もも拭き、バナナ剥き、ぶどう持ち、りんご食べ

午前9時頃に家を出て、午後8時頃に帰るという生活を自主的にしています。長い間出鱈目な生活リズムで過ごしていたので、これを実行するのは大変なことです。中学生や高校生の頃に戻った気分です。ただその頃はもっと朝が早かった。もっと朝が早かったのだと、必死に思い出そうとしたのですが上手くいきませんでした。何が上手くいかなかったのかというと、事実としてもっと朝が早かったということは思い出せるのですが、今の自分がそのサイクルで生きることの難しさやその当時の自分のひたむきさが何の感情とも結びつかなかったのです。今の自分と当時の自分を重ね合わせたりなんかして悲哀やら畏怖やらを抱くまでに持っていかれなかった。そのようであったとしか思えなかった。感情と結びつかなかったら、何か別の人の話のように思えてきてしまいます。午前9時頃に家を出るので、午前7時半には起きています。朝ご飯は食べたり食べなかったりです。これはなにせ自主的なことですから、家を出発してもこれといった用事はなく、大体は図書館か外で本を読んだり音楽を聴いたりしているだけなのですが、思わぬことも起こります。家の近くにあるごつごつした岩の座れるところに座って本を読んで、午後8時頃を待っていると、カートを押しているおばあさんに話しかけられました。おばあさんのカートを押していました。話によると、バスを降りてから家に帰るまでに少し距離があるからここで一旦休憩をすることにしているようです。風が無いと秋でもとても暑く感じる話であったり、雨が降るから傘を差すが風が強かったら使い物にならなくなるから結局帽子を被るだけにしてしまうという話もしてくれました。僕はあまり話しませんでした。人に対して明るくないのです。晴れていても日傘が必要だからどちらにしても傘は持たないとですね、というようなことは言ったと思います。


また別の日に、公園で本を読んでいたら、後ろにいた若者二人が「なんかめっちゃでかい猫いた!」と喋っていたので、「おい、俺のことか……!?」と思いました。



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