How to の限界

昨今、YouTubeでもWeb記事でも実用書でも、あらゆるところにHow toが溢れている。

しかし、How to でできることは良くも悪くも知ることのみ。

それが実践できるかは別のお話。

わたしは受験指導をすることが多いのだが、受験に関するHow to ほど溢れていて、実践が難しいものはない。

論理がそれっぽいがあまりできてしまいそうになるが、中学生や高校生の誰もがそれを実践できるなら塾屋は要らないという話だ。

なぜ、情報を聞いて、それで実践できないのか。

それは簡単な話だ。

狩猟採集時代を創造してほしい。

猪の狩り方を口頭で説明されて、やってごらんでできるだろうか。

一部の要領のいい人はそれだけで実践できるかもしれない。

ただ、大多数の人は、先人が実際どのようにイノシシを狩るのか、その後ろ姿を見て学び、自身も徐々に実践に加わり、先人のサポートを得ながら徐々にその技術を習得していくという様子は想像に難くないだろう。

つまり、知識と実践との乖離とはこういうことである。

なので、How to の口頭伝承だけでは限界がある。

まずは背中を見せて学ばせる、次にそれを実践させ、改善をフィードバックする、というサポートこそが大事なのだ。

それこそがスクールの価値であり、コーチやメンターの価値だ。

大多数の情報だけの人は正直YouTubeや書籍の劣化に過ぎないのだ。

情報はすでに共有されすぎているのだ(一次情報の生産者にはまだ価値がある)。

伝承の価値はHow to というただの知識にはない。

知識を実際に実践できるかどうか、つまり実践の伝承、実践者の育成にあるのだ。