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相棒22 第5話「冷血」感想

Congratulation!!!

『相棒』で求められてる事を全部満たしていた名作!!

・面白い事件→桐生家族物語
・泣ける結末→親子愛
・社会派エンタメ→闇バイト
・魅力的なゲスト→桐生と花井親子が良い
・特命係の活躍→右京の絶対正義炸裂
・サブキャラの活躍→大河内の剣道や正義
・笑える小ネタ→ラムネ違い

ここを完全に網羅してた!!
やっぱ『相棒』って最高だね!!


【あらすじ】

角田の課に期待の新人刑事が着任!
しかし、同時にある疑惑が浮上する

角田課長の薬物銃器対策課に、所轄から桐生という若手刑事が異動してきた。
所轄では、特殊詐欺の拠点を二度にわたって突き止めるなど、腕利きと評判で、首席監察官の大河内も一目置くほどの人物。
いっぽう右京は、とのランチの帰り、とある路地のアパートで不審な部屋を発見。
もろもろの状況から、何らかの犯罪に使われている可能性が高まり、薫と共に調べ始める。
その結果、犯罪グループのアジトを割り出すことに成功し、角田たちと協力して急襲を掛ける。
しかし、現場に居たのは闇バイトの若者だけで、指示役の姿はなかった。
摘発の情報が漏れていたのでは…!?
そんな疑惑が浮上する中、大河内がなぜか、特命係に桐生の素行調査を依頼してきた。
一計を案じた右京と薫は、意外な方法でアプローチを試みる。

大河内も期待を寄せる若手刑事が
犯罪グループの主犯格逃亡に関与!?
真相を追う特命係に激震が走る!

脚本:岩下悠子
監督:守下敏行

【ゲスト】

桐生貴明
(演:小林亮太)

マジでめっちゃ良い子。
若手で情熱あふれる警察官は『相棒』ワールドだとレアキャラなので嬉しい。
こういった人物が出るとカイト君を思い出す。
演者の小林さんは2.5次元の鬼滅舞台で炭治郎を演じたりと絶賛活躍中。
個人的には神作『仮面ライダーアマゾンズ』でのマモちゃんが印象深い。
というか黒沢役の高木さんもアマゾンズメンバーなので、SNSで2ショットがあったのは嬉しかった。

【感想】

《最も愛する者を、最も深く傷つける》

もう桐生が完全に被害者で泣ける。
母子家庭で警察官の夢を叶えて成績優秀で本庁に抜擢された矢先に実父が生きていて更に組長級ヤクザだと半グレ黒沢に脅される。
そしてそれに動揺して捜査情報を黒沢に察せられてしまい、突入失敗。
ようやく覚悟を決めて黒沢に対して攻勢に出るも、電話中に黒沢が殺害。
それを父親が自分を護る為じゃないかと思い報告が出来ずにいた…。

人情でドンドン悪い方向に進んでしまうのがツラい。
神戸じゃないけど「運が悪かった」と言いたくなるような鬱構成。

あと最近『龍が如く』をプレイしているので、桐生一馬のように桐生と名前が付く人物はみんなヤクザに苦しめられる運命かもと思ってしまう。

そして犯人は闇バイトに応募した若者という現在社会を扱うエンターテインメントとして相応しい決着。
大手求人サイトでの募集から半グレに繋がるなんてそりゃ想像もつかないよなと同情。

在宅捜査になったから自分や家族を狙われるっていう恐怖。
反社も馬鹿じゃないから必ずではないが末端に脅しはかけてもよっぽどじゃない限りは報復的な行動は仕掛けてはこないが、脅された側はそれでもずっと恐怖に震えてしまう。
それなら殺される前に殺すしかない。

そんな犯人と桐生に共通するテーマは普遍的な"困ったときは誰かを頼れ"というもの。
使い古された言葉だが、今回はまさしくそう。

桐生は黒沢に脅された時点で課長や大河内に相談すれば良かったし、犯人も黒沢の家を特定できたんだから警察に駆け込んで助けを求めれば良かった。
そうすれば桐生は警察を辞めずに済んだ可能性があったし、犯人も人を殺さずに済んだ。

特に桐生はなまじ能力が高いから頼る事が出来なかったのかなとか想像してしまう…。

こんな感じで事件やテーマは最高に面白くて文句は無かったが、強いて1カ所だけモヤるのが、なんで花井組長はヤクザを辞めなかったのかという事。

会った事は無くても桐生が警察官として活躍した事を知ったら記事の投稿者に御礼の手紙を送ったり、息子を庇って出頭したりと桐生を愛しているのは伝わる。
そしてフルドラのお店も繁盛し店員さんからの信頼も厚い。
おまけに組員もいない一人組長であるならヤクザであり続ける必要が無い。
ヤクザは一度入ったら抜けられないっていうのは百も承知だが、本家から脅されている描写が無いので判別できない。

