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「とにかく藁にもすがる思いで手を伸ばしたけれど…」の巻

転園して2ヶ月が経った。
まだ2ヶ月しか経ってないの!?と思うくらい密度の濃い、充実した毎日だった。

相変わらず新型コロナの勢い収まらず、むしろ第3波と言われてる今、被害は拡大している。いつになれば今までの生活に戻れるのだろうか…
来年は小学校探しや、移住や転職への行動を本格的にしたいけれど、できるのだろうかと弱気になる。

そんな中、夫婦でアレコレ話はするが前に進む気配がない。
学校選びの候補地はいくつかあるが、何を基準にすれば良いか分からない。
(少なくともムスコが行きたい!と思えるトコロにしたいとは思っているが…)
まずは公立の小学校てどんな所かを知らなさすぎる。
知らないのに、穿った見方をしすぎている。
ならば一度、園長に今の私達の考えているコトを聞いてもらおうと思った。
聞いてもらったから、答えが出るとは思ってはいないが、何か少しでも前に進みたかった。


2学期の終了式の日、夫も仕事が休みだったので、夫婦で園長との面談をお願いした。
一応話したい内容として考えていたのが、転園して感じたムスコの成長、来年度療育センターとの付き合い方、小学校選びについて、この3点だった。

お迎えの時間、まだ子ども達と大人でごった返している園庭。
園長は我々を見つけ、日当たりの良い部屋へ案内してくれた。

最初はムスコの成長話と感謝の気持ちを伝えた。
園長は「我々はなーにもしてません。ただ楽しませてもらってるだけ(笑)」と、いつもの楽しいおじさんだった。

次に、療育センターの利用について聞いてみた。
前回、療育で面談した時、来年度の利用に週一回のコースを申請した。
ほんの2〜3時間、特性の近い子ら数名で過ごすという。
その様子を観て、親や専門員が話し合って子どもの育ちを考える。
このコースに入るのに、半年以上前から申し込まなくてはならない。
子どもの成長は日々変化する。
今、ムスコは集団の中で学ぶコトができていると感じる。
トモダチという存在が、彼を成長させているなぁと感じる。
たった数時間だけれど、幼稚園での生活と療育での生活どっちを優先すべきだろう?

その問いかけに、園長は快活にこう答えた。
「行きたいときにいけば、良いと思いますよ」
療育での知識やサポートは、今後何かしら私達のプラスになるので行かない手はない。
けど、療育センターのスケジュールに全てを合わせなくてよい、と。
ムスコが行きたいという方を、選べば良いのだよと。
主体はムスコなのだから。幼稚園が今日は行きたいなら、幼稚園。療育行きたいなら、療育。
こんなしたたかな考え方をして良いのか!と驚いた。
一応、療育センターからは毎週通うコトと提示されている。
他にも行きたい人がいるので、中途半端なことをしてはいけないと思っていた。
園長に聞いてみなければ、こんな考え方は出なかったなぁ…という気分になった。

ならば、一番気にかかっている小学校選びについてぶつけてみた!
開口一番こう言われてしまった…
「まだ小学校のコトを考えるのは早いと思いますよ」
ムスコはまだ5歳の年中さんだ。
転園して2ヶ月でこんなにも成長を感じられるなら、年長になる頃にはもっともっと成長するだろう。成長は未知数なのだ。
確かに特性による、やりづらさや生きづらさは感じるかもしれない。
でも大事なのはその時に大人がしっかりとサポートすべきで、初めからこけないようにと道を整えるのは早いのでは?というお言葉だった。

この辺りから、私は涙がジワ〜と溢れ出し言葉に詰まってしまった。
この時は、私は自分が何に泣いているのか分からなかった。
園長は小学校でもし子どもが前に進めなくなったら、担任としっかり対話をすべきだと言う。

この対話が前の園で十分にできなかったのだ。
対話なんて、やった経験がほぼない。
自分の勝ち気な性格や、正しさを振りかざすだけの了見の狭い正義感。
ダメだ、ムリだと思ったら、すぐに切り捨ててきたのが私なのだ。
結局自分が傷つきたくないから、小学校を探していたんだなぁ…と痛感してしまった。
でも本当に辛かった。しんどかった。今でも怒りは消えてない。あんな思い二度としたくない、これは正直な気持ちである。

園長と話して、対話の必要性を学ぶことになるとは…。
夫は「本当に試されるのは、我々親なんだろうね…」と思ったようだ。
それでも小学校探しは続けるつもりだ。
ただ道を間違えないようにしないとな、と思った。


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