1番2番について
オリンピックが始まると、
メダル。笑顔。喜びの涙。悔し涙。
4年間の思い、いいえ、人生をかけて目指すものへの想いを、私には想像することはできません。
私は勝負事がとにかく嫌いでした。
泳ぐことは好きなのに、何で怖い思いをして飛び込んで、大会に出なければいけないのか。
ピアノは嫌いじゃないけど、どうして発表会があるの?
好きなアニメの曲だけ弾いていたいと練習した、
「らんま1/2」
ただその一曲だけ、今も指が覚えています。
しかしそんな私が唯一、結果を求めたのが
「小学校のマラソン大会」
走るのが遅いわけではなかったんです。
ただ…小学校6年間連続1番の記録を持つ姉がいると
「愛ちゃんはそんなに速くない」
となってしまうのです。
比較って不思議。
「マラソン大会嫌だなぁ」
そう嘆く私に、祖母は言いました。
「愛ちゃん、マラソン大会で、2番になったらNintendo 64買ってあげるよ。」
えっ!!本当??
「じゃあ私頑張る!」
【物のために】というのは教育上良くないことかもしれませんが、
●誰かに負けたくない心より
◯自分のため(欲しいから)に努力する
ことを学んだ一つの経験です。
「まー、1番って言っておけばよかったね〜。」
と笑う祖母。
きっとそんなこと起きるわけないと思っていたんでしょうね。
念願のNintendo 64をゲットしたのに
ゲームが得意ではない私は、
姉が上手に操作するマリオカートを
まるで自分が遊んでいるかのように見ていました。
「ちゃんと走れるなら早くやればいいのに」
と言われても、ただの一度きり。
私のマラソン大会の思い出でした。
画は、ひるおびのスタッフさんが描いてくれた
「遅刻するヒロイン あいちゃん」