さ”との天秤のバランスを決める作業と言えるだろう。


議論②読みやすい名前は正義か。

この議論に対しては早々に私見を述べよう。

私の意見としては、Yesである。私はあえて読みやすい名前こそが正義であると主張しよう。

そもそもの性質として、日本人の名前のほとんどは、初見で読めるようにはできていない。

なぜなら、ひとつの漢字に対して読み方が多すぎるからだ。

なので、名前に関してはその大多数が初見読みは不可能だろう。

しかし、その中でも、初見読みの成功率が高い名前が存在する。

初見読みの成功率が高い要因として、考えうる可能性は3つで、
・読み方が1つまたは少数パターンしかない
・普段から見かける回数が多い
・有名人の名前が広く認知されているためその名前の読み方が広く認知されている

このうちの3つ目は流行性のものなので一時的なものに過ぎないので、基本的には上の2つを考える。

なぜ、初見読みができた方がよいのか。

それは、親の気遣いだと私は思う。

名前が読めないと、いちいち名前の読み方を聞くという余計な1ステップが毎回発生することになる。

そして、それは出会う人の数の回数発生することになる。

出会う相手や子供自身にこのような余計な手順を踏ませない、という優しさは、親の目一杯の配慮だと言えないだろうか。

また、人間は誰しも名前から親の教養を邪推するものだと私は思う。

私は、読みにくい名前の子供の大半に対して、その親はあまり教養がない人の可能性が高い、先を見通す力がない人であり、そんな人に育てられた子供はあまり良い育て方をされていないのではないかと思ってしまうことが多い(もちろんこれは根拠のない憶測であり、実際はそうでないことも多いのだが)。

これは単純に損なことだと思う。

このような根拠のない邪推を生みにくいことや、名前の読み方を尋ねられにくい(一発で読まれやすい)名前というものが、“質が高い名前”と言えるのではないか。

そのためには、なるべく簡単な漢字やよく名前で使われやすい漢字を使うことも配慮として十分に考えたい。


議論③シワシワネームと名前のトレンド

だからといって、昭和や平成初期の名前を安易につけるのもどうかとは思う。

巷ではシワシワネームという言葉があるそうだ。昭和時代に多くある名前を指すのだという。

典型として、男性だと『◯男』、女性だと『◯子』を指すことが多いらしい。

(失礼なのは承知だが)ここに加えて、男性の4音節の名前や、響きが明らかに前時代的なものもここに含めていいだろう(◯衛門や女性のカタカナ2文字ネームなど)。

もちろん、これらの中にもあえて選ぶことで更なる味わいが出るものもあるが、やたらめったらつけると、それこそ前時代的な両親に育てられたのかという余計な邪推を生む(議論②で余計な邪推を生む名前を質の低い名前と定義した)。

私なりに現在のトレンドを考えると、男性・女性共に漢字1〜2文字、読み仮名2〜3文字(音節)が最も良いだろう。男性の場合は長くなっても極端4文字を避け、5〜6文字にすることでシワシワネーム感がなくなるだろう。

以上、随分と勝手なことを述べてきたが、いちおうここまでの私見をまとめよう。

結論:名付けとは“希少性”と“質の高さ”の天秤である。

希少性とはその名前の数の少なさ。質の高さとは、⑴初見で読まれやすいかどうか(読み方を聞くという余計なやりとりを省く) ⑵ 名付けた両親の素養に対する余計な邪推(低印象)を生みにくいかどうか の2つの指標で考えられる。

質の高さ⑵に関して、名前が読みにくいほど両親の素養の低さが想起され、シワシワネーム感があるほど両親の前時代感が想起されやすいので、その点は留意しなければならない。

※おまけに、では具体的にどういう名前が好ましいかという個人的な好みを付け加えておく。あくまで私見であることを断っておく。

男性:
・優(ゆう)
・翔太(しょうた)
・悠真(ゆうま)

女性:
・彩花(あやか)
・玲奈(れいな)
・梨沙(りさ)