相棒3 第9話「潜入捜査」感想
『相棒』初の新年スペシャル!!
当時は1/5に放送していたので、元日SPではないが、長尺の物語を観れるのはお得で本当にありがたい。
まぁ内容は激重の鬱回。
新年早々視聴者を暗くさせるスタンスは現在にも受け継がれている。
【あらすじ】
極左勢力と関係があるとされるIT企業に潜入捜査をしていた公安刑事・森本が突然失踪する。
特命係の刑事、右京と亀山は失踪の謎を調べるため潜入捜査を。
森本の恋人・聡子に接触した亀山は、携帯電話に森本の着信があるのを目撃する。
一方、警備員として会社に潜り込んだ右京は同僚の葛城に正体を怪しまれる。
脚本:輿水泰弘
監督:橋本一
【ゲスト】
今回の犯人
極左勢力に資金提供をしている若手IT社長。
スパイに愛人をNTRされ、公安の手法をやり返した結果、愛人に殺されそうになる悲惨な人。
演者の保坂さんも妻の高岡早紀さん(エロい)をNTRされ可哀想過ぎる。
今回の黒幕
表向きは警備員、裏では公安の捜査員。
温水さんはうだつの上がらない役回りが多いが、今回の話では超カッコいい。
というか全温水作品でも1番カッコいいまである。
今回の被害者
亀山君にナンパされる場面とカラオケの場面が超可愛い。
クーデレお姉さんとか最高よ!!
現状なら美和子より圧倒的に良い人だったので、殺されてマジで悲しい。
【感想】
《名前のない怪物》
極左勢力に資金援助する北潟の会社へ、公安の森本が潜入する。
森本は北潟の愛人である聡子に接触し、相思相愛になってしまう。
北潟は聡子を奪った森本を調べ、公安である事を突き止め脅迫する。
追い詰められた森本は自殺。
聡子は北潟への復讐に動くが返り討ちにあい殺害される。
しかし公安の葛城も北潟への復讐に動き出していた。
北潟も若干被害者の側面がある。
まずテロリストの可能性がある連中に資金提供するのは極悪なので、公安潜入捜査されて当然。
でも愛人をNTRされたら怒るのは普通だし、それが潜入捜査員だと分かったら相手と同じ手法でハメてやりたくなる「スカッとジャパン」的な気持ちも理解できる。
しかもやり返した結果、森本が勝手に自殺して葛城からも逆恨みされる始末。
そして聡子の凶行が無ければ殺人犯になる事も無かった。
描写的に正当防衛もしくは良くても過剰防衛なので、殺人だと断じる亀山君には同意できない。
おまけに葛城に殺されそうな瞬間もプライド優先で死ぬ覚悟がガンギマリになるのもヤバい。
でも聡子を殺した日は少し病んで会社で砂嵐ビデオを観ちゃう人間臭い行動もしている。
嫌な雰囲気なだけで、北潟の作中での言動&行動には正当性がある。
それに対して森本ことS.Yは無茶苦茶。
公安の刑事にも関わらず潜入先の女性と恋に落ち、それ故に北潟に正体を見抜かれ自殺するなど話にならない。
全て森本が勝手に暴走して自滅したに過ぎず、粛々と業務をこなしていればこんな事にはならないし、そもそも1年かけて潜入させてもらったのにそれを私情で失敗させるとかプロ意識皆無と言われても致し方ない。
S8「暴発」鎌田を1mmでも見習ってほしい。
でも私情に動かされるのが人間。
警察官だろうが潜入捜査員だろうが恋をするし失敗する事もある。
正直今回の森本のやらかしはこの台詞だけでチャラになるくらいの熱さと説得力がある。
葛城は"相棒"を失い直接の原因である北潟への恨みもあるが、それ以上に労いも悲しみも無く使い捨てにした組織にも絶望した。
だからこそ正当性は無くても自分だけはせめて森本の仇を取ってやりたくなった。
でも北潟を心底恨んでいる訳ではなく、森本の名誉を傷つけた償いをさせたいという感情だからこそ右京の説得に応じて北潟を解放した。
正直なところ、今回特命係が絡んだ事で救えたのは北潟という悪人の命だけだったのが悲しい。
そんな葛城も自分が間違った事を理解しているのが良い。
好き勝手に行動したケジメとして自己完結で終わらせるという考え。
個人的には自殺は最大の逃げだと思っているので、特命係が脅しに屈せず説得し続けるのは何も間違ってないように感じる。
しかし自殺と公安により殺されるのとでは、どちらが正しいかは分からない。
死にたがってる奴を死なせるのと、死にたがってる奴が殺されるのを見るのとでは意味合いが大きく変わってくる。
右京も最後死なせてあげた方が葛城からしたら良かったのではと考えていたが、そこに関しては結論が出ない。
ただ公安の隊員がどう考えているのかを知りたい。
彼等からしたら裏切者とはいえ同僚を射殺したというのに、無感情すぎて恐ろしい。
今回公安(チヨダ)は"名前の無い怪物"が多数所属する闇の部隊として描写されている。
