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噛み合わない、だがそれもよし

本note記事のテーマ曲(「チャンピオン」Song byアリス)
お元気ですか!あいみです。
今回は業務引き継ぎについてのnote。
皆さん、引き継げてますかーーー!?!?!?


3ヶ月目の気づき

「Three months into my new job, I realized that I was not being taught my job.」

転職をして3ヶ月経過しました、私は焦っていました。
それは「全然業務の共有や引き継ぎ出来ていない。そもそも業務全体の把握も出来ておらん•••(焦り)」という状態だったから。

そして気が付いたのです。
前の職場と同じじゃない?と。

一体何が同じかというと。

2回転職をしたあいみさんのケース

「Am I going to go through the same thing all over again?」

それではどこが「同じ」なのでしょうか。
これまでご一緒しているベテラン同僚はこちら。

①1社目 A社
年齢60代
産業看護職歴:約20年
A社での勤務歴:約8年~

②2社目 B社
年齢70代
産業看護職歴:約40年
B社での勤務歴:約15年~

ある意味引きが強いのかもしれない(あいみの心の声)

まずはベテラン同僚の働き方の共通点

【業務方法】
♦記録が紙ベース(データとして保存していない)
♦書類整理が出来ていない(理由は「忙しい・時間がない」)
♦工数をつけていない
♦勤務時間外のボランティア業務が多い(ワーカーホリック傾向)
♦立ち上げからの長年1人職場である

N=2 あいみ調べ 2024

ではこの方々はどういう風に働いていると思いますか?

【業務風景】
♦「忙しい・時間がない」が口癖
♦デスクや勤務する部屋に不在のことが多い
♦↑の結果「いつもいない」「何をしているのか分からない」と周囲が思う
♦忙しいので「人を増やしてほしい」となる
♦立ち上げからおり、発言は重視されるので具体性のないまま募集がかかる
♦1人で仕事を行うことが当たり前

N=2 あいみ調べ 2024

こういう状況に新しい人が入ると一体どんなことが起こるでしょうか?

♦整理整頓されていない紙ベース記録のため情報共有が困難
♦1人で業務を行ってきた期間が長く、やり方は自己流でありマニュアルや業務の流れについてなどまとめていない
♦そのため業務分担が出来ずにいきあたりばったりでその日・その場の業務を依頼する
♦業務を体系立てて伝えることが困難
♦相談すると「焦らなくて良い、ゆっくりやろう」との返答が常

N=2 あいみ調べ 2024

なぜ忙しいのか要因を探らず、自分の業務を見直すことのないまま増員。
新しく入職した産業看護職にどの業務を分担したらいいのか、どう業務を覚えてもらっていけば良いのかという具体性・計画性のない状況で受け入れ
つまり受け入れ準備は何もない状態だったのです。

私が気が付いて、情報共有の方法を提案しても変わりません。
「2人」で仕事を進める体制へのチェンジは困難。

そうなると、最初の数か月間は資料整理、電話番など雑用係になります。
前回と今回もこの流れ。
一社目は産業保健未経験だったので、この状態に気が付いたのは大分経ってから。
今回は早々に気が付いて食いついてきたものの、気が付けば3ヶ月経過。
雑用をこなすことで情報収集などは捗るというメリットもあります。

自分はなぜここにいるのか

Reason for my existence.

新規立ち上げ、増員、後任と産業看護職を雇用する際にはポジションがあります。
つまり、雇用する側がどういう目的で募集をするのかということ。

最初のA社はゆくゆくは「後任」になるための一時的な「増員」で業務を引き継いでいくと思っていました。
ですが入職した実態は「増員」に近く。サポート業務メイン。
とはいっても色々なことを経験することが出来たのでヨシ!

