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創業元和二年 江戸造り醤油 玄蕃蔵

仕事柄地方への出張が多いものでして、出張に行った際は必ずと言っていいほど現地のしょうゆを買い集めているんですけれども。九州とか行くと聞いたこともないようなローカルしょうゆの宝庫だからすごいという話も以前にしましたね。

関東のスーパーでは大手のしょうゆメーカー以外の商品はあまりお目にかかれないので、出張先のローカルスーパーに行くといちいち楽しいんですがね。関東にもまだあまり知られていないすごいしょうゆがあるんです。

およそ半年前に予約をしないと手に入らないしょうゆがあるんです。それが、ヒゲタ醤油の「玄蕃蔵」というしょうゆです。

おれはこのしょうゆを安住さんのラジオで知りました。おれがここで口角に泡を溜めながら語るよりは安住さんの明瞭なボイスでもって聞いた方が玄蕃蔵の凄さが伝わると思いますんで、詳しくはこちらを参照ください。

簡単に説明をすると業界3位の大手、ヒゲタしょうゆが年に一回だけ醸造するしょうゆで、節句ごとに様々な工程を行うとともに儀式でもって神様に祈りを捧げ、そして重陽の節句にあたる9月9日に満を持して蔵出しされる、ヒゲタ醤油が特別に大切に造っているしょうゆということです。

例年5月1日に予約受付がスタートするということで、おれはその1週間前から毎日リマインドをかけてその日を待っていました。無事に予約をすることができたんですが、その日は和歌山に家族旅行に行ってたんです。和歌山は和歌山で湯浅醤油というしょうゆの元祖の造り蔵がありますので、おれは土産物店で買った湯浅醬油を片手に予約をしたということになります。

それで、先日についに玄蕃蔵が手元に届いたんです!じゃん!

コンプラ瓶に入った古めかしいボディに、封印シールが外箱と蓋部分に貼られていました。なんともうやうやしい。

早速使ってみようと思って初手何で食べようか迷っている間に夜が深くなってしまい、とりあえずスーパーに赴いてみたんですが、遅い時間にはめぼしいものがもうほとんど売り切れていて、結局30%引きになったねぎとろ巻きで食べることにしました。

玄蕃蔵はもう垂らした瞬間に違いがはっきりと分かりました。他のしょうゆよりも色が鮮やか、香りも良い、味もびっくりするくらい上品ということで、半年待った甲斐があったということです。30%引きの値段同様、30%ほど割り引かれたねぎとろ巻きの鮮度とか風味とか、もろもろを補ってもなお余りある旨味が広がりました。

次の日、仕事をしながら、「玄蕃蔵はひょっとしておもちとかにつけてみたらとてもいいのでは」と閃いたと同時に、今年の正月、中学からの親友トシちゃんちでついておかあさんが包んで持たせてくれたおもちを、なんとなく食べるのが惜しくてずっと冷凍庫で眠らせていたことを思い出しました。おもちを食べるなら今しかない!と確信したおれは、すぐにパソコンを閉じて帰宅。急いでおもちをあたためましたらば、想像通りおいしく食べることができました。

もうしつこいくらい申し上げますが、おれはシェアハピの精神を行動原理としておりますんで、おいしいものはもうみんなにも食べてほしい。フレンチクルーラーとか大好きなんで、一緒に食べる際は半分に割って、きっと大きい方をあなたに差し上げますよ。そんなわけなんで、来年もトシちゃんちでおもちつきが催されるならば、玄蕃蔵を小瓶に入れて持参してみようと考えています。

おもちつき大会のこともnoteに書いていました。こまめに記録はしておくものですね。

そして、おれは玄蕃蔵を誰のものとも決めずに、プレゼント用に1本余分に注文していて、誰にあげようかずっと悩んでいたんですが、そういえばスペシャルフレンドことスズキがこのほど誕生日を迎えたことを今朝に思い出しまし、30歳になったアニバーサリーイヤーということなんで、スズキに譲ってあげようと決めました。

「30歳になったならば、フードカルチャーの一歩先を行く小粋なアーバンライフを過ごしたほうがいい。そんなわけで君もひとつ持っておくといいです」

と連絡をしました。

スズキは春先に埼玉県の川島町にある笛木醤油のしょうゆパークを見学しに行くのにもついてきてくれたんで、おれがしょうゆに熱を上げていることをよく知っているんです。

しかし我ながら粋な贈り物ではないかと思います。よろこんでくれるといいな。

と同時に、玄蕃蔵のこれ以上ない譲り先が見つかったということでたいへん満足しています。折しも明日から三連休。上々の滑り出しということで、久しぶりに自転車に乗って遠くの方まで行ってみようかな、などと考えています。そんな感じです。

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