【青春の日々】なお【桜が散るまで】

始めまして。 なおと申します。 30代に入り新しく何か始めたい衝動からNOTEを綴りだ…

【青春の日々】なお【桜が散るまで】

始めまして。 なおと申します。 30代に入り新しく何か始めたい衝動からNOTEを綴りだしました。 自分の人生は何も面白くない みんな輝いてて羨ましい あいつは私より得してる そんな想いを覆せるほど 身近な短編ストーリーを紡いでいきます。

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7月のある朝、教室に入ると、 見慣れない男の子が教壇の前に立っていた。 僕たちのクラスに編入生が来るという噂もなく、 突然現れたその少年を前に、 教室は軽いざわめきに包まれた。 「今日からこのクラスに入る天田くんです。 みんな仲良くしてくださいね」 担任の先生の言葉に続いて、 天田くんと名乗ったその子は明るい声で自己紹介を始めた。 「僕は天田翔太です。父の仕事の都合で、今日から仲間入りすることになりました。 好きなものは電車が大好きで、特に新幹線が一番好きです!」 その

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      梅雨のじめじめとした午後、 放課後の図書館はいつも通り静かだった。 新聞を読み耽る人、資料探す大学生。 高校一年生になってからというもの、 私はクラスで特に誰とも話さずに過ごしている。 地味な自分には、そのほうが気楽だったし、 無理して話すのはなんだかカッコ悪い気がしていた。 図書館は私にとって、安心できる場所だった。 そんな時、不意に声をかけられた。 「ラッキー! なぁ、現代文の範囲、教えてくれない?」 顔を上げると、 そこには同じクラスのよくおちゃらけてる大田が立

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