恐ろしい競馬認知バイアス? 私はどうして日本ダービーを的中出来なかったのか？

私は競馬を予想する上で発生する認知バイアスを総称して「競馬認知バイアス」と呼んでいます。

2020年日本ダービー
私は何故ヴェルトライゼンデを買えなかったのか？

2020年コロナ過の皐月賞はそれぞれホープフルS、朝日杯FSから直行したコントレイル、サリオスがワンツー決着し、日本ダービーはもはや3着馬探しのレースになっていたと思います。
もちろん私もそう考えて、先ずはコントレイル、サリオスのワイド1点に資金のほとんどを突っ込んで、3連複は万が一外しても元は取れるような馬券戦略を立て臨みました。
そして結果は馬券はワイドしか取れず、収支は負けずには済みましたが、まったく儲けはありませんでした。
私はナゼにコントレイル、サリオスの3着にヴェルトライゼンデを買えなかったのか、当時のことを思い出してみました。そして結論がすぐに出ました。
「コルテジアの皐月賞での走りっぷりに魅せられてしまい、競り合いに負けたヴェルトライゼンデの可能性を考えなかった。いやコルテイジアに負けた奴がダービーで好走するハズが無いと決めつけてしまった。」

2020年の皐月賞のレースビデオを閲覧できる環境にある方は、まずコルテジアの走りを確認してみて下さい。
当時の中山競馬場は直線は外しか伸びないトラックバイアスになっていて、
向こう正面では内から2頭目ぐらいを走っていたコントレイルは３コーナーから外目に出していましたし、サリオスも内寄りの進路でしたが直線に向くと素早く外目に出し、３着のガロアクリークは、終始少し外目の進路から、直線ゴール前では一番外側の進路を取っていました。
そんな状況で４角後に直線内のコース取りをしたのは4頭で内からキメラヴェリテ、ディープボンド、コルテジア、ヴェルトライゼンデの並びになっていて、ディープボンド、ヴェルトライゼンデに挟まれながらも最後に力強く伸びたのはコルテジアでした。

私はJRAレーシングビュアーの契約をしていますので、レース映像もパトロール映像も見放題なので、ついついレースを何度も見てしまうので、不利な状況下ながら頑張った競走馬を見つけてしまうことがあります。その最たる競走馬がコルテジアだったのです。
「外しか伸びないトラックバイアスで唯一内から伸びたコルテジア！もしも外に進路を取っていたら、、、掲示板はあったのでは？」となり、妄想が膨らんでいったのです。
皐月賞が終わって日本ダービーまでは6週間もありますので、私は何度も繰り返し皐月賞の映像を見ていると、「ダービーの穴はコルテジア以外あり得ない。」と確信に変わっていってしまったのです。
そして、何故かそのコルテジアに競り負けたヴェルトライゼンデがダービーで馬券圏内に来るハズが無いと思い込んでいたようです。
「自分は皐月賞の映像を何度も見てコルテジアという珠玉の穴馬を発見したんだ。コルテジアを選んだのだから、コルテジアとの競り合いに負けた馬など不用だ。」と根拠の無いロジックに陥っていたようです。
もうこれは陰謀論にハマる人達と同じレベルですね。
そして冷静に判断してみると、皐月賞7着のコルテジアと8着のヴェルトライゼンデの着差はハナでしたので、ヴェルトライゼンデもコルテジアと同等の評価をすべきだったと反省しています。
ただ当時の私には、この競馬認知バイアスから逃げることは出来なかったと思います。
皐月賞のレース映像を何度か見て「コルテジア」を発見してしまった時から？もう逃れることは不可能なのが、競馬認知バイアスの恐ろしいところなんですね。
私自身の競馬予想の基本は血統ですが、コルテジアの血統表を見て、日本ダービーへの適性は、勝利したコントレイルの血統的な評価を100とすると、20以下だと思います。ただ一度競馬認知バイアスに罹患してしまうと、コルテジアに関する全てのネガティブな要素は見えなくなり、コルテジアに負けた競走馬を必要以上に弱く感じて、その能力を考えることも止める、いわゆる思考停止状態に陥ってしまったのです。

2022年日本ダービー
私は何故アスクビクターモアを買えなかったのか？

競馬認知バイアスとは非常に恐ろしいもので、意識していても逃れることが出来ない場合も多いものなんです。例えば私は同じような過ちを2年後の日本ダービーでも犯していますし、私以外の大勢の競馬ファンも同じ失敗をしていますよね。
大勢の競馬ファンは、皐月賞で伸びないインから4着と健闘したダノンベルーガを高く評価し1番人気にしていました、並んでクビ差5着のアスクビクターモアは7番人気と評価を落としましたが、日本ダービーではアククビクターモアがダノンベルーガとの競り合いを制して3着を確保しています。
私もダノンベルーガ中心に馬券を組み立て、皐月賞でわずかクビ差のアスクビクターモアは完全に消していて馬券は外してしまいました。

さて今年の皐月賞も完全な外伸びのトラックバイアスでしたが、20年、22年のように終始インで頑張った競走馬はいませんでした。強いてあげれば、４角まではインぴったりを通り、直線に向くと素早く外に出して５着に粘ったショウナンバシットぐらいでしょうか？
私は今のところ何かの「競馬認知バイアス」には侵されていないとは思いますが、特定の競走馬に入れ込まないように注意したいと思っています。

※あえて注意したいのは、皐月賞のレース中向こう正面で落鉄していたファントムシーフでしょうか？「もしも落鉄が無ければ、、、」と妄想がふくらんできますね。メディアも小出しにこの情報を流し始めてますよ。
※もう一つは前例の無いローテで臨むドゥラエレーデも何か特別な内部の情報が流れて思わぬ穴人気に成るかもしれませんね。

とにかく今年は変なバイアスを持たずに、冷静になって、出走全馬を同じ熱量で予想しようと思っています。その為に必要なのが、バイアスの全くないダービーメトリクスのAIスコアなんだと思っています。
特に私のような競馬認知バイアスにハマりやすい人間には絶対に必要ですね？

以上


競馬認知バイアスに関する記事はこちらもどうそ