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【短編小説】光のない海
光のない海
夜の海
辺り一面真っ暗闇の海
どんなに目を凝らしても
明かりひとつないこの堤防からは
何も見えない
手を伸ばせば触れられる距離に
いるはずの君との間を
強い風が吹き抜ける
ほんのこの間まで暑かったのに
もう夜はこんなにも冷たい風が吹く
最近なかなか会えなかった君
僕が忙しかったのもあるけれど
それだけじゃないことも分かっている
今日、君から
「夜会えない?」と連絡が来た時
"
【エッセイ】悪いのは誰?
なにか問題が起きた時
悪いのは「誰」なのか
大きく分ければ答えは2つしかない
答えは
「自分」なのか「他」なのか
. . 𖥧 𖥧 𖧧 ˒˒. . 𖡼.𖤣𖥧 ⠜ . . 𖥧 𖥧 𖧧 ˒˒. . 𖡼.𖤣𖥧 ⠜
大きなプロジェクトを
皆で協力してやり遂げました
反省会ではさまざまなな意見がでます
「あれがよかったね」
「ここはダメだったね」
ダメだったのはどんなことだ
【短編小説】大切にしたいもの3(完結)
小さな容器にうつされた
金ちゃんを膝の上に抱え
俺の運転で走る車の中は
ここ最近で1番沈み込んでいる
"キレイな川に流してあげたい"
そう言った〇〇の気持ちに答えるべく
夜の闇に紛れて車を走らせる俺
普段滅多に一緒に出かけることはないけれど
今夜は闇夜に紛れて
近くの河辺と降り立った
チロチロと流れる水音
色んな音色の虫の声
蒸し暑さを吹き流す
河原の風
小さな容器を
最初よりも大事に抱
【短編小説】大切にしたいもの2
「ね〜、金ちゃんにえさあげて」
「金ちゃんね私のことが
わかるんだよ?」
「きんちゃーん新しい仲間だよ」
〇〇はその金魚に"金ちゃん"と
それはそれはありきたりな名前をつけ
可愛がり始めた
ザ・スタンダード金魚
俺の家に金魚がいるなんて...
なんだか笑えるな
夜中にリビングで1人酒を飲む夜は
気付けばその金ちゃんと
目と目で会話しながら飲んでいた
"なぁ金ちゃん
頼むから〇〇のご機嫌
【短編小説】大切にしたいもの1
【大切にしたいもの】
第一話
金魚が死んだ
長いこと大事に飼っていた
金魚が死んだ
だけど厳密に言うと
俺のじゃない
彼女が飼っていた金魚が死んだ
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「どれにするの」
「うーん...こっちも可愛いし
でも、こっちのも珍しいし...」
「もう、全部かえよ」
「いや、あの水槽じゃ
こんなにも飼えないよ」
真剣な眼差しでペットショ