見出し画像

免許の更新に行く

先週末に免許の更新に行ってきたんですよ。お誕生日の前くらいにハガキが届きまして、「いついつまでに免許の更新をしてください、さもなくばあなたの免許資格を失効させますよ」と脅されたのでね。あのーおれが人生で今まで撮ったプリクラの中で一番盛れているのがこの車の免許証ですから?なんなら時々身分証明をする時にエラーが出ますからね。「あれ?坂口健太郎?…でも実物は全然違いますが…?」みたいな。盛れてるプリクラが消されちゃったらたいへんですから!急いで免許更新の申し込みをしたわけですよ。

日頃、慣性ドリフトだの掟破りの地元走りだのと申しておりますが、実際は掟を破ったことなんて一度としてないので私は優良運転者、俗に言うゴールドドライバーってやつなんですがね。ただ免許更新手続きの予約が全然取れないんですよ。あのー一般のドライバーとゴールドドライバー、違反者ドライバー、それから初めて免許更新をする人って別々の更新手続きをするんですけれど、周知ですね。講習のクラスが違うので、おれは当然ゴールドドライバーのみが集まる講習に申し込みをしないといけないんですが、土日はまず取れない!

近所の免許センターはもう2か月先まで予約がいっぱい。その他、周辺のセンターも埋まっているという状況で、幸い取れたのが免許失効ぎりぎりで、しかも場所が鮫洲!

鮫洲!?駅で降りる人全員が免許の何らかの手続きをしにいくでおなじみのあそこ!?って一瞬なったんですが、ま~こういう時でもないと鮫洲に行く機会なんてないんで、行ってきました。

鮫洲の駅を降りてから歩いて10分弱のところに免許センターがあるんですがね、さすが免許センターに用事がある人しか下りない駅こと鮫洲ですね。もう50メートルおきとかに標識で案内があるんです。「免許センター➡」みたいな。「免許センター⇩」みたいな。途中「快楽の園PINK CENETRはこちら」みたいな標識もあって、思春期の雄ことおれはうっかり誘惑にも負けそうになりましたが?そんなものはなかったんですが、とにかく迷わずにたどり着くことができました。

免許更新の手続きって煩雑で、まず受付をして、更新手数料を支払って、視力検査をして…って流れ作業で進んでいくんですがね、最終的に「判定官」っていう人にもろもろの検査結果を見せて、免許更新ができるかどうか最終判定をしてもらうんですが、気持ち的には閻魔様に対峙するときのそれですよね。時間をかけて鮫洲まで来て、お金を支払って手続きをして、判定官にNGを食らったらすべてがおしまいですから。

それでこういうのは心象が大事ですから、当然とらやのようかんの一つでも用意しておくべきですよね。それで懐からようかんをニュルっと取り出そうとする前に(生で持ち歩いていたんですね!)承認のハンコが押されました。とらやのようかんは不要でした。

それから免許の顔写真の撮影に臨むわけなんですがね、これがすごい行列なんですよ。特に目張りとかもされていないので、つまりたくさんの人に見守られながら写真撮影をしなくてはならないってことなんですが、免許の顔写真の写りが悪くなりがちなのはこういう事情も影響していると思うんですよね。ともあれ、おれの順番が来ます。おばちゃんにカメラを向けられると、ついサービス精神を発揮したくなりましてね、渾身のキメ顔で、さらにちっちゃく腰のあたりでギャルピをしたわけなんですが、顔写真はバストアップ。ポーズが写らないので普通にスルーされました。そこはツッコむところやろがいとおれの心の中のべしゃり暮らしが出そうになりながら、おばちゃんが言うわけです。

「さんしさん、もう一回撮りましょうか。ちょっと体が左に傾いている気がして…」

で、再撮影するのですが、今度は少し右に傾いているとのこと。後ろには何人もの人が控えていて、おれの撮影が終わるのを待っています。なんなら少しピリついています。あの、通勤ラッシュの時間帯に改札で引っかかっちゃった人の感じですよね。こういう時おれの悪い癖で、変に自分を俯瞰して見ちゃって少しニヤついてしまうんですね。それで、まじめな証明写真ですから、笑っちゃいけないと思うんですが、意識すればするほど口角があがってしまって、さすがに歯を見せてはいけないと思って堪えたんですが、なかなか辛い撮影でした。

それで、最後に30分ほどの講習を受けて免許交付です、ということで講習室に通されたんですがね。大学の一番大きい講義室、200人や300人はゆうに入るような部屋に案内されたわけなんですが、そこがすっかり満席になるくらい人が集まっていました。ゴールド免許向けの講習会ですから、当然集まっているのは全員優良運転者ですよね。それが200も300もいるわけですから、東京中のゴールド免許持ちがあの日あの場所に全員集まっていたと言っても不思議ではございませんよ。

それで、優良運転者というのは本当に意識が高いですね。講習のテキスト、交通標識の一覧とか、交通法規なんかが書かれたものがひとり一つずつ配布されるんですが、着席アズスーンアズで全員テキストを開いて読み込んでいました。偏差値の高い高校のテスト前の感じですよね。おれの高校は当時そんなに頭の良い学校ではなかったので分かりませんが・・・

それで30分ほど講師の人のお話を聞いたり、ビデオを見たりして講習はおしまいです。やはりここもゴールド免許たちが集まる講習会、退室をする際も譲り合いの精神で溢れていました。お先にどうぞのやつですよね。自分のことしか考えていないと事故を起こしますから。目の前に退室したがっている人がいたら快く先を譲り、譲られた方も気持ちよくハザードランプを5回点滅させてア・イ・シ・テ・ルのサインを欠かしません。ただ、全員が全員譲ろうとするからなかなか列が動かないっていう事態も起こっていました。いいことではある!

免許証を受け取って駅までの帰り路、ゴールド免許が集まる空気にすっかり感化されちまいましてね。横断歩道は指さし確認をしながらわたり、前を歩いている人を追い抜く際はしっかり方向指示や手旗信号で合図を出して帰りましたけれども。ぶーんって言いながら帰りましたけれども。

電車の中でそういえば免許の顔写真の写りはどうかなって見てみたら、中途半端にニヤついている中年に片足突っ込んでいる小太りの男がそこに写っていました。坂口健太郎は!?そんな感じです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?