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【武藏野MTG會】第2回開催レポ&決勝カバレージ ~附「無盡杯」縁起〜【レガシー】

2月18日(土)、埼玉県朝霞市の産業文化センターにて、第2回武藏野MTG會を開催しました。
レガシー3回戦(+決勝)をメインイベントに、その後はフリプやトレードなどを通じて、レガシーおじ民同士交友を深めました。(いつもの

無事に第2回を終えられたことに安堵しつつ、今回も記録としてレポを残したいと思います。

また、今回は試験的に決勝をカバレージにしてみました。
とはいえ、主催者はカバレージを書くのは初めてのド素人ですので、どうか温かい目で見てくださると幸甚です。

1.前日譚

記念すべき第1回が盛況のうちに終わったのが、昨年末のこと。

第2回の今回は、前回の18人を上回る、22人もの方にご参加いただけました。
まずは主催者として心から感謝。

また、多くの方が第1回からリピートしてくださり、そこに新たな参加者さんが加わってくださいました。
会としての体を成すためにも、リピートは大変嬉しく、また、リピートしたくなる会にしていかなければと気が引き締まる思いです。

と同時に、既に手狭になりつつある会場は要再検討。
当会は新規の方も大歓迎で、復帰したけど店舗イベントは敷居が高い…等の方が慣れるために来ていただくのももちろんOK。
それも強くなるための真剣な練習ですから。
一緒に死に覚えしましょう。

……

話は僕の脳内へ。
第1回を終えてから、僕の頭の中をずっと巡っていたのはこんな考えだ。

――「レガシー大会」などと言っても所詮は非公式であり、僕みたいな試行回数厨ならともかく、皆さんは楽しんでくれていたのだろうか。

「楽しく、真剣に」などと高尚な旗を振りかざしても、その先に何があるというのだろうか。

ましてや賞品や賞金が出るわけでもあるまいし――

手探りの見切り発車で始めた会だけに、グレードアップできそうなところは山ほどありました。
そこで、ひとまず、
「主催者が楽しんでいることが、楽しい会の鉄則である」
これを正として、演繹的に考えることにしました。

僕が参加者だったら嬉しいことをしよう。

彼らの一番大事なものは金でも女でもない。名誉だって。

せめて当会での勝利が名誉となってほしい。
死に覚えと同じかそれ以上に、勝って手に入れる自信も尊いものだ。
だからこそ、この生まれたての大会に権威づけができたら。

かくして、第2回からメインイベントの「レガシー大会」は「無盡杯(むじんはい)」を冠することとなったのでした。

(名称案の中には「虚空杯」というものがあったが、既に別界隈に取られてしまっていた上、一部参加者たちから非難轟々となりかねないので泣く泣くボツとした。その後、「無盡杯」となるまでの経緯は本稿5章に。)

2.メイン大会「無盡杯」

レガシーおじ、総勢22人。圧巻である。

当日は暖房要らずのレガシー日和

日常という名の戦いの合間にも、またレガシーという名の戦い〔ルビ:やすらい〕を求める。
狂戦士たちだ。最高だ。

まずは主催が挨拶を申し上げるとともに、独断で命名した「無盡杯」を紹介したところ、ナニソレ?感でダダ滑り。見てろよ、びっくりさせてやるからな。
そそくさと1回戦のペアリングと開始を告げた。

2か月ぶり2度目。
会場に響く「よろしくお願いしまーす」。
鬨の声。

①スイス1回戦俯瞰

前回、URデルバーを駆って初代チャンプとなったタビ丸氏。
今回はスニークショーを駆って連覇を目論む。
カードパワーの申し子の狙いは無論、《偉大なる統一者、アトラクサ》の着地であった。

時価8000円(トリム平均)

対する初参加のポッキーさんは、メイン《濁浪の執政》採用のドゥームズデイアグロ。
速さと太さの融合。この変幻自在のプランニングを前に、ただ一人だけ目指すことが許された連覇の夢は露と消えた。

お次は前回準優勝のれべっかさん。
こちらは今回も緑軸の12postである。

しかし、初戦から前回も敗れたURデルバー(by とってもグーさん)を踏み、早くも土。
12postはマナを伸ばしてから後半にエンジンがかかるデッキだけに、テンポ+《不毛の大地》の組み合わせは今回も鬼門だったようだ。

1回戦から前回ワンツーが躓く波乱の幕開け。
どうなる無盡杯!