現在のB社は「後任」という認識を私は持っています。
入職前にもそういう話をしていたので(かといって書面で記載をされているわけではなく具体性もなかった)。

大学院を卒業するまで、一緒に働きながら徐々にメインが私にスライドしていく。
情報共有→業務分担→引継ぎ→大学院卒業後に後任着任という流れを思い描いています。

さて、現実問題。
ベテラン同僚が「いずれ辞めたい」と募集をかけ続けていた中、私が入職。
(私も本人から「リタイアしたい」ということを聞いていたので、「業務を引き継ぐまで一緒にお願いします!」と語ったことも今は懐かしい…。)

業務を同僚から引き継いで後任に…と私と周囲はそう思っていた中、その話はすっかり同僚から出なくなりました。

そして情報共有・分担が進まないという事態に。
産業看護職は同じフロアとはいえ隔離された場所にいて、私たちのやりとりはブラックボックス。
部長と面談をして、産業看護職間での業務分担や共有が全く進んでいないことに驚いていました(そりゃそうだ)。

どうやら業務を分担したくないのでは?渡したくないのでは?と皆が感じるような状況となっているのです。
そしてそれは本人が意図したり悪意があるのではなく、無意識的になのかもしれません。

私に業務を任せるのは心配・不安、というのなら分かるのですが、そもそもそこまで業務を行っていません。

「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、誉めてやらねば、人は動かじ」って山本五十六殿が言ってるでしょ!!!

もとい、私も口頭や文書などで情報共有の必要性や、共有方法の提案を繰り返し行っています。
産業看護職同士で話し合う時間もお願いをして設けるようにしています。
私だけで抱えている問題ではないと考え、現在は産業看護職間の業務分担・共有状況などは部長たちと共有しています。

これは私の体験から得た教訓。

「自分がどういう立ち位置で雇用されるのか事前によく確認すること。
上司、同僚、そして自分の意見をよく確認してズレを小さくすること。
引き継ぎを受ける期間など明確な時期を確認すること。」

会話が噛み合わない

「I can't have a conversation with my co-workers.」

この状況でも、私はB社が好きなので「ここで頑張りたい」という思いが強いことが救い。
増員でも後任でも、業務分担・情報共有はせにゃあかん。
対応を検討しなくてはいけません。

ベテラン同僚と1対1の個別のやりとりはぼちぼち限界に。
そこで部長や同じ部署の人、産業看護職の仲間たちに相談。
自分の状況を客観的に見つめて気がつきました。

ベテラン同僚と話が噛み合わない。
会話が成り立っていないのです。

職場で、私はベテラン同僚以外の人とは会話が噛み合います。
ベテラン同僚とだけ嚙み合わない。
私だけでなく他の人もベテラン同僚とは同じ状況だということ。

そうなると私個人だけではなく、相手であるベテラン同僚にも何か要因があるのではないか?と。

同僚になる前からの知り合いでしたが、ここまで長時間ずっと一緒に過ごすことはなかった。
一緒に働く状況になって困った事態になったわけです。

困ったままでは先に進みません。
状況をまず整理。

噛み合わない場面は
・会話
・文章(メールとか資料)
・LINEのやりとり
・委員会などの進行
・などなど

様々な場面で見受けられます。

場面で見られる傾向は
・噛み合わない
・話題が逸れてあちこちに飛ぶ
・何が言いたいか分からない
・話にまとまりがない
・話が長い

質問をするとこういう感じなので、聞きたい答えが返ってきません。
話がどんどんズレていくのです。
自分にもこういう傾向はあります。
とはいえ、相手はこの傾向が更に強く、一向に伝わらないのです。

状況を整理して、こう推察しました。

ベテラン同僚は「論理的思考ではない」と。
(相手を貶めたり蔑む意図は皆無です。)

これだ!
会話、行動、業務の進め方、合点がいきます。
頭の中が整理されておらず、会話もいきなり始まります。
そして何が言いたいのか分からない。
論理的思考が苦手なのかもしれない。

