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相棒21 第5話「眠る爆弾」感想

流石の岩下脚本!(拍手👏
物語としても推理ものとしても面白いし、掛け合いや亀山君の扱いに関しても一級品。
終盤の演出も良かったので満足です!

【あらすじ】

大学構内に爆発物を仕掛けた男が、警察を挑発する動画を送りつけてきた。
男は顔を隠そうとしないどころか、自ら素性を明かすような行動を取ったため、犯人は問題の大学に籍を置く平山翔太という学生であることが判明する。
右京は、同大学で先月、女子学生が実験中に死亡する事故があったことを知り、爆弾事件との関連を捜査。
実験計画書には、平山の名前があり、本人の供述も不自然だったため、殺人の可能性も疑われていた。
そんな中、平山が共同研究者である准教授の三沢を監禁していることが発覚。
さらに平山は、大胆にも自ら警察と接触し、女子学生死亡事故の再調査を要求してくる。

警察を挑発し、暴走を続ける爆弾犯
女子学生の死亡事故に犯行の動機が!?
天才の仕掛けた危険な罠に特命係が挑む!

脚本:岩下悠子
監督:権野元

【感想】

《僕の方が先に好きだったのに》

好きな子がオッサンに奪われるってツラいね…

今回平山君は早とちりで殺人未遂をやりかけたけど、動機と行動を推察すると単純な復讐や敵討ちからも外れているように感じた。

今回の事件をスマートにやるとしたら三沢を気絶させて大学に森原さん事故死の真実(勘違い)を発表させた後に三沢を刺すなり爆破するなりで殺せば良かった。
もっと言えば犯行声明を出してるんだから大学から正式に発表という形にせずに一方的な告発動画を投稿してから殺害しても良かった。
でもわざわざクラッシュシンドロームという回りくどい方法でしかも自分が手を下すのでは無く、奥さんに三沢を殺させようというのが何とも解せない。
寧ろ告発よりも奥さんに三沢を殺させる事に比重を置いている気配すらある。
実際に大学は何も認めてないのに自首もしちゃってるしね。
だから平山君の目的は不正を明らかにするという動機では無く、自分が最愛の彼女をクラッシュシンドロームで死なせたように三沢も最愛である筈の奥さんの手で死なせようという回りくどい復讐としか考えられない。
結局彼を突き動かしているものは、真実は二の次で好きな子をNTRられた事についての怒りなんだろうね。

ここからは森原さんと三沢先生への平山君の屈折しまくった考えを思考していきたい。

まずは森原さんに対しての恋愛面。
平山君は森原さんに対して"付き合いたい"という願望ではなく"付き合える"という確信を持っていたように思える。

何故なら平山君は陰キャの皮を被った超イケメンなのでこれまでの人生で絶対にモテてきた(断言
「いつか俺はユキと付き合うはず」みたいな事を絶対に考えていた。

実際に森原さんが三沢教授と研究費営業をかける事を言った時はかなり嫉妬してるような描写もある。
でも彼女を一途と評していたのは研究以上に三沢先生への愛を感じ取っていて自分自身も先生を尊敬しており更に奥さんがいる先生が彼女に手を出す事は無いとも信じていたんだと思う。
だからこそ彼女をガチで奪われた嫉妬、そしてそんな彼女を殺した三沢、ここに対して殺意が生まれた。

次は三沢先生への感情。
森原さんの件で嫉妬はあったとはいえ、先生への尊敬は本物であったとも思う。
でも先に記載したBSS状態だった森原さんをNTRれた(勘違い)怒り、かつ殺された(勘違い)怒り、そして自分に罪を擦りつけられた(勘違い)事による裏切り(勘違い)への怒り。
この複数の怒りが原因で三沢先生だけでなく奥さんも込み込みで苦しめようと画策して、夫を心から愛していた奥さんに殺しの最後の一手を決めさせようとしたのは鬼畜極まりない。
恐らく知識不足で森原さんをクラッシュシンドロームで死なせてしまった意趣返しという部分もあるが、流石に奥さんはとばっちり過ぎて可哀想。
というか平山君にも情状酌量の余地はあるとはいえ、勘違いで死にかけた&殺しかけた三沢夫妻は最大に可哀想。

あと初見時に三沢先生の奥さんが若くて美人だったので彼女も元は教え子で先生は生粋の教え子キラーだったとか想像してた。
本当に申し訳ございませんでした。

《眠る爆弾》

今回の物語だけで言えば"クラッシュシンドローム"と"大学が資金不足で研究ができない"という社会事情が「眠る爆弾」だったけど、そういったものがこの日本でまだまだ潜んでいるのを示唆してるのが恐ろしいサブタイトル。

例えば少子高齢化、そして年金問題、他国に日本の土地が買われていたりと国単位で考えると正直キリが無い。
そしてこれは個人に落とし込む事もできて、結婚できそうに無い俺は死ぬ時1人なのかもしれないとか、出演者の年齢を考えると相棒はあと数年で終わるかもしれないとか想像するのも恐ろしい。

だからこそ、これを「眠る爆弾」で終わらせず公衆の面前に晒して事実として声を上げる重要性が出てくる。
人間は誰しも都合の悪い事を後回しにして逃げてしまいたくなる生き物で、俺も結婚する為にファッションに気を使うとか爆弾を解除する方法だって多分ある。
今回森原さんは手段も間違えたが右京風に言えば正しい解決策も必ずあるはず…
という訳で27歳になりましたので婚活をそろそろちゃんと頑張ります。
勿論摩耗し過ぎない範囲でね。

【雑感&小ネタ】

•事件が起きる事に定評のある城南大学
•警備員がテニス部女子の脚を見てるようにしか思えない
•警備員ワンチャン死んでたやろ
•中園参事官有能
•三沢教授はアギトの北条さん
•伊丹「バ亀!」「甲羅に閉まっとけ!」
•出雲が伊丹の扱いを心得てきた
•運転といえば亀山君(上手いらしい
•亀山君は警察手帳無いから右京さんを利用してるのね
•亀山と伊丹のイチャイチャ尊い
•挨拶する平山君礼儀正しくて好き
•森原さんのノースリーブ白ニットエロすぎる
•このメガネ肥満坊主隣の子を好いてそう
•平山君何のバイトしてたんや…
•三沢さんの奥さんにメールしようよ
•取調べに普通に参加しようとする嘱託職員亀山薫
•死にかけた被害者に病院で説教する右京さん
•一途さの余り歯止めが効かなくなるのは歴代特命係全員です

【次回】

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