②スイス2回戦俯瞰

その名の聞こゆる処、女魔術師在り。
初参加のエンチャントレスマスター・moroさんに対するは、愛機の土地単を封印して新デッキを持ち込んだmasaさん。

masaさん側から覗いてみると、盤面には《敬慕される腐敗僧》と《召喚の契約》が。
そして手札には《激励》(←わかる)、《狩りの報奨》(←ギリわかる)、《花粉療法》(←わからない)。

懐かしすぎるPLSコモンピッチ。

そう、これはピッチスペルをふんだんに用いた、オリジナル〈ピッチ毒殺〉デッキである。(展開が主人公

毒牙と結界の一騎打ち。
一本取り合って迎えた最終戦は、マスターの手から零れ落ちた《Helm of Obedience》が、腐敗僧を《安らかなる眠り》に誘った。

一方、前回のワンツーであるタビ丸さんとれべっかさんは下位卓で楽しそう。

思うに、2人とも前回の結果にも満足せず、新カードを入れていく勇気。
そして、それを勇気とも思わぬ無邪気さ。
これもまた楽しいマジック・真剣なマジックではなかろうか。

③スイス3回戦俯瞰

2-0同士の1番卓。手前味噌ですが主催の私です。(照
対面には、hanaさん。

Game1:被素直コンボ
Game2:被土地ハメ

土地を壊す奴とかろくな死に方しないぜ。(どの口が言う
内容は私の個人的なレポを兼ねて後述するとして(大した見せ場も作れなかっただけ)、真っ先にhanaさんが決勝に駒を進めた。

それに続くように、2番卓でもNanase7vさんが3-0を決め、決勝の相手に名乗りを上げる。

さらに他の卓に目を転じると、ラーメン王さんが自慢のヨ―リオンミラクルを駆って、URデルバーを転がす。

イニシアチブ環境でコントロールは厳しい、とは本人の談だが、デルバー相手となれば話は別。
制限時間ギリギリまで間延びしたゲームは、むしろデルバーを得意のゲームレンジから逸脱させ、コントロールし切ったことの証左といえよう。

(※僕も参加者のひとりであるため、全ての卓の熱戦をお伝えできず申し訳ない!)

④決勝戦カバレージ

(本章は敬称略にて)

敗れ去った者たちは、思い思いに時間を過ごしている。
統率者戦に興じる者、レガシーを遊び足りない者。
トレードに興じる者、昔語りに花を咲かせる者。

そんな自由な会場の片隅にて、いま、最後の戦いの火蓋が切って落とされようとしている。

決勝の顔合わせは、第1回大会から連続参加となるhanaNanase7v
しかも、いずれも第1回と同じアーキタイプを握っての参戦である。

この会で戦うことで、新たな気付きを得、強くなって帰ってくる。
それを体現するようにスイス3-0を達成してくれた両者に、まずは主催として心から礼を述べたい。

特に、この日のhanaはスイス無敗。
まさに無双状態である。

その手中に収まるのは「赤黒ゴブリン」。
レガシーを代表する部族デッキのひとつであり、古えからのコントロールデッキである。
しかし、近年のゴブリンには新たな〈飛び道具〉が加わったことを知る者も少なくないだろう。

