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第6話 浮遊する言葉の尾を追いかけていた。聞こえない音に耳を澄ませるように意識を凝らすと、かけっぱなしで忘れていたBGMが、まるで小さな羽虫のように僕の耳の周りでぶんぶん飛び回り始めた。慌ててリモコンをつかみ、スピーカーをオフにする。 姿を捉えかけていたはずの言葉は再び遠くまで飛び去ってしまった。僕はもう一度、さっき辿った道順を思い出しながら、同じようにアプローチする。 片方の手で顔を半分覆った。集中したい時はいつもこうする。目を瞑ってしまうと、眼裏に小さな