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ABC予想の解決がどれくらいすごいかをエンジニア向けに解説してみる

望月先生が ABC 予想を解決したと主張する論文を出してから8年。ようやく査読が完了し、それが正しかったと認められたそうです。

この ABC 予想の解決が、どれくらいすごいのかを、エンジニアの人に向けて簡単に説明したいと思います。

成し遂げたことがすごい

超すごいです。正しいと予想されてから実際証明されるまでに400年かかったフェルマーの最終定理という定理があります。
単純比較はできませんが、フェルマーの最終定理より圧倒的に ABC 予想のほうが難しいです。

例えるならば、フェルマーの最終定理が、囲碁で AI が人間に勝つことレベルだとすると、 ABC 予想の解決は、ドラえもんを作るくらい難しいです。
それに成功しました(ヤバい)

新しい数学を開発したのがすごい

今回、望月先生は、宇宙際タイヒミュラー理論というものを作ってこの問題をときました。
これは、「うちゅうさい」タイヒミュラー理論とよみます。
この「際( = さい)」は、「国際」の「際」と同じ意味です。
実際、この理論は、今まで相互に通信することが不可能だった「異なる宇宙同士での情報のやり取り」を「対称性」を用いることで初めて成功させ、今まで分離することが不可能だった「足し算と掛け算の関係性」を分けて論じることに成功し、 ABC 予想を解決しました。(※数学の話なので、実際に物理的に別の宇宙と交信したわけではありません)

例えるならば、今までは計算機はすべて独立に動いていて、ネットもなければ USB もなくて、相互に通信できなかったところに、
初めて web を作って計算機同士で情報をやり取りしたというくらいの仕事がなされました。(ヤバい!)

査読に8年かかったのがヤバい

簡単に言うと、プルリクからマージまで8年かかったということです。
レビュアーはその道の世界最強の数学者集団という感じです。これで8年かかりました。

それはなぜかというと、上で書いたとおり、宇宙際タイヒミュラー理論という全く新しい理論をイチから作ったからです。

例えるならば、普通 web で開発しようと思ったら、いい感じのクラウドサービス使って開発するところ、
イチからハード作って、 OS 作って、ついでにクラウドサービスも新しく作って、その上で新しいサービスはじめたよって感じです。
コードは数百万行あるけどよろしく!みたいな感じです。(そらレビュー8年かかるでしょ、、、!)

まとめ

まだ計算機がネットに繋がっていない時代に、いちからハードと OS とクラウドサービスつくって、「初めてeメールでの通信に成功しました!」という感じなのが、今回の偉業です。
この研究が本当にすごいのは、技術的には「ドラえもんを作るレベルの偉業」を成し遂げたにもかかわらず、サービス的には「初めてのeメールに成功」程度でしか無いという点です。
皆さん知っての通り、eメール以降、IT革命が起こり、IoTでビッグデータをディープラーニングの時代になりました。
つまり、数学が、現実世界と同じように、とんでもないレベルで発展していくその一歩目になる可能性が、この研究にはあるんです。

参考文献

私の知識はほぼ100%この本と関連の動画から得られています。

それをいい感じにまとめた動画がこちらです。

普段は、データサイエンティスト VTuber として活動しています。
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