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相棒21 第2話「ペルソナ・ノン・グラータ 〜二重の陰謀」感想

亀山薫、13年10ヶ月3日振りに特命係に復帰

最後に特命係の札が掛かった時に鳥肌がたったね…。
今もテレビ雑誌の表紙に水谷さんと寺脇さん2人並んで笑顔で並んで映ってるのを見ると信じられない気持ちになる。
1話1話大切に楽しんで観ていきたい。

【あらすじ】

テロ予告のあった旅客機は無事だったものの、サルウィン反政府運動のリーダー的存在だったアイシャが命を落とし、責任を問われた右京は、謹慎を申し渡される。
いっぽう、捜査一課では、脅迫されていた人間は、のほか、アイシャの親友ミウとその弟、外務省幹部の厩谷、サルウィンで人道支援を行っているNGOの幹部・尾栗江威子ら計6人いたという情報を把握。
しかし、脅迫犯に関しては目星さえつけられていなかった。
そんな中、アイシャの死に責任を感じていた薫は、“親善使節団のメンバー”という立場を利用して厩谷のもとに押し掛け、右京の捜査復帰を官邸に働き掛けてほしいと直談判する。
ところが、そこに当の右京が現れ
「くだらないまねは慎んでください」と薫を一喝。
2人は再会も束の間、早くもぶつかり合う。
そして、また一人、新たな犠牲者が―――

姿なき脅迫者と第二の殺人…!?
腐敗から国を救った英雄の死との関連は?
右京と薫が、衝突しながら国家の闇に迫る!

脚本:輿水泰弘
脚本:橋本一

【感想】

《擁護不可避なド畜生》

厩谷さん流石に鬼畜すぎませんかねぇ

27年前の外国人陵辱による隠し子を隠蔽する為に2件の殺人を犯した厩谷。
コイツが歴代犯人でも上位に入る程度にはどうしようも無いクズ過ぎる。
•若い頃には相手国の政府高官に金を握らせて給仕係の女性を陵辱
•その娘(アイシャ)が訪ねてきて墓参りで手を打つという超穏便な要望を受けるも殺人計画を企てる
•その計画に本妻の娘を巻き込む
•そして自らアイシャを一度殺そうとする
•精神的に弱ったアイシャにダメ押しでメールを送って自殺を促す
•それを知って交渉に動いたクリスをも殺害
•右京達に追い詰められても帰国をしない
畜生とはまさにこの事。

しかしながらアイシャが聖人と知ってて計画を組めるんだから、こんなハイリスクな事をしなくてもお墓参りに行って温厚な関係を結べれば1番良かったんじゃないかとも思う。
なので彼が今回こういった行動に出たのは根底にある差別意識じゃないかと考察。

"腐敗した政府の方が外交はしやすい"という発言、金を握らせての陵辱、CAに対しての暴言
これら全部発展途上国であるサルウィン人よりも日本人の方が優れているという思いからの行動だと思ってしまう。
厩谷は劇団捜査一課で芹沢が出雲を突き飛ばした時に
「女性になんて事をするんだ!」
という言葉が咄嗟に出てきていた。
なので彼は根底では決して狂気に満ちてる訳でなくどちらかと言えば優しい側になるんだと思う。
でも外国人が相手になると急に優位に立った気がして粗暴になり利用する相手としか捉えられなくなる。
なのでアイシャとクリスを殺した真の動機は
自分より劣っているサルウィン人に優位に立たれた事による怒りだと考える。

気持ち悪いのがこんな厩谷のような人間はどこにでもいるという事。
上司と部下、先輩と後輩、日本人と外国人、男と女、親と子…
「天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らず」という言葉を誰もが知っているのに皆が上に立とうとしてしまう。
そして上に立ったと思ったら下だと思った人物について攻撃しても良いと思ってしまう。
人間は社会性のある生き物なので、一定の上下関係が無いと生きていけないが少なくとも厩谷のような差別意識は持ちたく無いものである。

《ペルソナ・ノン・グラータ》

ペルソナ・ノン・グラータ(ラテン語: Persona non grata、英語: unacceptable person)とは、外交官のうち、接受国からの要求に基づき、その国に駐在する外交官として入国できない者や、外交使節団から離任する義務を負った者を指す外交用語である。

原義は「好ましからざる人物」「厭わしい人物」「受け入れ難い人物」を意味する。

外交関係に関するウィーン条約や領事関係に関するウィーン条約で規定されており、稀に「国外退去処分」と表現されることもある。

Wikipedia

「『ファントム・アサシン』級の厨房サブタイktkr!!」とか最初に思って誠に申し訳ございませんでした!!🙇‍♂️
まさか外交用語として存在してたとは思わなかったな…。

