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「今にも歯車が動き出しそう、今そんな感じがする」の巻

初回のオープンデーの終わり頃、ひとりの人が声をかけてくれた。
以前プレイパークでK幼稚園をすすめてくれた人だった。覚えててくれたのかー!と驚いたのと同時に嬉しかった。
ちゃっかりLINE交換をした。


オープンデー2回目。
最初ムスコがアヒルに触ってみたい!とのことで、小屋に入れてもらった。
その時、そばにいた先生に「前回もいらしてましたね」と声をかけてもらった。
覚えてくれてるの?あんなに人がいっぱいだったのに、ちゃんと見てるんだー!と嬉しかった。

この日はパンダ組にお邪魔した。
さっき声をかけてくれた先生のクラスだった。
ひとりの子がウサギを抱っこして連れてきてくれた。クラス毎にウサギがいるようだ。
ブラシでなでるんだよ!と教えてくれる。
ムスコにブラシを貸してくれた。
そのウサちゃんは逃亡が得意で、すぐ外へにげてしまう。その度に子ども達は大騒ぎ。
みんなでキャーキャー言いながらウサギを追いかける。楽しい。ムスコすっかりクラスに馴染んでいる。

動物がいると、輪の中に入りやすいかもしれない…
この幼稚園は自然と人とのキョリが縮まる何かがあるような気がしてきた。


教室にそのままいたら、クラスの子全員そろって工作の時間となった。
「ムスコくんも一緒にどうぞ!」と仲間に入れてもらった。
クラスにも馴染んでいたので、少し離れた所で見守る。
見学に来ていた保護者と少し会話を交わす。この時話をした人が、また私を救ってくれた。


工作も終わり、園庭に出ると誰もいない。
そろそろ帰るかぁ、と荷物を取りに受付部屋に戻るとさっきのママさんがいた。
長男くんが通ってるそうで妹ちゃんの体験で来ているとの事だった。
私は「幼稚園辞めちゃって〜」と話をしたら、ウチも似たカンジ!とぶっちゃけてくれた。
行く予定だった先の園長と合わなかったそうで、本当にこの園に来て良かった、と言っていた。
この園には我が家と同じような状況で転園してくる人いるよ、と教えてくれた。
その話を聞いて、ウチだけじゃないんだ!ここは打ち明けても受け止めてくれるんだ!と心強かった。

帰り際、副園長に軽く「幼稚園行けなくなったんですー。そういう方もいらっしゃるんですねー。」と話してみた。
そうしたら「みんな頑張り屋さんなだけなんですよ」と言うではないか…
こんな優しい言葉、誰も言ってくれなかったなぁ。ここでまた心が動いた。


帰りのバスを待つ間、ムスコに聞いてみた。
「ヤギのいる幼稚園の名前分かる?」
私は園の名前をハッキリ伝えてはいなかった。
けれどムスコはきっちり「K幼稚園」と答えた。
「K幼稚園だったら毎日行ってみたい?」と、次に聞いてみた。
ムスコは黙って、親指と人差し指でマルを作りオッケー!のサインを出した。

ムスコの気持ちは前向きだった。
なら、次は夫にこの幼稚園を見せないと!
言葉ですべてを伝えられる自信がない。
実際に来て、見て、感じてもらわないと。
私は次の段階を試みる事にした。


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