見出し画像

Anker Liberty Air 2 Pro 個人的レポ

【音質】
解像度・臨場感ともに十分に高品質。完全ワイヤレスイヤホンで1万円台という価格帯を考えると、十分コスパの良い音だといえると思う。
音色は中高音域に比べて低音がしっかりと前に出ていてどっしりとした印象。それでいて中高音が控えめなのではなく、力強い低音をベースに十分まとまった音作りになっていると感じる。
ベースラインの耳コピが容易なほど前に出ている低音は音楽への没入感を高めてくれるし、一昔前のワイヤレスイヤホンでは考えられないくらいの迫力を感じることができる。
同時に中高音の音の余韻が少し弱く、少しマットな印象も受けた。

【装着感】
抜群のフィット感、というよりは軽めの着け心地な印象。イヤーピースは大きめのものをつけた方が安定しそう。
同時に付け疲れがあまり感じられず、長時間付けていても苦にはならなそう。つけている感覚があまり感じられないところは良い。
が、やはり付け心地の安定感には若干の弱さがあり「ちゃんとついてるのかこれ」とイヤホンをねじ込みたくなる気持ちになる。
ビジュアルは個人的には嫌いじゃないが、耳の下の方に伸びた形状が好き嫌いの分かれるところだと思う。

【ノイズキャンセリング】
「ウルトラノイズキャンセリング」を謳っている本品だが、確かにノイズキャンセリングの効果は大きいと感じた。
アクティブノイズキャンセリング(以下、ANC)の実力の前に、まずはパッシブノイズキャンセリング(以下、PNC)について。
PNC、いわゆるノイキャンを用いない装着状態での遮音性のことだが、これについては、上記の装着感が軽いためかそこまで遮音性が良いわけではなさそう。大き目のイヤーピースをつければ改善する余地はあると思う。
次にANCについて、ウルトラと名乗るだけの性能であると感じる。ANCを有効にして音楽を流せば95%以上の音は気にならなくなるレベル。電車などの交通機関は試聴中に乗る機会がなかったのでわからん。
また、外部音取り込みモードについて、これは十分であるがややこもり気味であると感じた。ノイズは少ないため、音楽を消して対応すれば十分に対応可能なレベルだと思う。
個人的に残念な点として、音楽再生時にANCのモード切替を行うと一瞬音楽が止まるのが気になった。

【ウェアラブルデバイスとして】
個人的にワイヤレスイヤホンはオーディオとしての性能も大切だが、同時にウェアラブルデバイスとしての機能性も大切だと感じる。
自分の耳はどこまで行っても人並みだし、極論を言えば音質を求めるなら当然有線イヤホンの方を選ぶべきだと思う。
オーディオをワイヤレスで用いる以上、自分としては、音質と同じ程度にはウェアラブルデバイスとしての機能が大きな要素として占めている。
ただ、細かく話していては長くなるので、以下に端的に各機能についての感想をまとめた。

・通話性能
悪くはない。あまり使わないのでわからん。

・操作性、機能性
悪くはない、が良くもない。イヤホン本体にタッチでいくつか操作を割り当てられる機能があるのはよいが、そのタッチセンサが垂れ下がった部分ではなくイヤホン上部についているため、タッチ時のタッチノイズがめちゃくちゃ大きいのが気になる。
また、タッチ操作は誤操作を招きやすいのも気になるところではある。イヤホンを外すと自動で再生停止する機能がついているのはよい。

・遅延
大きくは感じない。一昔前のBluetoothならいざ知らず、YouTubeや映画を見る程度であればほぼ気にならないと感じた。音ゲーに関しては遅延を感じるので、プレイが不可能というほどではないが、精度は出ないと思う。

・充電
ANCオン状態で連続再生時間6時間との使用表記だが、十分であると感じる。丸一日使うことはできないが、十分な電池持ちであると言えると思う。

・イコライザ
公式アプリに内蔵されているイコライザについて、これが非常に良かった。上記の物足りない中高音域を前に出してあげることで、ノーカスタム状態から受ける印象とはかなり異なるようになった。
特に聴力テストを行ってイヤホンをパーソナライズする機能があるのは嬉しい。テストによって高音の聞きづらさがわかったのか、パーソナライズされた状態では高音がかなり前に出て広がりのある音になっていた。
個人的にはイコライザのプリセットの中から好みのものを選んだ方がより良い聞き心地ではあったが、あって損はない機能だろう。
またプリセットだけでなくカスタムイコライザがあるのも嬉しいポイントだといえよう。

【感想】
・総評
音質と価格帯を考えると素晴らしい製品であることは間違いない。
しかし、はっきり言って惜しい。これは本品を使う人による所であり、「個人的に」ウェアラブルデバイスとして求める要素がもう一歩足りないと感じた。
以下にメリットとデメリットを示しておく。

・メリット
価格と比較して音が良い。ノイキャン性能も高い。専用アプリでイコライザ機能、機能割り当ての変更ができるのがよい。
Type-C充電で、さらにワイヤレス充電ができるのも良い。

・デメリット
マルチポイント機能がないため、デバイスの切り替えがシームレスではない。個人的にはこれがないだけで100点満点中の35点クラスの減点であるといっても過言ではない。
逆にいえば、複数のデバイスを切り替えない、単一の端末でしか本品を用いる予定がない人であればかなりオススメできる製品であるのは間違いない。
あとバッテリーの残量が少しわかりづらい。専用アプリでは具体的なパーセンテージは表示されないので、iPhoneの場合はウィジェットのバッテリー表示からしか確認できないのが残念。それも10%ごとにしか確認できない。
充電ケースのバッテリー残量も専用アプリからは確認できず、本体の3つのランプゲージでしか確認できない。
また、Siri、Googleアシスタント、アレクサなどの音声アシスタントに対応していないのも人によってはマイナス評価だろう。

【点数】
複数間のデバイスで本品を用いたい人 → 65点
単一のデバイスのみで用いたい人 → 85点

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?