ならば、私がそれを踏まえた上でコミュニケーションを取る必要があります。
そこで、会話の進め方を変えました。

①主語・述語を意識した英文のように話す
英語の基本文型、第1の型「SV」でいくのだ!
誰が、何をするのか。
何を、どうするのか。
いつまでに、行うのか。

基本は「そうか、そうでないか」相手に二択で回答できるように行う。
基本はSVですが、場合により奥義第3の型「SVO」も使用。

②端的に短く伝える
SVで話をすると必然と短くなります。
また、口頭だけでなく必要に応じて✉など文字に起こして確認。
聴覚情報だけでなく、視覚情報も取り入れる。
本当に心にとめておいて欲しいことは文書化して手渡し、付箋に書いて目につくところに貼っています。

自分が聞きたいことを明確化した上で、相手の理解を確認しながら会話を誘導していきます。
これは私から話しかける場合。

ベテラン同僚の会話は基本的に主語がなく、会話内容は主にV(動詞)+M(修飾語)で成り立っています。
ベテラン同僚から会話が始まる場合でも、このSVで誘導しながら会話の輪郭をはっきりとさせ、何を伝えようとしているのか探ります。

何より、私の質問力が磨かれていくから一石二鳥。

「最高の引き継ぎじゃん!」

「It's a great opportunity to prepare!」

「最高の引き継ぎ」、これは自分の状況を弟に相談した時に言われたこと。
一体どういうことか?と聞いた私に弟は以下のように語りました。

♦業務を丸ごと全部、その人のやり方も含めて100%引き継ぐ必要はない。
♦業務を進めるにあたって、知っておくべきものだけを聞けば良い。
♦全部を把握する必要はない。大枠で良い。
♦明日、もし1人になって自分が業務をやることになったら、何を知っておかないと困るのか?そこをポイントに情報を引き出せばよい。
♦大学院卒業までは準備期間だと思えば良い。それがあと1年もあるなんて最高じゃん!分からないことはすぐ聞ける状況にあるし。
♦相手が業務を抱え込んで見せないつもりなら、こっちから「ちょっと覗かせてくださーい、あ、そうやって仕事されてるんですねー」くらいのスタンスでいれば良い。

うちの弟は一体どういう人生を歩んでいるんだ

こうしたことから、弟は「最高の引き継ぎ(準備)期間じゃん!」と言っていたのです。
彼はIT関係の仕事をしており、翌日突然仕事に来なくなる人が多いような状況にいるため、こういう考え方をするようになったのだそう。

この話を聞いて、マインドチェンジ!
相手は変らないことは重々身をもって知っています。
私がマインドを変える。
どう変えれば良いのか分からなかったけれどヒントをもらった。
気持ちがとても楽になりました。弟に感謝。

私の問題点は以下のとおり。

♦漠然と「業務を引き継ぐ」ことを考えていて、具体性に欠けていた。
♦業務を全部把握しないと「いけない」と思い込んでいた。
♦マニュアルの有無にこだわる。
♦全体を把握することが難しいであろう同僚に「全体の流れ」を聞いても、相手も伝えることは苦手なことが分かっていなかった(先述の「会話が噛み合わない」を参照)。
♦教えてもらうことばかりで「自分ならどう行うか」に重きを置いていなかった。
♦「教えてもらう」の受け身の姿勢でいたことも痛感、反省。

私もまだまだです

そこで早速行動に。
①質問方法を変更(先述の「会話が噛み合わない」)
に加えて

②業務引き継ぎリスト・記録作成に着手
引き継リストを作成し、1問1答として具体的に聞くように。
例えば、健康診断について知りたいとする。

【大項目】健康管理
【中項目】①健康診断 ②健診事後措置 ③健診準備 ④結果処理・分析 ⑤情報発信 ⑥結果の保存方法 など
【小項目:①健康診断】実施時期 健診依頼業者 健診対象者 健診結果保存場所 事後措置状況 などなど

あくまで例えですが、とりあえず全部書き出すのだ!

