【公募備忘録】2023年ノベル大賞

 今年もあと少し。
 というわけで、今年が終わる前に2023年ノベル大賞について振り返っていきたいと思います。

 集英社オレンジ文庫のノベル大賞に応募するのは今回が初めてでした。
 4作品応募して2作品が一次選考通過、二次選考落選という結果となりました。
 他の人から自分の作品はどのように読まれているのかは小説を書いている上でとても気になることだと思います。自分は感想を貰ったことがほとんどありません。そんな時、ノベル大賞は選評を貰えると知って「よし、応募してみよう」と思ったのがこの賞に応募したきっかけでした。

 選評の項目は全部で6項目。A、B、Cで評価結果が示されていました。「備考」に特に何処が良かったのか等の感想や改善点が書かれています。
 一次を通過しなかった作品はやはりC評価が多く、通過した作品はB以上の評価が多かったです。

 私の作品は全体を通して、「盛り上がりが足りない」、「既視感のある展開だった」、「読者を裏切るような意外性がない」とのことでした。
 ……うん、知っている!
 自分の作品の弱点を見事に見抜かれてしまい、思わず評価結果に大きく頷いてしまいました。盛り上がりが足りないことも、何処かで読んだことのある展開なのも、どんでん返しがないこともよくわかっています。

 でも、所謂「王道展開」というものが好きな私にとって、ありきたりなストーリーは読んでいて安心するし、逆にラストで「え、そっちに行っちゃうの!?」という展開が苦手なのです。どうしましょうか……。

 掘り下げがあまりできていないため、エピソードが希薄で登場人物の個性を感じられなかったと言われたのかなと思っています。
 「普通」な主人公を描くことが多いので、もっと主人公や登場人物の個性が現れるように、凝った設定にした方が良いのか……でも、あまり突飛過ぎると共感が得られないのではないだろうか……と考えてしまいます。とても悩ましいところですね。

 ここは絶対に直そうと思ったのは、伏線はちゃんと回収するということでしょうか。
 におわせておいたのに作中でその理由を書いていないところがあったら、その部分はすぐに直した方が良さそうです。
 続いたら回収しよう等といったことは、続けられることが大前提になってしまいます。続編を書ければいいのですが、いろんな問題があって続きを書けなかった場合、その伏線は謎のまま終わってしまいます。「結局この描写は一体何だったの?」と読者に思われないように、出し惜しみをせずに、きちんと書ききることが大事だと思いました。

 あと、「文章の段落が細かく刻まれ過ぎていて、感情や風景描写のメリハリがつかないため、物語の重要な部分が読者に伝わりにくい」と注意されたことが盲点でした。これは作品の読みやすさにもつながってくると思います。
 逆に、台詞と心の声が使い分けられており、心情が伝わってきてとてもよかったと言ってもらえた作品もあったため、心情をわかりやすくするために心の声を「()」や「――」等といった記号を使うのもありだと思います。読者に伝わりやすい文章を心がけていきたいものです。

 また、「作品の空気や世界観がとても柔らかな感じ」が良い点だと言ってもらえたことがとても嬉しかったです。その点は自分の強みとしてこれからも伸ばしていきたいです。

 以上、ノベル大賞の選評について簡単に振り返ってきました。
 因みに、選考に残れば残る程、選評には厳しいことが書かれているらしいです……恐ろしいですね。
 今回述べて来た点で、もし、「自分の作品もそうかもしれない……」と気づけたのなら、修正するチャンスです!この文章が何かのお役に立てたのなら幸いです。
 修正できる点は修正して、また別の公募に応募してみようと思います。


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