一方、勢いに待ったをかけたいのはNanase7v。
手繰るは愛機の「青黒シャドウ」。

ショックランドやピッチスペルで自傷しつつ、テンポよく高打点をねじ込む。
繊細かつ大胆な異端のクロックパーミッションである。

2人が対座する1番卓に少しずつギャラリーも集まり、緊張感とともに包み込む。
一瞬、会場の声が遠のく気がした。

Game1

決勝は、Nanase7vの先攻で幕が開いた。
美麗なギャラクシーFoil《島》から、《思案》で手札を整えていく。
その正体はまだ明かさない。

一方のhanaは、早速斥候を送り込む。
《山》から呼び出されるは《ゴブリンの従僕》。
紛うことなきゴブリンデッキの最高のスタート。

赤い《実物提示教育》

後続を直接戦場に呼び出すこのゴブリンは、青いデッキの天敵。
已むを得ず、《悪意の大梟》をコストに《Force of Will》が切られた。

2ターン目、Nanase7vは《Underground Sea》から《悪意の大梟》を召喚。
アドバンテージ獲得手段に乏しいデッキにあって、数少ないその手段を展開し、前ターンの応酬で失ったハンドの回復を図る。

対するhanaは、更なる青殺し《霊気の薬瓶》をキャストし、これが着地する。

セットランドとアタックのみで返したNanase7vに対し、hanaは《リシャーダの港》をプレイ。

うらぶれた港が対戦相手を狭い小路へ誘う、古き良きコントロールムーブが見られるかと思いきや、続けざまに3マナから唱えられたのは今やあらゆるフォーマットを席巻する《鏡割りの寓話》!

説明不要のカードパワー!

これにはNanase7vもすかさず《渦まく知識》。

それも当然である。
1枚で2枚+αを容易に齎すこの英雄譚を通してしまえば、たちまちアドバンテージの差は覆しがたくなるのだから。

しかし、〈知識〉の中には解決策はなかったか、これが着地した。

Nanase7vはフェッチランドでデッキトップをリフレッシュしつつターンを得ると、《秘密を掘り下げる者》を引き込み戦場へ駆り出す。

アドバンテージで勝負できないのであれば、テンポで勝負するしかない。
その策の完遂のためには、最高のクリーチャーといっていいだろう。

ターンをもらったhanaは、《霊気の薬瓶》のカウンターを2とし、ドロー後、さらに《鏡割りの寓話》の2章へ。
もはや不要となっていた2枚の土地がリフレッシュされた。
赤いデッキとは到底思えないコントロールムーブである。

戦闘フェイズに入り、ゴブリントークンが宝物トークンを生成しつつ大梟と相討つ。
《鏡割りの寓話》1枚がこの時点で(盤面上だけでも)3枚分となっている。

さらにhanaの手は止まらず、第2メインに《人目を引く詮索者》をキャスト。
これが通って公開されたデッキトップは《飛び道具の達人》。
デッキトップからは《霊気の薬瓶》でこそ出せないものの、これまたアドバンテージを稼ぐゴブリンの予約が入った。

こいつがいると…

ここで、Nanase7vは《人目を引く詮索者》を対象に《殺し》。
精力的にレガシーに打ち込むこの乗り手は、当然ゴブリンデッキに仕込まれた本当の〈飛び道具〉に気づいている。

一方のhanaも《霊気の薬瓶》を経由し、手札から《飛び道具の達人》Bを送り込む。

虎の子の《秘密を掘り下げる者》が退場し、Nanase7vに残された手札は1枚。
さらに、アップキープには《リシャーダの港》に《Underground Sea》を締め上げられる。

小考ののち、トップから引き込んだ《不毛の大地》で《Badlands》を潰した上で、最後の札であった《思考囲い》をキャスト。
《投石攻撃の副官》と《パシャリク・モンス》が公開され、前者を切った。

ターンを受け取ったhanaは、《飛び道具の達人》Aをドローしつつ、《鏡割りの寓話》が《キキジキの鏡像》として舞い戻る。
攻撃によってNanase7vのライフは6。
ターンを終え、さらに相手のアップキープに《リシャーダの港》を起動。

Nanase7vはドローが芳しくないのか、そのままパス。
遠慮を知らない《霊気の薬瓶》から《パシャリク・モンス》が躍り出る。
さらに自らのターンに入って《霊気の薬瓶》から《ゴブリンの女看守》を繰り出し、《ゴブリンの損壊名手》というバックアップまで用意。