ここがクリア出来たら桐生母子だけでなくお父さんにも感情移入ができたので、ちと残念。

《熱い血》

[桐生貴明]
組織の風紀を守り抜く…
監察官って本当に熱い血が流れてるんですね

相棒S22「冷血」より

大河内監察官の警察官としての矜持が見えた。
一見すると大河内は仲良くしていた優秀な若手人材を、直属上司や他部署からの懇願があった上で懲戒免職にする冷血な男に見える。
しかもその若手にも非はあるとはいえ、情状酌量の余地はあるし失敗を取り戻す行動もしていた。

ただ"優秀だから~"、"周囲からの引き留めがあるから~"、"自分と仲が良いから~"という理由で残留させてしまうと組織は成り立たなくなる。
疑わしきは罰せずではあるが、こと警察では許されない。
通常の職業以上に厳格にしなければ癒着や腐敗の源になってしまう。
だから桐生を警察には残さないっていう判断を下した。
何も桐生に対して言い訳をせずに粛々と処分を伝える大河内は超カッコいい。

そして免職になるにも関わらず、大河内の立場と信念を理解してジタバタせずに感謝を伝える桐生も同じくらいカッコいい。
両者の良さが引き立つ名シーンです。

そして超良いのが桐生から渡されたラムネ(飲み物)を飲むって事…。
あのシーンはラムネ違いっていう笑いどころではあるけど、監察官という立場でなく大河内春樹という個人は桐生貴明を快く思っていた事を台詞を使わずに描いている。

本心で桐生に対して冷徹な処分を下した人間なら、あのラムネを飲む事はできない。

仕事への姿勢、そして人間味…この2つを高い基準で持っている大河内監察官には確実に熱い血が流れている。

とはいえ、ここまで厳格かつ熱い対応をされると"自分自身の罪と神戸について甘すぎ"とは思ってしまう。
大河内は不倫を隠した結果として恋人とその関係者の計3名を死なせても何の断罪もされていないし、神戸については気持ちは理解できるとはいえ偽証罪を犯している。

好意的に捉えると神戸は時効だし、大河内は彼等を死なせてしまったからこそ罪滅ぼしの意味も含めて職務を実行できるんだろうとも考えられる。

あと特命係の暴虐武人っぷりとも照らし合わせるとやっぱ官房長や峯秋さんなど、世の中はコネと身も蓋も無い事を考えてしまう。
という訳で桐生は特命係に来いよ!!
若手を可愛がる亀山君が観たいんじゃ!!

そんな感じで大河内は冷血に見せかけた熱血になるんだが、そうなるとサブタイになっている冷血は間違いなく杉下右京。

桐生が自身の出生を知り困惑した事を
「思わせぶりで毅然と対応しなかった」

父親が自分の為に殺人犯になったかもしれないと思うのを
「迅速な報告を怠った」と断罪。

花井にも言いたいがコイツに人情なんてものはない。

《今回のMVP》

角田課長

課長の懐の深さが沁みた…。
特命係が桐生について調べて監察官に報告した事は一切咎めず、桐生の疑惑を一緒に晴らそうと言う亀山君の協力を受け入れる。
そして事件解決と桐生の為に動き、全てが明らかになった後も大河内に頭を下げるという優しさ。
まさしく理想の上司。

S17「バクハン」で源馬を失脚させた時とは対応が全く違う。
あの時は完全に右京にブチ切れ、冠城が機転を効かさなかったら絶縁する所だった。

今回は右京の勝手な行動ではなく大河内からの依頼という違いはあれど確実に特命係への理解が深まっている。
というか「バクハン」を乗り越えたから今回の物語が成立しているのかもしれない。

【小ネタ&雑感】

そっちのラムネじゃねー!!!by全視聴者

•脱ぐのはファンサ
•大河内さん友達いないとはいえ1人で剣道してたのか…
•桐生の経歴完全記憶からの暗唱する大河内さん凄いけどキモさもある
•10月24日に配属ってまだ本庁勤務1ヶ月じゃん…
•所轄で2回特殊詐欺の拠点を2度突き止めるって優秀すぎだろ
•酢豚のパイナップル苦手な右京さん(正確には存在意義が分からない)
•カーテンレールが無いだけで怪しむ右京さん怖すぎだろ
空き家や空室が密売グループに利用される
•桐生のダッシュが凄い
•7勝7敗→8勝7敗(大河内勝利
•大河内が剣道強いと神戸の強さも際立つな
•ミントは苦味が口直しになる
•2人とも毎回監察官聴取対象級の事をしでかすけど、特にヤバいのは右京さんよ
•大河内がラムネ好きなのは新規の人からしたら確かに意外
•大食いの人を見ると気持ちが良いって発想は少し老人っぽい
•桐生に美和子SPを勧めるな笑
•美和子SPビヨンド
•フルドラ本当に美味そうだしコーヒー合うだろうっていう確信がある
•右京さんフルドラ食いながら喋るな笑
反社会グループと癒着する警察官といえば死ぬ前の内村部長
•上納金を納めるために堅気のように働くってもはや税金と同じなのでは…
•伊丹「無視かよ、亀虫!」
攻め込まれると固くなる桐生(意味深)
•大河内の手刀が速すぎて俺でなきゃ見逃してた
•都民ジャーナルと言えば遠山ちず

【次回】


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