アルコール中毒とアルコール依存症の違い

アル中=アルコール依存症、と考えてる方が多いみたいなので、違いを少し説明したいと思います。

まず、アルコール中毒には、急性アルコール中毒と慢性アルコール中毒の2種類があります。
急性アルコール中毒は、短時間で大量のお酒を飲む(イッキ飲み等)で酩酊状態になり、命を落とす可能性もある危ない状態のことを指します。
慢性アルコール中毒は、長期に渡ってのアルコールの摂取により、手が震えたり、内臓等の疾患をかかえたりと、こちらも命を落とす可能性もある危ない状態のことを指します。

アルコール依存症の定義は、「アルコールに対して飲む量や頻度を自分でコントロールできなくなった」ことを指します。
なので、先に出した「慢性アルコール中毒」は、アルコール依存症と密接な関係にあります。いわば、前段階と言っても過言ではありません。

前回の記事(https://note.mu/ai_yokoki0730/n/nd7808aed3626) でも触れた、「禁断症状」が、慢性アルコール中毒にまでなると出てきます。手が震えたり、発汗したり……のあの状態です。そうすると、それを抑えたくてまたお酒を飲む。アルコールへのコントロールがきかなくなる。そうして、アルコール依存症と診断されるまでになってしまうのです。
(※参考:https://www.pref.chiba.lg.jp/kenshidou/faq/390.html)

アルコール依存症になると、治療のひとつに勿論ですが「断酒」が入ります。断酒とは言うまでもなく、アルコールを一切口に入れないことです。なので、洋菓子等も注意が必要です。ティラミスなんて以ての外です。何が飲酒の「引き金」になるかわかりません。「引き金」に出会ってしまったら、スリップ(断酒中なのにお酒を飲んでしまうこと)に繋がります。断酒カウンター、ゼロになる恐怖の瞬間です。

では、「引き金」とは何か。「飲みたくなるキッカケ、環境、思い出」等のことを言います。これは人それぞれ違いますが、まずは「お酒」そのものが一番危ないです。お酒のCMを見て、ついそこのコンビニで買ってしまったり。友達と居酒屋でご飯だけ食べるつもりが、相手がビールを美味しそうに飲むのでつい、とか。対処方法としては、まずは「お酒のあるところに近づかない」、これしかありません。それには、自分が「アルコール依存症である」という自覚がないとできない事です。なので、アルコール依存症の治療の第一歩は、「自分がアルコール依存症と認める」なのです。

他にも「引き金」が多く存在するのは、年末年始、年末年始から2週間後くらい(年末年始で切り抜けて、気が抜けて飲んじゃう)、花見、お祭、お盆、親戚の集まり、冠婚葬祭なんかがよく挙げられます。
自分が厄介だな、と思ったのは冠婚葬祭でした。以前はカパカパお酒を飲んでたのに、ちょっとドクターストップで~とか説明するのがとても面倒くさいのです。「アルコール依存症なんで……」って言ってもいいんじゃないかな、と思っていましたが、山口達也さんの件で、余りにも認知と理解がないことを知り、家族のためにも誤魔化すしかありませんでした。

我々アルコール依存症患者は、弱者で、意志薄弱で、迫害の対象。そう思われても仕方の無いことをしてきたことは事実ですが、意思で止められたら専門の病院なんて出来ません。これが、今の日本の現状です。

焼け石に水かもしれませんが、私が少しずつこうやって「書く」ことで、せめて認知が広がれば、と思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?