Nanase7vに残されたライフは1。
最後のドローをちらとめくると、そのままそれを手札に加えることなくトップに戻し、投了の意を伝えた。

hana 1-0 Nanase7v

Game2

後がなくなった先攻のNanase7vだが、痛恨のダブルマリガン。
前述のとおり、青黒シャドウはアドバンテージ獲得手段に乏しい典型的なテンポデッキであり、この2枚分は余りにも大きくのしかかる。

逡巡ののち意を決すると、フェッチランドから《島》をサーチし《思案》で手札を整える。
シャッフルなしで1枚ドローし、パスターン。

一方のhanaは意気揚々、《魂の洞窟》から再びの《ゴブリンの従僕》。
青いデッキが思わず悲鳴を上げたくなる最高の立ち上がりを見せる。

ターンをもらったNanase7vは、《Underground Sea》セットから間髪入れずに《殺し》。
それほどまでに、《ゴブリンの従僕》は生き残ることが許されない存在なのだ。

しかし、デッキの命題であるテンポを刻むための肝心のアタッカーが現れない。

そして、テンポデッキに速さの圧がないとなれば、ゴブリン側はプランニングしやすくなる。
hanaは《リシャーダの港》をセットしつつ、《霊気の薬瓶》を贅沢に2つ並べ、来たるべき時への下準備を始める。

3ターン目、Nanase7vは《思案》で見えていたデッキトップの《Underground Sea》をセットするのみ。
対するhanaは《霊気の薬瓶》のカウンターを増やし、相手のアップキープに《リシャーダの港》を起動。

盤面上は、一見何も起こっていないようにも感じられる1ターンの往復。
しかし、確実に秤は傾いていく。

決してただの1ターンではない。

4ターン目、Nanase7vはここでもドローゴー。
hanaの《霊気の薬瓶》のカウンターがともに2となり、前のターンよろしく《リシャーダの港》が捻られる。

5ターン目、ここでNanase7vは《湿った墓》をショックインしてパスターン。
何かを構えてのことか。それとも。

対するhanaは《霊気の薬瓶》のカウンターをともに3にするが、ここでのドローはタイミング悪く《飛び道具の達人》。
土地がない故か、相手の動きへの警戒か、動きなくターンを終えようとする。

意外にもNanase7vはこのエンド時も動かず、そのままターンを受け取った。
6ターン目、《リシャーダの港》による妨害は続くが、自由に使える3マナが確保され、その支配は着実に弱まってきている。
それでもNanase7vは動かない。

淡々と進むターン。
小春日和の中に、沈黙は深まるばかり。

hanaは《霊気の薬瓶》のカウンターをともに4とする。
が、ここでのドローは《鏡割りの寓話》。
1ゲーム目に猛威を振るった英雄譚も、赤マナが出ないこの状況では死に札。

ここでhanaは《リシャーダの港》の期限切れを悟ったか、3枚目の《霊気の薬瓶》を展開する。
時計の針が、僅かに、俄かに、動き始める。

対するNanase7vもここでようやく動いた。
《些細な盗み》でカウンターが4つ貯まった《霊気の薬瓶》を1つ手札に戻そうと試みる。

それに対しhanaは、《投石攻撃の副官》を戦場へ送り込む。
ETB能力で部下を2体も連れてくる黒い上官は、言うまでもなく青黒シャドウにとっては苦しいアドバンテージカード。

ブラック上司と社畜部下。

ゆえに、Nanase7vはここでETB能力に《もみ消し》。
被害を最小限に抑えようと試みる。

この一連の応酬が終わり、ターンを受け取ったNanase7vだが、再三再四のドローゴー。

そのエンド時、今度はhanaから仕掛ける。
もうひとつの《霊気の薬瓶》から送り出したのは《投石攻撃の副官》B。

苦しい動きであることを承知の上で、Nanase7vも再びこのETB能力を《もみ消し》。
一度踏み出した道は容易には引き返せない。

hanaはターンを受け取ると、《霊気の薬瓶》のカウンターをそれぞれ1と5として、さらにサイドインした《虚空の杯》をX=1でキャスト。
かなりの枚数が1マナ域に固まるシャドウデッキに於いてはきつい一手だが、応酬で疲弊した手札ではこれを通すことしかできない。

