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相棒3 第4話「女優(前編)」感想

長かった「双頭の悪魔」編の次に前後編をやる濃密さ。
良い意味で全然箸を休めさせてくれなくて好き。

そんな今回は『古畑任三郎』感が強い
犯人が最初から分かってる中で、そのトリックを杉下右京が後追いで解き明かしていく構造。
また羽田美智子さんの意味深な雰囲気も『古畑任三郎』感を後押ししている。

もちろん杉下右京の免職という縦軸や動機の部分に焦点も置かれているなどしっかり『相棒』の色も残している。

芹沢の表情が笑える

【あらすじ】

主席監察官の木佐貫ににらまれ、右京が免職に。
そのころ、亀山が勤める麹町東署の管内で、脚本家の古谷が強盗に射殺される事件が発生。
特命係の活躍を知る海音寺は右京を引き入れ、捜査に当たらせる。
強盗の手口に疑問を感じる右京は、亀山とともに、古谷の内縁の妻で女優の夕月に事情聴取を行なう。

脚本:輿水泰弘
監督:和泉聖治

【ゲスト】

小峰夕月(演:羽田美智子さん)

今回の犯人①
夫を殺した犯人でありながら悲しみに暮れる悲劇の未亡人を装う女優。
羽田さんは『おかしな刑事』や『特捜9』など刑事ドラマの常連でもある。

松永慎二郎(演:岡田浩暉さん)

今回の犯人②
夕月と共に古谷を殺害したマネージャー。
多分今回の古畑感が強いのは岡田さんの髪型も影響していると思う。

古谷彦六(演:深水三章さん)

今回の被害者
優れた文筆家として活躍中だったが夕月と松永に銃殺された。
深水さんは2017年年末に鬼籍に入られている。
合掌。

【感想】

《泥棒と強盗》

[杉下右京]
強盗ならばしそうな事をしないで
泥棒ならばしそうにない事をしている
逆に強盗ならばしそうにない事をして
泥棒ならばしそうな事をしていない

相棒3「女優」より

女優の夕月とマネージャーである松永が、夕月の内縁の夫かつ小説家の古谷を強盗に見せかけて銃殺する。

先述した通り、『古畑任三郎』形式で初っ端から犯人や殺害方法も判明している。
面白いのは右京の言う通り、泥棒と強盗の違い
泥棒ならば夕月を人質に取らず1階を物色して、見つかったら逃げるなり拳銃で脅し拘束するはず。
強盗ならば古谷を殺してもそのまま家に残り金品を探し続けるはず。
泥棒としても強盗しても初心者だったのなら、逃走だって上手くいかないって話。
この思考ゲームみたいな推理ロジックはかなり好み。

そこをキッカケに疑惑の目が向けられた夕月の次の一手は、松永との婚約発表。
ロジックでは無く人情的に
「自分から疑惑を掛けられにいく犯人はいないはず」という疑り深い杉下右京だからこそ引っかかる手法。
まぁ夕月からしたらそれは詭弁で、松永と早く結婚したかったという私情の方が強そうではあるが…。

しかしながら、仕事を続けたり、結婚報告といい、状況証拠が黒確定になってしまう古谷メモの隠し方など、夕月に自滅願望があるようにも思えてしまう。
愛する人と最高潮の気持ちの時に終わりたい、一瞬のスリルで激しく燃えて消え去りたい…未来を捨てている節がある。
しかし松永は夕月との未来を考えているから、その辺がすれ違ってそうな印象すらある。
後編でその辺の掘り下げがあると嬉しい。

実際に夕月の動機を考えると自滅願望はあらような気がするんだよなぁ。(覚えてる

《特命係を動かすのは…》

[海音寺菊生]
杉下右京はかなり難しい男と言われております
しかしその男をある意味コントロールできる人間が1人いるんです
それが…亀山薫です
亀山を動かして杉下右京をウチに引き入れて、警視庁の特命係に勝るとも劣らない機能を、私は持ちたいと…こう考えている訳でございます

相棒3「女優」より

海音寺がメッチャ良い

杉下右京が正式に免職(クビ)にされたのを、まさかの麹町東署の再雇用でカムバック!
右京がクビにされたのはS5「サザンカの咲く頃」だと思っていたので、自分の記憶力の低さに愕然したが、逆に新鮮味や驚きがあったのでセーフ。

[小野田公顕]
特命係は杉下が動かしているとばかり思ってました
しかし、実は君の旦那様だったんだね
亀山薫君…

相棒5「裏切者」より

海音寺の何が凄いかって噂で知らないにも関わらず杉下右京をコントロールできるのは亀山薫しかおらず、それを利用できると画策までしていた事。
朱雀の事件で組織的に勝手をする亀山も黙認していたのも伏線として機能してるしね。

現時点で亀山の価値に気付いているのは、たまきさんと大河内の2名で、小野田ですら亀山は"右京と仲の良い貴重な人"程度の認識しか持っていない。
過去の事件資料を読んでる事も踏まえると、海音寺さん特命係のガチオタ感がある。

まだ分からないが事件に右京を絡ませた功績を考えると、MVP最有力候補。

【小ネタ&雑感】

官房長の回転寿司芸大好き

•美和子の枕を抱いて眠り美和子を着拒しない亀山
警察庁の監察官木佐貫
•実際右京についての資料を普通に完全OUTだからな
•転職先決まってない退職はキツい(実感
•古谷邸って「同時多発誘拐」でも使われた気がする
•女優というには小芝居が過ぎるが小芝居も芝居のうちかもしれない
•亀山が掛け合ってくれて嬉しそうな右京
•優秀だけど従順さは無い杉下右京
•そんな小野田みたいな管理職がポンポン異動して良いのか
•伊丹「所轄の亀山ァ」
•右京の送別会には参加する伊丹達嫌味っぽいけどマジで来てくれそうなんだよな
•美和子が酔ってる厚顔無恥過ぎてウザい
•ロンドンに右京の恩師がいる!?
•米沢さん何で右京と一緒なんだよ笑
•図書館で殺人再現ごっこするな笑
•羽田美智子作品で羽田美智子が言いそうな台詞を言う羽田美智子
•松永が過保護すぎる件
•壁紙じゃ無くてメモ帳持ってトイレに入れ
•米沢「最新の壁紙を細心の注意を払って…」
•亀山君も紙切れ1枚で束縛されるのが嫌だから結婚しなかった…のか?
•こんなプロデューサー巻きするプロデューサーって現実にいたんかね
•〆切を守る作家は偉い
•トイレメモの隠し方が雑過ぎるだろ
•毎回上から貼り付けるんだと思い出しにくいだろ

【次回】

相棒season3 第5話「女優(後編)」感想

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