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Vol.35 信じる心

息子が4才の時、
一週間入院した。

自分の夏休みと入院を合わせて
毎日付き添った。

入院中、1日だけ休めない日があり
14時まで出勤してから
病院へ行くことにした。

お見舞いの時間は15時から。

15時には間に合わない。

「明日はママお仕事だから、
他のママが来る時間より遅くなるけど
必ずくるからね」

息子はうなずいて文句は言わなかった。

次の日、仕事が終わって病院へ行くと
看護師さんに相手をしてもらいながら
おとなしくしている息子。


看護師さんが
「ママは今日お仕事なのと教えてくれました」
と伝えてくれた。

ママは必ず来ると信じていたから
遅れても大丈夫だったのね。

疑うことなくまっすくに信じてくれた
息子の心が微笑ましかった。



友人の結婚式に呼ばれて参加することにした。

朝早くに出掛けなければならないので
実家の親に保育園の送迎をお願いした。

何時ころに帰ってこられるかわからなかったので
帰る時間を伝えずに出掛けてしまった。

保育園に行く時に息子がぐずったらしく、父が
「すぐに迎えにくるよ、すぐだから」 
とごまかして連れていってしまった。

すぐに迎えに来ると信じた息子。
なのにお昼になっても、おやつの時間になっても
お迎えにこない。

そして16時頃、迎えに行ったのはおじいちゃん。
ママじゃない。

ものすごく、激しく怒ったらしい。

そんなことは全く知らず
久しぶりに逢った友達とおしゃべりして
帰りが遅くなってしまった。

しまった
待ってるかなぁ

息子を心配しつつ帰った。

玄関に入ると息子が走ってきた。
「遅くなっちゃってごめんね!」
と謝ると
「いいよ!」
と普通の息子。

その後、息子の激怒りの様子を母から聞いた。

信じてたのに裏切られた怒り。
謝っておいてよかったぁ。
冷や汗ものだわ!

こんなに純粋に人を信じることができる
子どもの心ってキレイだなぁ!

大人になるって
子どもの頃に持っていた
いろんなキレイな物を
失っていくことなのかな。

いや、失うのではなくて
成長するんですよね。

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