このターンエンド時に《厚かましい借り手》が着地し、ようやくクロックが登場。
実に7ターン目の出来事である。

そのまま《厚かましい借り手》が殴り始めたものの、今度はカウンターが5つ乗った《霊気の薬瓶》が傾き、《鏡割りのキキジキ》本尊が登場。
すぐさま、あれほどNanase7vが嫌がっていた《投石攻撃の副官》を手鏡に映し出し、面による展開を進める。

続くhanaのターン、上司と部下による共同攻撃のあと、カウンターが6つとなった《霊気の薬瓶》が傾き、ついに《上流階級のゴブリン、マクサス》が登場する。

赤いアトラクサ?

軽快にデッキトップが捲られていく。
《虚空の杯》《山》《山》――……

……――《ゴブリンの女看守》《ボガートの先触れ》《霊気の薬瓶》

たった2枚。
しかし、十分すぎる2枚だった。

無限ルートに入るまでもなく、頭数を増やしたゴブリンたちが1人ずつ砲台に担ぎ込まれていく。

最期は自らも弾となり、ようやく投石攻撃が止む。
それはhanaの勝利を告げるべく訪れた静寂でもあった。

hana 2-0 Nanase7v



第2回「無盡杯」優勝は、hanaの「赤黒ゴブリン」。
既に素晴らしい優勝レポを投稿してくれているため、詳細はそちらに譲ることとしたい。
見事、地元の星が第2回チャンプに輝いた。
優勝おめでとう!

準優勝は、Nanase7vの「青黒シャドウ」。
昨年から本腰を入れてシャドウを調整しており、最適化はいよいよ目前か。
次回の頂点獲りに期待。
氏のレポ及び調整録も必見。

3.中締め~その後

決勝戦が終わり、結果発表を兼ねた参加賞分配へ。
優勝者を紹介しつつ、「使用デッキ、赤黒ゴブリン」のコールに感嘆とどよめきが起こる。
そのスタック、主催者が動いた。

徐にバッグから公開されたのは、輝かしい優勝杯――「無盡杯」であった。
杯の耳には、前回優勝者タビ丸氏のペナントが掛かる。
そこにこの日、新たな優勝者の記念が並べられることとなった。
さらにこの先もきっと、ずっと。

正直なところ、この優勝杯は主催がノリで作ってしまっただけに引かれないか心配でしたが、大人になると優勝杯を受け取る機会など少なくなるし、概ね好評ではあったようです。(希望的観測
形からではあるものの、こうした権威づけによって参加者のモチベーションが高められ、会そのものも有意義なものになっていけばいいなと思っております。

閑話休題。
以下、第2回無盡杯メタゲームブレイクダウン(順位順)です。

RBゴブリン🥇
UBシャドウ🥈
ドゥームズデイアグロ🥉
白$t4Ks
ヨーリオンミラクル
ANT
スニークショー
4cコントロール
UBテゼレッター
URデルバー
BUGアルーレン
RUBデルバー
白イニシアチブ
ジェスカイミラクル
ピッチ毒殺
GWエンチャントレス
プロバント
12post
オムニテル
エスパーコントロール
UBリアニメイト
バーン

Tier上位デッキがきちんといて、それらを食おうと続くデッキがいて。
オリジナルデッキがいて、古来からのデッキがいて。
これぞレガシー。

なお、今回もご寄付いただいた参加賞は豪華で、目玉はTOYGERのデッキケース。
感謝。っていうかいいんですか。(汗

持ち物は健康な体とデッキだけで十分よ!
一番左に立ってるお饅頭めっちゃおいしかった。これ買ってきてくれた人に個人的MVPを授けたい。

ちなみに4位で参加賞を選んだ僕は、ラーメン王さんの圧に負けて、ONEセトブを選んで小当たりでした。

自宅で余っているサプライだったり、自分が他の方に薦めたい物だったり、それらが望まれる場所へ行くというのはいいことですね。
当方、サスティナブル社会の実現にも寄与している優良団体です。(違う

