序盤論-総論-

初めに

ぐーてんもるげん。あおです。「序盤を語りたい」そんな衝動に駆られてしまったので、急遽筆を取った形です。突然ですが、皆さんは好まないブログとかはありますか?僕はあります。それは自分のレベルを明かさないで、理論や棋書を紹介するタイプのものです。正直、参考にして良いのかさえも分かりません。内容で判断すれば、と言われることも多いですが、それができる人はそれこそ高段者のレベルだと思っています。なので、棋力を明かすと、僕は将棋ウォーズという将棋風エキサイティングゲームで三段で指すくらいのレベルです。なので、今から書くことは真に受けすぎないようにお願いします。

先後の差について

将棋はターン制のゲームなので、先手後手の概念があります。ボードゲームは一般的には先手が良くなりやすいと言われています。将棋はどうなのか、という話ですが、僕は先手が有利だと思っています。プロ間でも先手が勝率をややリードしています。局面自体はもちろん互角です。ただ、僕自身、先手の方が後手に比べて指しやすさというものを感じることが多いです。具体的には先攻できるケースが多い点が挙げられます。例えば、後手が付随して指すという相居飛車の性質上、先手の攻め、後手の受けの構図が生まれやすくなっています。先攻できると局面を主導しやすい関係上、勝ちやすさが生まれると思っています。したがって、自分は先手の方が好きです。ただ、逆の考えを持っている方もいます。プロ棋士の例では長谷部先生が、彼の著書、『堅陣で圧倒!対中飛車一直線穴熊』のp94で、後手番の方が好きと書かれています。ただ、指しやすさについては記載されていないことから、実際はどのように考えているかは分かりません。では、後手番はつまらないのか、というと、そんなことはありません。後手番には相手の手を見て駒組みができる(しやすい)というメリットがあります。正確に言うと、先手番は形を決める必要があるケースが存在するということです。具体例として、雁木と振り飛車の両方を含みにするオープニングが挙げられます。これは後手番を最大限まで活かした戦い方だと思っています。

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先手編

では具体的に序盤について考えていきたいと思います。まず、僕は先手番では居飛車が最善だと信じています。これはソフトにかけた時に、飛車を振った瞬間に評価値がマイナスになるからという理由ではありません。僕が居飛車が最善だと思う理由は、将棋の初期配置にあります。将棋というゲームは、当たり前ですが、相手の王様を詰ますことができれば勝てます。そして、詰ますという目的のためには、相手の王様に向けて、駒を動かしていくことが必要です。言い換えると、駒の働きを相手よりも効率良くしていくことが必要だと考えています。そこで考えたいのは、大駒を効率良く働かせることです。ここで言う、効率良くとは、駒を前に進ませることだけでなく、相手の弱いところを攻めるという2点にあります。くどくなりましたが、将棋の初期配置を確認してみて下さい。飛車先の歩(大駒の活用)を伸ばすと自然に相手の角頭(弱いところ)を3手で攻めれるようになっています。同様に中飛車で5筋の歩を狙うと4手で弱いところを攻めれるようになっています。この一手早く攻めれることが先手を活かす方針だと考えています。また、上記の例で分かるように、居飛車にとって、初期配置が良すぎます。これが私が初手26歩に固定している理由であり、先手番で一番強い動きが居飛車と信じている理由です。

ちなみに

先手居飛車の中でも何を選択するかが問題となります。考える順番としては、①先攻できる戦法②指してて楽しい戦法③研究できる(再現性の高い)戦法、となります。僕は角換わり右玉と角換わり腰掛け銀45桂が好きなので、選択する戦法は主に角換わりとなります。しかし、居飛車党は横歩取りから逃げることができない関係上、横歩を取るか、相掛かりの旧式に近い形にするかの選択を毎回しています。こればっかりはその日の気分で指しています。

後手編

後手番の有力な手段として、振り飛車が挙げられます。僕は居飛車党ですが、居飛車党だからこそ、振り飛車党よりも後手番振り飛車を評価しているかもしれません。正直に言ってしまえば、相居飛車の後手番はつまらないと考えています。前述の通り、攻められやすいことが理由です。言い換えれば、先攻できる戦法なら居飛車でも振り飛車でも、それこそ嬉野流でもアヒルでも先後問わず指すと思います。それくらい自分の中に先攻至上主義が根付いています。話が逸れましたが、なぜ後手番振り飛車、主にノーマル振り飛車を有力視しているか説明していきます。一言で言ってしまえば、柔軟性にあります。相手の形に合わせて、カウンターを決めていく、古くからある振り飛車の考え方ですが、現代将棋のようにスピードが増した世界でも、いや、このような世界だからこそ、この武器は光り輝いていると考えています。まずは局面を互角でキープする力、これが振り飛車は、ずば抜けています。補足になってしまいますが、ソフト評価値がマイナスになるだけで、振り飛車を良く思わないと冗談で言っている方もいますが、駒組みを続けてみると、大抵は互角にまで戻る、あるいは後手番としては十分な評価にまで戻ります。駒組みを続けて、人間的にも指しにくい戦型はソフト評価値も大抵悪いです。その点、振り飛車に関しては互角で中終盤に入ることができることが魅力であると考えられます。その上、振り飛車では経験値という唯一無二の個性があります。これも振り飛車を評価する理由の一つです。では、視点を変えて、先手番でどうやって後手振り飛車を迎え撃つかを考えていきます。個人的には急戦一択だと思っています。理由は二つです。一つは特定の急戦のみを指し続けることで、その戦型に関してだけは、振り飛車よりも経験値を得ることができること。もう一つは先攻できることです。しかし、当然ですが、急戦だけでは将棋は勝てません。具体例として、32金型ノーマル四間飛車が挙げられます。これは金がそっぽに行くために、そこから攻めるのではなく、玉の方の駒を厚くしていくことが棋理に沿った指し方となります。用は何が言いたいのかというと、相手の手を見て、指し方を変えていくことが、古くからある指し方、セオリーであり、現代将棋でも底にある考え方ということです。また、上達という面でも居飛車対振り飛車の構図は理想的だと考えています。対抗型は将棋の基本が詰まっているだけでなく、再現性が高いので、本当に理解ができたかチェックすることが難しくないです。ここまで書いて大切なことを書いていないことに気が付きました。僕はノーマル振り飛車の中でもノーマル三間飛車が勝つ上では有力だと思っています。しかし、上達を考えるとノーマル四間飛車が理想的だと考えています。それほどまで、ノーマル四間飛車は定跡が洗練されています。

まとめ

僕の戦法選びとして、まずは先攻できることを一番に考えています。しかし、後手番という越えられない壁にぶつかった際には、柔軟に対応することで誤魔化していくことが基本的な考え方となっています。また、上には書かなかったのですが、大会で一本を入れるためには先攻逃げ切りしかありません。これは相手の方が中終盤が強いことを前提とした考え方ですが、割と的を得ているのではないかと考えています。

実は

ここまで後手番振り飛車について語ってきましたが、僕は後手番でも84歩で固定しています…… 長々と書きましたが、総論は以上です。各論(先後の各戦法)を書くかは未定です。多分書きます。ここまで見て頂いた方、途中で打ち切った方、読んでいただき、ありがとうございます。


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