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相棒20 第13話「死者の結婚」感想

今をときめく売れっ子女優の山本舞香さんがまさかの出演!!
自分が成宮君の出演で視聴を開始したように、山本舞香さんをキッカケに『相棒』を観てくれる視聴者が1人でも増えてくれると嬉しい。
勿論自分も山本舞香さんが出演してるドラマ映画はある程度だけどチェックしていきます!(可愛いしね

余談だけどサムネの権野監督がBIG BOSSに見えてくる罠。

【感想】
《固定概念の利用》
面白かったし「やられたっ!!」って思う回だった。
最初に遥香が家族に発見されるシーンから描いてる事で、「未来は生きてて何らかの事情で本当の事を言えないんだ」という認識で物語が始まる。
そして終盤で"未来は死んでいた"という事が開示されても
「流石に小学生が殺されるハードな展開なんてやらないだろ」
という固定概念に縛られていたら種明かしで未来だと思ってた人間は冥婚絵に似ていただけの他人という衝撃。
思えば小学生の殺人犯が登場した「目撃者」、双子の妹を幼年期に殺してしまい精神疾患を患う「キモノ綺譚」、小学生の息子が殺されて狂ってしまう母親を描く「フェイク」など『相棒』は子供にも容赦がないという事を忘れていた。
良い意味で自分の視聴者としての考え方を利用して弄ばれてしまったので、弄んでくれた脚本家や演出家の方々には素直に脱帽です。

《MVPは多岐川両親》
今回全ての始まりは"冥婚絵"で、多岐川さん達の"未来へと愛"が事件を解決したといっても過言じゃない。
13年間も行方不明で死亡している可能性が高い娘の為に冥婚を挙げようとする行為は一種の諦めとも取れるけど、娘への愛でもある。
冥婚絵に動揺した西條は自首を考え、松尾は西條を止める為に彼を殺害、梶本と両親が結び付いた結果特命係が本事件を知る事となる。
両親の"愛"が未来誘拐事件を解決する要因となったって展開は素直に熱い。

偽物のほうが圧倒的に価値がある
そこに本物になろうという意思があるだけ
偽物の方が本物だ。
偽物語より

梶本と多岐川家の関係は貝木泥舟のこの名言を思い起こさせる。
初めは金の為にやっていたが、娘はいつの間にか日常でも彼等の事を「お父さん」「お母さん」とも呼ぶ様になっていた。
父親も嘘だと知っていても奥さんの具合が良くなっていき安心し、母親は夫と娘の嘘に気付きながらもそれを受け入れて幸せに生活していく。
全員今の生活が嘘で家族ごっこに過ぎない事は知っているのに、それを誰も口にしない優しさよ…
嘘でもそこには価値はあるし、今がこの13年間の中で最も幸せという事は嘘じゃない。
最高の"偽物の本当の家族"でした。

あと深く描かれはしなかったけど梶本の元の家庭環境が良くなかった事で補導や青木への貢がせなど悪事に手を染める様になってしまったという事も推測されるので多岐川家は1人の少女を救ったという解釈もできるね。

《とはいえ変な点も》
母親が倒れて動揺した梶本が工藤を糾弾しにいく場面に不可解さが残る。
お母さんは犯人の顔を覚えてないのに何でデタラメな似顔絵を描いたんだと憤っていたけど、特命係が母親に確認を取る場面に梶本は居合わせておらず、母親が倒れて初めて部屋から出てきた。
聞き耳を立ててたっていう線もあるけど、黒瀬の家に直行できたりもしたし、このシーンは脳内補完が結構求められる。

あと、梶本と多岐川家の心の交流みたいなシーンが無かったので呼び方と演技だけで距離の縮まりを表現するのはちょっと難し過ぎた。
「暗数」で市原家の日常を回想をバックにして描写した事でグッと感情移入できたので今回もそういった手法があればより良かった。

【小ネタ&雑感】
•あんな遠くから梶本さんに演技させる必要性は無かったのでは…(通報されたらOUT
•家の場所が13年間変わってないのも娘が戻ってきた時に困らないようにしてるんだろうな…
•青木がガールズバーはネタ過ぎる笑
•黒瀬役の方、三度目の相棒出演で悪い警察官として二回目の断罪
•男女の営みに全力投球するドラマ『相棒』
•妻の為にガールズバーに入り浸る多岐川夫
•伊丹らしい良い伊丹だった(語彙力

【次回について】
まさかの13年ぶりに岩下脚本!!!
亀山君しか書かないと宣言して離脱したという都市伝説まである岩下さんが復帰!!
リアルだと初めての視聴になるので楽しく観たいと思います。

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