中締め後は、まずはEDH卓が2つ立ち、大盛り上がりのご様子。
その横では、いくつかのレガシーフリプも始まっていった。
前回の第1回は初対面のプレイヤーも多く、強制マッチングの8構を立てたが、顔見知りが増えたせいもあってか、今回は自然とフリプが始まるところも見られた。喜ばしい限りです。

さらに忘れてはならないのがトレード卓。
今回は、前回を遥かに上回るレートの弾がバンバン飛び交っていた。

僕も使っていないカードを元手に《実物提示教育》を揃えることができ、これでまた構築の幅が広がりそうな予感。
肥やしになっているカードが望まれた場所へ旅立っていくのも、これまたサスティナブルであり、忘れられがちなトレーディングカードゲームの醍醐味でしょう。

――結局、前回の反省も生かされぬまま、狂戦士たちの宴は会場使用可能ぎりぎりの21時まで続いた。

その後、僕は西武池袋線組と帰宅の途につき、ファミレスでささやかな打ち上げ。
時勢の変化に伴って、夏には納涼祭、冬には忘年会、春には花見酒、秋には月見酒、そんなことを夢想する主催者なのでした。

4.個人レポ

誰も興味はないかもしれませんが、一応僕の個人レポも書いておきますね。

Round1 
対バーン 先攻 oo

Game1
《虚空の杯》X=1。《三なる宝球》。《煙突》。

Game2
《虚空の杯》X=1。《選定された平和の番人》×2。

いや、違うんだ!
上のような書き方すると語弊しかないんだけど、実際は残ライフ2→残ライフ1という大熱戦だったんですよ!
メイン《発展の代価》は犯罪じゃて!

昨今のバーンは《虚空の杯》だけでは容易に止まってくれないので、最後までヒヤヒヤでした。
すごく面白いクリーチャーを出されたんだけど名前を忘れてしまった…

Round2
対ANT 先攻 oo

Game1
先手1ターン目、《エメリアのアルコン》着地。完。

Game2
先手1ターン目の《思考囲い》で見せたのは、
・《エメリアのアルコン》A
・《エメリアのアルコン》B
・《大いなる創造者、カーン》
・白が出ない土地4枚(ソルランド2枚含む)

ここでカーンが落とされたため、ハンデスはもうないと踏んでプランニング。
無事《Karakas》を引いて白マナを確保し、《エメリアのアルコン》A→《エメリアのアルコン》B→《突然の衰微》で1体撃ち落され→もういっちょトップから《エメリアのアルコン》C。
心を摘んで2-0。

なお、感想戦ではイニシアチブ対策でもある《激しい叱責》からのコンボルートを最後まで探しにいっていたことがわかり、生物と置物の両面で縛る必要性を再認識。
これも次回に活かしていくぞ。

Round3
赤黒ゴブリン 後攻 xx

Game1
素直に《人目を引く詮索者》→《ボガートの先触れ》と動かれて、無限トークン無限ダメージ。
《爆発域》で即触れないマナ域のパーマネントコンボは本当にきつい。

Game2
お相手の《ゴブリンの従僕》スタートに対し、已むなくソルランドセットから《精霊界との接触》で追放。
当然、返しに割られてマナスクリュー死。

除去しないという選択肢を取れないクリーチャーであり、ソルランド温存で《精霊界との接触》ブリンクで一時凌ぎというのは、土地引きに賭けるよりも更にリスクが高い。
可能性としては、こちらのキープ基準が甘かったかなあ。

