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【短編小説】コトノハのこと(全15話)+あとがき

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「あなたが一日でしゃべった回数、たったの五回」呆れる妻に指摘されてから、本当に一日五回しか話せなくなった!? 昭和気質の無口なおじいさんは、孫を救うことができるのか!?
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【小説】コトノハのこと 第9話

   第9話  次の日の昼、私は図書館に隣接する広場のベンチに座っていた。平日だからか、それとも寒いせいか、子供の恰好の遊び場である広い敷地には誰の姿もない。  妻は今朝になっても機嫌が戻っていない様子だった。こちらから「おはよう」と声をかけてみたが返事はなく、食事の間もずっと黙っている。  食べ終えると、私は「出かけてくる」と言い置いて家を出た。図書館は歩いて十分ほどの場所にある。  ここで夕方まで過ごせば、不必要な会話は避けられるし、妻の機嫌を損ねることもない。無