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第2話 年末から正月にかけて帰省した。実家までは車でほんの一時間ほどの距離で、両親とも健在だ。 親孝行のためと思って二泊したが、退屈すぎて三日目の午前には自分のマンションへ戻った。 エントランスのポストを開けると、輪ゴムにくくられた年賀状の束があった。 『あけましておめでとうございます』 エレベーターのボタンを押し、武とさくらと操の親子写真に目をやる。 『クリスマスパーティーでは本とおもちゃをありがとう。操はすごく気に入って毎日読んでいます』 さくらの