相棒S20 第8話「操り人形」感想
視聴後に響くタイプの鬱回だったな…
藤島さんも美鈴さんも全編通してずっと物悲しい雰囲気に包まれていて、最後に悲しみの理由が明らかになったら彼等の50年間を想いより悲しくなるという最悪の図式。
瀧本脚本は「人生ゲーム」とか「三文芝居」みたいな喜劇に近い物語もいけるのに「オマエニツミハ」や今回みたいな鬱回もいけるのが本当に凄い。
導入の窓際である特命係だからこそ介入できた事件っていうのは勿論、右京が真実を暴いて皆が不幸になる真実を炙り出す構図もお見事でした。
【感想】
50年前の悪意に登場人物全員が翻弄されるって言う展開が本当に憎い。
梶原は命を失い、美鈴さんと藤島は親友と息子を失うと同時に死んでも暴かれたくなかった秘密を曝け出され、ケン坊も更生の道を閉ざされるっていうね…。
藤島も梶原もずっと岡田殺害に罪悪感を抱えていたからこそ、遺体が発見された事で人形を操り贖罪を表現したりケン坊が岡田に見える程に追い込まれたんだと思う。
美鈴さんも息子を愛しながらも、どこかに岡田の面影を感じていたからこそ親子の縁を切ったって部分もあったんだと思う。(情もあるから写真も捨てられなかった
でも最大の被害者は犯人であるケン坊。
3人の親に愛されながらも、どこか距離をおかれて不良に身を落とし、実母からは親子の縁を切られる。
でも更生する為に父親代わりの藤島と梶原を頼って真面目に生き直していたのに梶原にも辞職を促される形で裏切られ、実父岡田の幻影で錯乱する彼に殺されかかって身を守る為に殺してしまうという救われなさ…
でもその時点で自首するか、ただ逃げるかだけで良かったのに何で藤島に罪を着せようと画策するかねぇ…
最も同情する人物でもあるけど、その点に関しては同情できない。
でもこれら説明のつかない行動もサブタイの「操り人形」にかけると、岡田が50年越しの復讐の為に藤島も巻き込んだって解釈もできるので奥が深い。
ただ、敢えて言うなら岡田が人を操るのに長けてるという説明はあるけどその描写は無いので、そこだけは何らかの形で描いてほしかった。
戦犯は杉下右京だけど、強くそうとも言い難い。
今回の事件が発生した段階で、ケン坊から藤島との関係も明るみにされ、梶原錯乱の原因の解明まで行われていた可能性が高い。
ただそれは岡田殺しまでは繋がるけど美鈴さんレイプ事件まで暴ける内容ではなかったので、同情を禁じ得ない。
感想を書けば書くほどに悲しい気持ちになる。
【小ネタ&雑感】
・国を批判する人が生活保護という皮肉さ
・神戸君なら死体発見時で吐いてた
・見返したらケン坊にビビる梶原って構図になってて良き
・冠城は幽霊にもうちょいビビっても良い
・若い美鈴さん役の女優がマジで可愛い
・喫茶店マスターが当時のカメラマンとして後から登場する隙のない構図
・捜査一課もキッチリ活躍してて良き
・幽霊岡田にピントを当てない演出好き
【次回】
初相棒脚本の方なので期待値低めで様子見。
生まれ変わりっていう前回今回に続いてまさか3話連続のオカルト系。
初回の官房長も幽霊扱いにするなら6/9がオカルト話になるな…
青木が特命係を「ゴーストバスター」と言っていたのは伏線だったのか(違
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