世界モデルとは?AIが自己学習を加速させる新技術
お疲れ様です。
最近、生成AIブームの中で「世界モデル」という言葉を耳にする機会が増えてきました。
そこで今回は、この「世界モデル」について少し調べてみました。
結論から言うと、世界モデルとは、AIやロボティクスの分野で使われる用語で、AIが行動を選択し、その結果をフィードバックしながら、徐々に賢くなっていくアルゴリズムを指します。
「え?それって強化学習と同じじゃないの?」と思われるかもしれませんが、実は強化学習をさらに発展させた概念です。
強化学習は、ある行動を繰り返し、その結果をフィードバックとして受け取り、どの行動が成功につながるかを徐々に最適化していきます。
たとえば、自転車に初めて乗るときは、うまくバランスが取れず転倒してしまいますが、何度も失敗を繰り返すうちに、徐々に乗れるようになります。これが、強化学習のプロセスです。
しかし、強化学習には「とにかく」行動をして試行錯誤をし続けるという特性があり、そのために学習に時間がかかるという欠点があります。
そこで注目されるのが、世界モデルです。
世界モデルでは、次にどのような行動を取るべきかを頭の中で「シミュレーション」します。
「この行動をとれば、こういった良い結果が得られるだろう」「この行動をとれば、こういった悪い結果が起こるだろう」といった複数のシナリオを予測し、その中から最も適した行動を選択します。
そして、予測した未来と実際に得られた結果を比較し、その差を小さくするように学習を進めていきます。
例えると、サッカーなどのスポーツにおいて、何も考えずにただ動く選手は強化学習に相当し、次に何が起こるかを予想し、それに基づいてプレーし、その結果をフィードバックする選手は世界モデルに相当します。
そして当然、何も考えずにただ動く選手よりも次に何が起こるかを予想し、それに基づいてプレーし、その結果をフィードバックする選手の方が、上達が早いです。
まとめると強化学習は行動を試行錯誤するプロセスを通じて学習しますが、世界モデルは一歩発展させて、行動の結果をシミュレーションし、より効果的に学習を進める手法となります。
なお、この世界モデルの概念は、SakanaAIの創設者であるDavid Haが2018年に発表した論文「World Models」に由来しています。
世界モデルはロボティクスなどとの相性が良く、今後の発展が期待されますね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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