相棒S19 第13話「死神はまだか」感想

やっぱり輿水脚本の自由度は高いなと再確認。
“超・新生”での半沢ネタや今回の右京の夢スタートみたいな他の脚本家が「右京さんはこんな事をしないだろうな〜」や「『相棒』でこんな事はできるけどこんな事はできない」みたいな一線を平気で越えてくるのが魅力。
凝り固まったテイストをぶち壊してくれる快感は強い。

【感想】
「そりゃ非現実的でしょ(笑)」という思いはありつつもネタ回に現実性を求めるのがナンセンスなのでそこはスルーの方向。
だって死神を利用した殺しだったのに皆で抑えて毒を注入とかトリックも無いし、話の筋としても中盤に「組織犯罪」って事もバレてしまってたのでそんな部分にツッコミを入れるのはまさしく野暮天。

今回の考察ポイントは「弟子達は殺意で師匠を殺したのか?それとも師匠を守る為に尊厳死させたのか?」って部分。
路里多→度重なるセクハラ
駄々々團→セクハラ対策を進言した事による破門
怪路→TV番組出演への嫌味
こんな形で動機と言えるものはあったが3名からも呆れや不愉快な表情は見て取れても殺意に繋がる演出や仕草は見受けられなかった。
大体が「また師匠がやってるよ〜」みたいなノリに近い。
なので実際に人間面の評価はともかく落語に対する新オチを考えたりネットに関しての知見など師匠たる能力や先見の目は確かにあって尊敬される理由もあった。(そこに関しての描写不足は感じるかもだけど
何よりも「アイツを殺さなきゃいけない!」っていう燃え上がるような殺意が出たシーンは1度足りとも無かった。
小ん路の台詞にしても
「晩節を汚す前に召されて頂くのは師匠のため」
というエゴ丸出しだけど師匠を思ってこその殺人、善意で行われている殺人という事にもなる。
なので最後に右京が言ったように「師匠に対する愛情を疑っていない」という台詞にも説得力が生まれてくる。
実際にあんな現代的不祥事を起こす師匠を見ていられなくなって尊厳を守る為に殺すって考えも分からなく無い。
だって弟子達は師匠の人柄が好きなのではなく能力を愛している訳だからね。
まぁ結局は右京の妄想の域を出ないので結論が出ないんですけどね。

【小ネタ&雑感】
・「だだんだだん五月蝿いよ!」に笑う
・死神で寝落ちにも笑う
・出雲の女性観点での捉え方は今までの「相棒」に無いので新鮮
・路里多のピッチリセーターはエロい(最低
・フォトスが作中健在なのは良き
・新生刑事部長にまだ慣れない(でも好き
・捜査一課にエンジンを吹かせる話
・杉下右京にトイレを貸すのはNG

【次回】
コテマリさん54歳くらいと判明!
前任者達との棲み分けという意味でも年齢不詳で芸者以外の過去も不明っていうミステリアス要素を魅力的に思っていたのでこんな序盤で開示されるっていうのは方向性として残念。
というかコテマリさん元日SPから間が開かずに事件事件って悲運過ぎませんかね…
山本脚本なのでオチの秀逸さや人情部分に期待です。

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