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2018年12月の記事一覧

それでも許してしまうのは、都合のいい女だからではない。あるいは、松田聖子。

松田聖子
『SEIKO MEMORIES 〜Masaaki Omura Works〜』

 松田聖子は、アイドル、歌手の粋を超え、80年代カルチャーを体現するきわめて優れた「作品」だった。まだ塩化ビニール製レコード盤の時代だったが、美空ひばりや山口百恵のように出自という「物語」を背負うことなく、純粋に歌を歌として大衆に提供する表現として聖子は成立していた。同時代的評価は常に薄っぺらいものだが、彼女

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