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「失礼します。ホメの布団はこちらでよろしいでしょうか?」(後編)の巻

2020年3月、コロナで感染者が日本各地で出始め小学校に倣い、幼稚園も休園となった。
この頃の私は、随分と心と身体が疲れ切っていた。

周りのママ友と距離をとり、思いっきり心のシャッターも閉ざしていた。
だから休み中、公園やスーパーで誰にも会いたくないから、常にピリピリしていた。
けど、日に日にコロナで状況は悪化し、楽しみが何もない状態だった。
だからいつもイラついて、周りをヒガミまくり、ムスコにもちょっとしたことで怒鳴り散らしていた。

自分でもコレは虐待だ、コレ以上やったら止められなくなる。
何かで気分を変えなくては!
その時、山下陽光さんのメルマガで何度も話題に出ていた【山下道ラジオ】を聞くことにした。

TwitterやFacebookと違って、音声や動画はなんとなーく手を出しにくい。ムスコがジャマしにくるから…
でも幼稚園もないし、時間に囚われる必要のない日々。
ムスコが起きてくるまでの洗濯干しの間、聞けばいいや!と聞き始めたのだ。


このラジオが、本当にあの時の私を救ってくれた。


【山下道ラジオ】とは何ぞや?
山下陽光さんと、下道基行さんのおしゃべりを盗み聞きしてるに近い。
例えるなら、ホントに気心しれた友達と他愛ない会話。
こんな会話、他人が聞いて面白いの?て思うだろう。
この二人の持つ空気感。時に真面目に熱く語り、時に男子の悪ノリでふざけてみたり、全体としてふんわりとした優しさを感じるのだ。
気づいたら、一緒に笑ってる私がいた。

山下さんはお顔は知っていたが、あらーこんなお声なの?いい声してるー!と思ったり、
二人で会話に詰まったら「これもありでしょ!」と包み込む下道さんの懐の広さ。
平均して4~50分の会話を毎日!毎日!20日間も続けた。(今は週イチで更新中)

下道さんは、写真家の方だった。
メルマガで瀬戸内の旅行本を買いまくる人として知り、ラジオから滲み出るホンワカした感じから入ったので、アーティスト!て敷居の高さを感じなかった。
でもラジオの中で、よくお話されていたのが、
思ったことを推敲し点検し納得が行かないと、自分のコトバとして出せない。
この感覚が芸術家なのかなぁ、さすがやわぁ!と感じていた。
アートは絵や造形のようなカタチとなるものに目がいくが、本当は「言いたいこと」「伝えたいこと」の方を見るのが大事なんだな。
モノの捉え方がすごく柔軟、色んな角度で見ている。この考え、子育てに活かしたい〜!

山下さんの思いは、文字(Twitterやメルマガ)だけでは到底足りないということを、ラジオを通して知った。
だからラジオや音声が大事なんだ!面白いんだ!
山下さんは、この世の中のつまんない馬鹿らしい現実に怒っている。
けど、文句ばっか言っても世の中変わらない。
考えて考えて考えて、動いて動いて動いて、他人に頼ってるんじゃいつまでたっても変わんないから、自分の周りから生きやすい世界を作ろうとしている。
そのやり方は、なかなか勇気がいる。自分の中の当たり前を壊さないといけないから。
けど、その当たり前はもしかしたら、誰かさんに植え付けられた当たり前かもしれない。
山下さんは厳しい、けど優しさを感じる。だから、わかる人はついていきたくなるんだろうな…

私の心のチューニングが、このお二人のおかげで整い始めた。
おかげで、私の心のシャッターは少しずつ開いていったようにも思う。


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