見出し画像

Vol.31 私の生き残る道

私の両親はいつもケンカを繰り広げていた。
両親のケンカで一番幼い記憶は多分保育園のころ。
5才前後だったのかな。

前後の記憶はないけれど
私は父の膝に座ってじっとしていた。
というか、動けなかったんだと思う。

隣の部屋で母が何やら怒鳴りちらす声。
そして近所の人が心配で見にきている。

そのシーンを覚えている。

その時私はどう思っていたのかわからない。
わからないということは
思考や感情が停止してたんだと思う。


そのケンカの前後なのか?

記憶があいまいなのでハッキリしないけれど
母が私を連れて買い出しに行く途中
私は母の後ろを歩いていた。

母は機嫌が悪く、怒った口調で
「お母さんとお父さん、どっちの方が好きなの?」
と聞いてきた。

父は母を裏切っていた。
けれど幼い私はそんなことわからないし
父は私には優しかった。

今思えば父のせいだけど、母はイライラしたり
怒るとこわかったので
私は父の方が好きだった。

けれどこのシチュエーションで
「お父さんの方が好き♡」
なんて言ったらどんなことになるか。

幼い私でも予想できた。

「お母さんのほうが好きだよ」
一生懸命言ったら、私の方を振り向いて

「どうせお父さんの方が好きなんでしょ!」

怒られた。

どっちに答えても怒られたのか。
だったら聞かないでよ。

幼いながらに思った。

大人の私は
周りの人の表情、口調、かもし出す空気を読んで
その時々で言うことや行動を考える。

それを一瞬で自然に、毎日やっている。

子どもの頃の経験が
自分の生き残る道を生み出した。

良く言えば協調性がある。
悪く言えば自分の意見はない。

それが私の生き残る道。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?