ミウは今回様々な感情がある中で、厩谷を自らの手で殺すという選択肢を選んだ。
その結末については妥当で日本という国だと親友のアイシャは自殺、弟のクリスは事故死で処理されてしまう。
日本という国の特権を利用しまくっていた厩谷はサルウィンという国で彼等がされたように真実を隠蔽した殺害により命を落とす。
まさしく因果応報である。

でも果たしてミウに厩谷を裁く資格があったのかは疑問。
ミウは祖父母を救う為とはいえクリスがアイシャを殺す事を許容していた。
そんな人間にアイシャの仇を討つ資格があるか?
またミウは厩谷がクリスとアイシャの殺害犯だと知らない内から脅迫をしていた。
そんな人間に彼等の仇を討つ資格があるか?
国を再建するには綺麗事では済まないという論調もあるけど、それなら厩谷を殺す必要性は無い。
まぁ厩谷は雛子との会話から日本に帰った時点で捕まる。
そうなるとサルウィンへの物資支援としての役割を遂行できなくなり生かす価値が無くなった、だからミウは私怨で殺した。
こんな解釈も可能だけど、そうなると自分の価値が無くなった事に気付いてない厩谷が馬鹿でしかなくなる。
亀山もミウも何も言わずに最後別れてしまったけど、輿水脚本と明言されている元日SPと最終回でこの辺について何か結論が出るのか期待(結論が出て和解したら亀山君またサルウィンに戻っちゃうんだけどね

兎にも角にも言えるのは亀山君の14年間が浮かばれない。
右京さんは「無駄と思ってはいけない」と優しい言葉をかけていたけど、アイシャは死んでミウは闇に堕ちた。
「刑事一人」みたいに亀山が咲かせた他の花もきっとあるはずだけど、少なくとも今回の結末としては残念過ぎる。
ただイマイチ分からないのはミウが亀山夫妻を国外追放にした理由。
2人に敬意を表してという事みたいだけど、それが何故国外追放に繋がるのか謎。
外交官扱いかつ日本政府に働きかけるという意味合いで敬意を払ってるのかもしれないけど、マジで何故国外追放したんだ?
サルウィンは危険な国になるから追放して安全を確保したのか、変わってしまった自分自身を見られたくないから追放したのか、はたまたその両方か…
有識者の方がいたら是非ご教示願いたい。

《今回のMVP》

伊丹憲一

事件の解決については1mmも関与してないけど、この人しかいない。
最近season1も再視聴してるけど、亀山と伊丹の喧嘩は大体亀山が悪く伊丹側は口こそ悪いけど実は結構亀山に歩み寄ってる。(浅倉火葬場とかは擁護不可避だけど

そんな中で今回の伊丹はライバルの亀山の為にプライドを捨てて土下座までしてとカッコよさしかない。
もっと言えばその土下座を受け入れて嘱託職員として特命係復帰を許した峯秋さんもカッコイイ。
100%胃痛の原因になる初代コンビ復活なので峯秋さんを強く強く応援していきます。

【小ネタ&雑感】

•峯秋さんと亀山君の会話良き
•亀山君はともかく峯秋さんは場違いちゃうぞ
•亀山君が「いくらだって動く」とか「元特命係の俺に常識は通用しねぇ」とか言うの好き
•課長の「亀ちゃん」呼び良き
•国のレポートに直情型と書かれてる亀山君
•峯秋さんの力説を無視する右京さん
•伊丹「マヌケが1匹」に笑う
•殺害事件と誘拐事件が別という屁理屈も理屈の親戚案件
•違いますぅby右京
•15分で2回トイレを借りる右京さん
•部長「目指せ、世界平和」←何故特命係で言ってる…
•国賓パワーを多用しまくる亀山
•クリスは何故ミウにSDカードを隠れて渡したのか(脚本の都合だと思うが
•妄想モンスター杉下右京
•鑓鞍先生害悪過ぎる
•部下の奥さんと片道5時間かけて国外旅行をするヤバい上司
•大いに傷付きました(棒読み
•貸し出される土師
芹沢「先輩の知ってる部長は死にました☆」
•アイシャが娘と判明した瞬間はゾワっとした
•日本の方が"かろうじて"民主的ね…
•握手のシーンと名札のシーンが熱い
•コテマリさんのバイト誘いが食い気味
•美和子SPをクセになると食ってたろ右京さん

【次回】

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