なのでそこから逸脱して人間らしさを手に入れると殺されるのはマジで怖い。
だが彼らの目的は日本を守る事なので、そう考えると複雑な気持ちもある。
ワガママかもしれないが仕事は完全に遂行しつつ、感情と人間味のある組織になってほしい。
とりあえず1回の任務しか共にしてないのに敵討ち事件まで発生した緊急対策特命係の爪の垢を煎じて飲むべき。
《今回のMVP》
ナンパ師亀田創
神戸は受付を口説き落としてたし、カイトは喫茶店で年上をナンパしたし、冠城は言うに及ばず、そして今回の亀山君。
実は歴代"相棒"全員ナンパが上手い。
偶然のハグから始まって、お弁当を一緒に食べようとナンパし、その日のうちに2人っきりでカラオケまで行っている。
しかも相手は大手IT勤務でプライド高そうなクーデレお姉さんで、おまけに婚約者を失い目に隈ができるくらいに落ち込んでいる。
そんな彼女を笑顔にさせる生粋の陽キャ亀山君は凄過ぎる。
もう美和子なんて諦めて聡子と付き合えと本気で思った…。
なお、亀山が潜入大成功してる傍ら留置所送りになった右京さんときたら…。
残念なのは聡子が死んだ時に深い悲しみが無かった事。
潜入捜査の一環だとしても、聡子とカラオケまで行ってるのに殺した北潟に対して激しい怒りをぶつけて欲しかった。
次点は小野田官房長
元チヨダの裏管理官としてわざわざ葛城の面通しの為に足を運んでくれた。
結局は彼が公安へ報告を入れてしまった為、葛城は殺された訳だが、報告の判断は至極妥当。
個人的には葛城射殺の指示は出してないと信じている。
緊急対策特命係の際に部下達を死なせた事を後悔して、その復讐で右京を含めた生き残りに殺される事まで覚悟している人が、元部下射殺の許可など絶対に出す訳が無い。
森本も葛城も名前を知らなかったのは、危険な任務と隣り合わせである彼等の本名を知ると情が移って厳しい判断が下せなくなるからと予想。
だって官房長は彼等の名前を記憶した事があったで"覚えてない"ではなく、最初から"知らない"だけだからね…。
あとS2「殺してくれとあいつは言った」もだけど、特命係は官房長から直接の依頼を失敗するイメージが多い。
おまけで角田課長もノミネート
森本の死体を一本釣りした功績が大きい。
森本の死体が発見されなければ生死不明の状態で二軸で捜査しなくてはいけなくなっていた。
というか大小コンビで朝から釣りって仲良すぎて好き。
なお、肝心の釣りは坊主だった模様。
【小ネタ&雑感】
•いきなりOP
•警備員右京さん好き
•DORAGONの駐車場ロケ地は後の警視庁地下だな(埼玉アリーナ
•恩義を楯に右京を説得する官房長だが、実際は貸しとは思ってなさそう
•亀山君はフリーだから鼻の下伸ばしてもok
•脚立片付けろ
•ノーネクタイ右京さん珍しい
•接触に成功(ハグ
•美人女性社員の引き出しを漁る右京さん
•右京さんは指輪を大事に持ち、たまきさんは無くした
•自分の目と耳で判断するのがモットーの伊丹
•伊丹と芹沢のコンビは初めてかな
•噂をされると背中が痒くなる伊丹(S13でこの設定が再利用される
•潜入場所で電話するな亀山
•女性を見る目は右京より亀山の方が良い(なお美和子には浮気された模様
•お弁当までは付き合ってくれる設楽さん
•ひいおじいちゃんがナポリの人w
•ナンパでパチンコ誘うなw
•亀山君とのカラオケ超楽しそうw
•芹沢「特命係の亀山先輩」
•亀山君の上手い運転で車内で寝る右京さん可愛い(助手席で寝るのカイト君を思い出す
•部長と捜査一課が話すデカい部屋は15年前に官房長が責任を取らされそうになった部屋と同じだな
•部屋の外で手招きしてる伊丹好き
•美和子と伊丹のセットは珍しい
•何で亀山君は美和子に呼ばれて来ちゃうんだよ…
•足で会話させるな笑(橋本監督味がある
•監察医おばちゃんのクセが強い
•フリーになって米沢と仲良くなった亀山君
•仕事場で砂嵐ビデオ観るの病みすぎだろ
•右京さん初めての逮捕(後に2回ほど逮捕されてた記憶
•留置所で快適に寝ようとするなw
•メガネつけたまま寝るのはどうかと思う
•亀山が官房長を小野田さん呼びする珍しさ
•右京は梅干しや酸っぱいのが苦手 byたまき
•たまきさんに報告されてちょい怒の右京
•おにぎり割って確認するなw
•マンションに無許可侵入すな
•住所と電話番号×2を瞬間的に覚える右京
•指輪ゆるゆるすぎない?
•恋人が別の男の所に行くと腹が立つよな亀山
官房長で顔の確認さすな
官房長ってチヨダの管理官してたの!?
•想像じゃなくて推理(妄想モンスター
•右京さん脅威のドラテク
【次回】
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