こんな感じの2-1の4位でした。

安定はしていたものの、新弾も出たのに申し訳程度に《ミレックス》1枚しか新カードを試さなかったのも気が小さくて反省。
イニシアチブ環境以降ろくな成績を残せていないことからも、そろそろ根本的なリスト変更を検討しなければと思っています。

5.附「無盡杯」縁起

(本章は読まなくても全く支障ありません。文学とか好きな人向け。)

「無盡」。(※「盡」は「尽」の旧字。)
尽きることがない様。果てしない様のことである。

「武蔵野」は由緒正しき歌枕の地。

最古の歌集である『万葉集』から既に詠まれており、とにかく歴史が長い。


上代(奈良)から中古(平安)に詠まれた武蔵野が喚起させるイメージは、簡単に言えば、どこまでも果てしない〈広漠の地〉であった。

(偉そうに言っているが僕の専門は近代文学なので、古典文学はさっぱり。)

例を引くなら、これ。

『新古今和歌集』巻第三 秋歌上
左衛門督通光
武蔵野や 行けども秋の はてぞなき いかなる風か 末に吹くらむ

現代語訳:
武蔵野よ。行けども行けども草葉は色づいて秋のけしきは尽きるとも見えない。いったいどのような風が野末には吹いていることであろう。
(『新日本古典文学大系 11』より引用。太字はいずれも稿者による。)

次に「武蔵野」と言えば、浪漫主義文学の傑作として誉れ高い国木田独歩の『武蔵野』である。(ようやく私の本領

そもそもこの作品は、上述のような古来の歌枕としての武蔵野が喚起させる共通イメージを、カウンター的に捉えた点に清新さがあった。

作中で対比されるように、昔=萱原/今(明治時代)=雑木林という具合だ。

昔の武蔵野は萱原のはてなき光景をもって絶類の美を鳴らしていたようにいい伝えてあるが、今の武蔵野は林である。

国木田独歩『武蔵野』より引用。太字は稿者による。

なかば黄いろくなかば緑な林の中に歩いていると、澄みわたった大空が梢々の隙間からのぞかれて日の光は風に動く葉末葉末に砕くだけ、その美しさいいつくされず

国木田独歩『武蔵野』より引用。太字は稿者による。

古典から近代への題材の移り変わり、歌から小説への形式の移り変わり。
草原から林への自然の移り変わり、そして季節の移ろい。
これらは、移ろいやすい人の心や揺れ動く若き心のメタファーとも捉えられ、作品に重層的な奥行きを与えている――(ここまでオタク調早口

とまあ御託を並べたが、結局「武蔵野」の象徴とは〈果てしなさ〉なのではないかと考えたのです。
変わってしまうものもあるし、変わらないものもある。
今では、今でも、〈果てしない〉ベッドタウンが広がっている。


そこに、新しく生まれた当会が〈尽きることなく〉続くよう、主催としての祈りをそっと織り込みました。

で、「杯」というからには杯が必要である。

ケジメだよ。ケジメ。

というわけで、作った。(バカみたいだろ?
まだ第2回なんだぜ?

こんな世の中。何がいつ絶えてしまうかもわからない。

でも、僕はこの会が楽しく続くことを祈った。

ケジメだよ、ケジメ。


会を始めたからには、僕は僕と会に責任を持つ。
いま振り返ると、
その決意に形を与えたかっただけなのかもしれない。

6.次回予告

話は長くなりましたが、このようにして優勝杯も用意され、ますますの発展を見せている当会であります。


次回は、4月22日(土)同時刻同会場にて

会場都合により、第4土曜日となりますのでご注意ください。(早速第3土曜日のルール破って申し訳ない;

募集及び詳細の告知につきましては、4月上旬に私のTwitterアカウントでさせていただこうと思っております。
※
なお、会場定員の関係で、応募者多数の場合は募集〆切後に抽選とさせていただく可能性があります。何とぞご了承ください。

既にご参加いただいている皆さま、興味を持ってくださっている皆さま、今後とも「武藏野MTG會」及び「無盡杯」をどうぞよろしくお願いいたします。

(了)