【短編小説】ニシヘヒガシヘ~夜行バスに乗って~第4話
第4話
02:00 △△サービスエリア(休憩20分)
「△△サービスエリアに到着です」
エンジンの音が止まった。運転手の声が合図のように、静かだったバスの中に、たった今、目を覚ました人たちの気配が広がる。
ちっとも眠れなかった。昨夜もまんじりともせず布団の中で寝返りを打ち続けているうちに朝を迎えて、それなのにいつも通りに仕事もしてきたのに。
「こちらでは予定よりも長めの30分休憩になります。2時までにお戻りください」
道路は空いていて、予定よりもずいぶん