まずは大項目として業務を列挙し、どんどん細分化していきます。

今回知りたい「健康診断」は、大項目「健康管理」の中項目の1つ。
さらに健康診断について知りたいこと・知らないと困ることを列挙。

そして自分が業務を進める上で把握しておくべき情報を整理。

そうしたら知りたい情報について
①相手だけが抱えて(知って)いる情報なのか
②書類・資料などを見れば分かる情報なのか
③他部署の人に聞く情報なのか
を確認。
そして質問をしていきます。

①相手のみしか知らない情報
今までの質問
✖「健康診断についての全体的な流れや必要な業務を教えてください」

最近の質問
〇「健康診断の健診対象者を教えてください」

②・③の場合
「健診にかかる費用は経理部に聞けば良いですか?違いますか?」
「健診結果は報告をしていますか?していませんか?」

質問する時は多すぎず、そして焦らずに。

そして確認をしたら情報と日付を記録。

こうした流れで1つずつリストを埋めていきます。
何を聞けば良いのか具体的になるし、自分の頭も整理される。
そして相手も答えやすいように会話を誘導することが出来ます。
もはや私にとって脳トレ。
めちゃ頭使います。
でも面白い。

口頭で聞くことが出来なければ、質問紙にしてもヨシ!
ベテラン同僚が業務をしているタイミングで、合間で、確認作業を進めていく。

1年かけて(そうなるかは分からないにしろ)、このリストを埋めていけば良いと思ったらスタンプラリーみたいだし、自分の中でとりあえずのゴールが分かるので先の見えない不安も軽減。

先が見えない、自分がここでどうなっていけば良いのか分からないということはとても不安。
仕事を早く覚えていきたい、だから焦るのです。
その不安は、受け入れる準備ができていれば軽減されたことでしょう。
なければ自分でどうにかするしかない。
思考を切り替えて、自分なりの対応を取ることで大分ストレスが減りました。

道はまだ途中

My path is still on the way.

私の産業看護職人生、こういうケースしか経験していないのは良い学び。

こういうケースは私自身の問題もありますが、相手の問題もある。
割り切っているので心は辛くなし!

大変ではありますが、しんどくはありません。
今の職場は悩みを聞いてくれる人が周囲にいるから。
他企業の仲間がいるから。

そして前職場と違い産業看護職の業務について把握していることも理由だと思います。

私がこういうケースを経験することで学んだことまとめはこちら。

♦いつでも引き継げるように(自分が急に来れないことを想定して)、日々の記録など記録の取り方、業務の把握などデータ化する習慣をつけること
♦マニュアルとまではいかなくても簡便な業務フローを作成する(後でアレンジがきくように基本事項のみ)
♦産業看護職業務の見える化(工数をつける、他部署への報告・連絡・相談)を行うこと
♦半年に1度は書類やデータ整理を行うこと
♦産業看護職増員の際には、会社とよく必要性を相談・検討し、育成や引き継ぎについて双方で事前によく相談し具体的な計画を立てた上で受け入れること

自分のような人を減らすためにも肝に銘じたい

今回お伝えしている方法で今後どうなっていくのか・いるのか。
まだまだ取り組み始め。
業務分担という名目のコミュニケーション実験を継続中。

経過や結果をまたnoteにまとめるかもしれません。

皆さんの引き継ぎ困難事例・良好事例、どちらでも良いので体験している人はどこかでお会いした時にぜひお聞かせください!

こういう場面で困る産業看護職がいる…のかは分かりませんが、何かのヒントや気づきになれば幸いです。
長いnoteをお読みいただきありがとうございました。

最後に
※一緒に働いたベテラン同僚2人の人格を否定するものではなく、そのような意図は全くありません。
お二人とも、日常で接する時にはとても良い人たちです(これがフォローとなっているかは分からないけれど)。
1人で立ち上げから奮闘し、産業保健体制を築き上げるために貢献されてきたことを私は尊敬しています。
産業看護職として業務を共有してもらう・引き継いでいく立場の意見ですので誤解なきよう、お願い申し上げます。

※そして、あくまで私個人の体験に基づく話です。
すべての産業看護職がこのような業務の進め方をしているわけではありません。
あくまで一例。全体ではないことを踏まえてお読みください。
たまたま、私がこういうケースに遭遇しているだけです。


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